機械と花 ロボットだろうが感情はあるんだから恋愛くらいしてもいいだろ?

トリカブト

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業火の襲来者

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 訓練の疲れも抜けきっていない中、俺は司令室へと向かった。
「失礼します、7号です」

「7号か?悪いが、緊急事態発生だ」

「何が起きたのですか?」

「第1席次だ‥‥ゴールドに動きがあったと報告があった!こちらに向かっているらしい」

「それは‥‥いつの報告なのですか?」

「先ほどだが‥‥諜報部員の状況の悪化によって報告が遅れていたらしい‥‥ゴールドが出立したのは、昨日だ」

「つまり‥‥もうここに来ていてもおかしくはない‥‥ということですね?」

「ああ‥‥報告を受けてから周囲の警戒態勢を最大限まで引き上げたが‥‥」
 司令官の話を遮るように、基地自体が揺れる。まさか、ゴールドが攻めてきたのか?そう思い、俺は、基地外へと飛び出した。



 急いで出た外の風景は、まさに惨状と言える状況だった。
見張りに出ていた兵士やロボット、ドローンの残骸がそこら中に転がり、町には火の手が回っていた。俺は周りを見渡し、敵を探す‥‥炎の中に何かを見つけた。あれはロボットか?炎に紛れるような橙色の機体に、大きな両手剣を構え、建物を薙ぎ払いながら、こちらに向かってくる。
「ようやく見つけたぞ‥‥全く慣れない町はこれだから嫌なんだ」

「貴様が‥‥ゴールドか?」

「そうだが‥‥そういうお前は、俺たちを殺しまわっているっていう例のロボットだな?」

「ああ‥‥しかし、そちらから攻めてくるとはな‥‥」

「うん?潰せるものはさっさと潰すべきだろう?」

「全く同感だ‥‥わざわざ殺しに行く手間が省けた」

「なんだ?他の国落としを倒しているから図に乗っているのか?悪いが、俺は、あいつらとは数段上のレベルだ‥‥後悔するなよ?」

「レーヴァテインよ‥‥力を開放せよ」
 そう言うと、奴は大剣を構えた。すると、武器がどんどん光り輝いていく。あれは‥‥まさか、リアトリスの時の‥‥だとすれば、不味いな‥‥
 そんなことを考えていると、奴が剣を振るった。その軌跡をなぞるように、炎が向かってきた。意表を突かれたような攻撃に驚きながらも、辛うじて避けた。魔法じゃないんだからおかしいだろ‥‥
 息をつく暇もなく、奴はこちらへ突進してきた。



 奴が懐に入ってくると、大剣を振るった。その一刀を避け、俺も銃剣を構える。熱い‥‥剣自体の温度が高いのか‥‥?そんな俺に二刀目が襲う。銃剣で止めるが、止めた剣が熱い‥‥よく見れば、赤熱した刀身となり、今にも押し切られそうになっていた。すかさず銃を放ちながら、距離を取る。銃弾は惜しくも外れたが、奴の攻撃をいなすことが出来た。
 あの剣を受け止めるのは危険だな‥‥何か対抗策は‥‥ダメだ、何も思いつかないな。
「その剣‥‥魔法武器か何かなのか?」

「うん?ああ、そうだが‥‥お前に教えてやる義理はない!」
 そう言い終えると、奴は再び向かってくる。見え見えの時間稼ぎだったか‥‥しかし、炎速度は遅い。遠距離ならこちらが優勢だろう‥‥!
 そう考えた俺は、銃を連射する。逃げ場のない攻撃に奴は、突進を止め、大剣を振るう。銃弾をすべてのみ込むような大きな炎が出て、防がれてしまった。だが、こちらの狙い通り遠距離戦に持ち込めそうだ‥‥!
すかさず俺は追撃をしたが、奴の剣でいなされる。

「ふっ‥‥遠距離なら分が良いと踏んだか、確かに観察眼と経験は良いものを持っている‥‥だが、甘い!」

 そう言い終えると、奴は突くように構えた。すると、剣先に炎の球体が形成されていく。それを突き出すように放つ。今までの、どの炎の速度よりも早く、鋭く飛んできた。それを紙一重で身をひねるように躱した。
 俺が体勢を整え、奴の方向に向き直ると、先ほどの球体が幾つも浮かんでいた。不味いな‥‥そう思う俺に、容赦なく火球が襲い掛かる。銃弾で相殺したが、これでは弾数に限りがあるこちらが不利になる。
 俺は、最後の火球を躱しながら、ゴールドの懐へ潜り込んだ。



 間合いを詰めるのに成功すると、銃剣で奴を切りつける。しかし、奴の剣で止められた。俺は、すぐ手を引きながら、銃を撃つ。軽く躱されたが、回避先に銃剣を突き刺す。流石の奴も避けきれず、腹に突き刺さる。そのまま深く突き刺そうと押し込むが、それを払いのけるように大剣を振るった。剣を回避したものの、炎が回避できず当たってしまった。
 だが、意外なことにダメージはそれほどなかった。苦し紛れの攻撃だと炎が弱まるのか?だとすれば、このまま押し切る!
 そう考えた俺は、銃剣を振るい続けた。ほとんどは躱されたが、数発は当たり、確実に奴のダメージを追わせることに、成功した。
 攻撃によろめくゴールドにとどめを刺そうと、追い詰める。奴は、先ほどと同じように大剣を振るい追撃を阻止しようとするが、軽く回避した。その後に出てきた炎もダメージがほとんどないため、そのまま突っ込んだ。よし‥‥これで勝ちだ‥‥!
 そう思った俺の顔面に奴の剛腕が、突き刺さる。装甲を粉砕する一撃に俺は吹き飛ばされ、後方へと倒れ込んだ。ただの拳に‥‥何故だ‥‥?

「はぁ‥‥はぁ‥‥解せないという表情だな。無理もない‥‥炎が装甲を蝕んでいたということに気が付くという発想は、あのラクアですら思いつかなかったからな」

「炎が身体を蝕むだと‥‥?」

「ふっ‥‥だが、ダメージをくらいすぎた‥‥次の一刀で決めさせてもらおう」

「レーヴァテインよ‥‥我がすべてを捧げる‥‥!」
 奴の大剣に炎が集まり、どんどん大きくなっていく‥‥!まるで、大きな炎の大剣のようだ‥‥あれをくらえば、ひとたまりもない‥‥!
「この一刀は神すら焼き切る‥‥!町ごと消えて無くなれ!」
雄叫びとともに大剣が振り下ろされる。このままでは‥‥基地が‥‥彩花が危ない‥‥!賭けだが、この一撃をずらすしかない‥‥!
そう考えた俺は、真っ向から炎を受け止める。それまでのどの炎よりも熱いことが、銃剣から伝わってきた。左の銃剣がほぼ溶けかけている。ならば‥‥左手を犠牲にしてこの一刀をいなす!まだ原型を残している銃剣を下げて、左肩を炎に押し付け、切っ先をずらすことに成功した。機体はもうボロボロだったが、最後の