機械と花 ロボットだろうが感情はあるんだから恋愛くらいしてもいいだろ?

トリカブト

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国落とし討伐戦線 1

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 彩花との時間を楽しんだ俺は、彼女を基地まで送った。別れ際、少し悲しそうに微笑む彼女。そんな彼女のもとに、再び帰るために俺は、必ず帰ってくる‥‥そう誓った。そんなことを考えながら、博士の家へと向かった。

 博士の家に着くと、インターホンを押す。すると、すぐに戸が開いた。
「一将!お求めのモノが完成したんだ!今回も自信作だよ!」

「ああ、早速見せてもらおうか」
 そう言うと、俺たちは中へと入っていった。
 博士のラボに着くと、見慣れない装置と銃剣というよりは剣に近い武器があった。
「これが、新しい武器か?」

「そうだよ!ちゃんと銃にもなるから安心してね!」

「そうか?」

「うん!しかも、威力は折り紙付きだよ!」

「それはありがたい。これからの戦いにも耐え得るな」

「これからの戦いって、なんだい?」

「ああ‥‥実は国落としを討つことになりそうなんだ」

「あの国落としと?なんでそんな危険なことをするの?」

「この戦争を終わらせるためだ‥‥」
 少しの間、沈黙が続く。彼も、残された側の気持ちを知っている者だ。知人が亡くなるかもしれない選択をすぐに呑み込めないのは、察して余りある。
 沈黙に耐えかねた俺は、気になっていたことについて聞いてみた。
「そうだ、この機械はなんだ?」

「うん?ああ、それは君が所望していた訓練のための機械だよ」

「これで?一体どうやってするんだ?」

「これは、ヴァーチャルリアリティで君が戦闘してきたデータをもとに敵を作成し、戦えるっていうものなのさ」

「ほう‥‥じゃあこれまで戦ってきた強敵と訓練出来るということか。ありがたいな」

「一将‥‥国落としの件辞めといた方がいいんじゃないかな?」

「どうしてだ?」

「相手が悪すぎる!君にもしものことがあれば、彩花ちゃんが悲しむんだぞ?分かっているのかい?!」

「ああ、彼女にも話したし、承諾してくれた」

「なんだって‥‥まぁいい、とにかく僕は、この件に関しては賛同できないな。危険すぎる」

「この戦争を‥‥終わらせられるかもしれない。そうすれば、こんなことで言い争わなくて済むだろ?」
 それを聞き終えた博士は、少し動揺していた。俺は、彼に礼を言うと、基地へと向かった。
「君は‥‥君たちは知らないんだよ‥‥国落としの実力を‥‥」



 基地へ帰ると、あの件の返答をするために、真っ先に司令室へと向かった。
「失礼します」

「ああ、7号か。ここに来たということは例の件のことか?」

「はい、承諾いたします」

「それは、良かった。では、作戦全容を話そうか」

「まずこの作戦の最終目標は帝王の首だ。そのために、以前も話した通り周りの戦力を奪う。最初に狙うのは、第4席次 ルドベキアだ。奴の守る領土は、我々の陣営から近く、資源が潤沢に蓄えられている。」

「その上、立地の関係上、孤立している。ここを攻め落とし、新たな拠点とする」

「了解しました。ところで、敵の数‥‥戦力はいかがですか?」

「一番規模が小さいと報告されている。こちらの戦力は、最新鋭のN型を10機全て投入する」

「決行は明日の朝、集合場所は‥‥街の門にしよう。それまでに準備をしておいてくれ」

「了解しました。必ず朗報を持ち帰ってきます」
 俺は、そう言うと敬礼し、司令室を後にした。



 俺は、定刻まで博士にもらった新しい武器の手入れをしようとしていた。いい切れ味だ‥‥しかし、扱いは少し癖がありそうだな。本当に使いこなせるのだろうか?
 俺は、もう1つの彼の発明品のことを思い出した。あれを使ってみようか。そう思い立つと訓練場で装置を起動した。
 起動音とともに周りの世界が変わっていく。これがヴァーチャルリアリティというものか。暫し、新しいものへの期待感に胸を躍らせていると、機械の音声が聞こえてきた。
「ヴァーチャルリアリティトレーニングシステム起動。相手の名前を呼んでもらうと貴方の目の前に現れます」

「なるほど‥‥こういう感じで始まるのか。じゃあ、アマリリスを頼む」

「アマリリス、戦闘データを分析中‥‥分析中‥‥分析完了。トレーニングを開始いたします」
 そういい終えると、目の前に先日戦った相手‥‥アマリリスが現れた。寸分たがうことなく同じ姿だ‥‥そんな関心をしていると、相手はいきなり襲い掛かってきた。鋭い太刀筋‥‥実力も奴と変わらないな。これなら、新武器の試し切りにはいいかもしれない‥‥
 俺は、作戦決行までアマリリスと戦い続けた。
 少し休憩を入れようと、装置を外すと、窓の外から見える空は、少し明るくなっていた。
 さて‥‥そろそろ集合場所へ向かうか‥‥



 集合場所に着くと、新型機が全員揃っていた。あの日を思い出すな‥‥いや、関係ないことは、考えない方がいいな。
 俺は、集まった部下たちに激励をするためこう言った。
「待たせたな、今回の戦いは皆の想像をはるかに超えるほど危険なものになるだろう‥‥だが、我々は死ぬために行くのではない!勝ちために行くのだ!必ず勝利して帰って来よう!」

「タイチョウサン、メイレイヲオネガイシマス」

「え?あ、とりあえず主力は俺が止めるから、2機は援護に、他は敵兵の殲滅を頼む」

「リョウカイシマシタ」
 やっぱりロボットに士気を高めるとかは、不要だったか?小隊を組んだことがないから、こういうのは苦手だったから、まぁいいか‥‥
 そんなことを考えながら、俺たちは、死地になるかも知れない場所へ行く。
 俺たちが、荒廃した街を抜け、何もない荒野を走り抜ける。もう少しかかるな‥‥周りも段々明るくなってきていた。奇襲をかけるなら夜の方がいいから、野営をするか‥‥
 そんなことを考えていると、水平線の向こう側に目的地が見えた。
 俺は、皆を止め、こう言った。
「ここで野営して、夜を待つ。それまで準備をしておいてくれ」

「リョウカイシマシタ、タイチョウサン」
 はぁ‥‥こいつらの無愛想さは、何とかならなかったのか?そう思いながら、持ってきた軽食をかじる。‥‥やはり、不味いな。



 周囲が暗くなり、空には雲が分厚くあり、月明かりさえない状態だった。奇襲にはもってこいの天気だ‥‥
 俺は、立ち上がりこう言った。
「よし!これから奇襲作戦を始める!手筈通りやってくれ」

「リョウカイシマシタ」
 そう言い終えると、彼らは言われた通りに行動をした。
敵の領土に近づいてくると、何かが飛んできた。あれは、何だ?暗くてよく見えないな‥‥そう思っていると、隣にいたロボットが壊れていた。いや、正確には壊されていたか。

突然のことに驚いていると、雲間から月明かりが壊れた部下と敵を照らした。黄色の機体に、大きな戦槌を持ったロボットがそこにいた。
「君たちは、さっき来たロボットたちの仲間だね?悪いが、僕が守る領土は襲わせないよ」

「お前が、ルドベキアだな?」

「そうだとしたら、どうするんだ?」

「悪いが、ここで死んでもらう!」
 そう言い終えると、全速力で相手に突進し、新武器を振るう。しかし、軽く止められた。
「やめておけ、先に来た仲間と同じように潰されたくなければね」

「止められるわけないだろ!」
 そう言いながら、銃剣を振るが奴には、届かなかった。強い‥‥アマリリスよりもはるかに上回る実力だ‥‥
「そういうなら、僕も自衛のために戦わせてもらう!」
 そう言うと、彼の戦槌が振りあがり、俺めがけて落ちてきた。その一撃を銃剣で受け止める。凄まじい一撃だ‥‥防いでいても、体に振動が伝わって、ダメージを受けているような錯覚に陥った。
 威力を逃がしながら、その一撃を何とか受け流すと、俺は銃を打ち込んだ。キャノン砲のような弾丸が奴の機体をかすめた。武器の火力は申し分ないな、戦える‥‥!奴の傷ついた機体と表情を見て確信した。
「君が、アマリリスを殺した奴か‥‥僕も本気にならないと不味いだろうね」
 そう言い終えると、奴の雰囲気が変わった。戦闘モードってことか‥‥威圧感が恐ろしいほど伝わってくる。これからが国落としの本気か‥‥不味いかもな。
 だが、俺も負けるわけにはいかないんだ!そう自分を勇気付け、奴の懐めがけて、突進した。



 
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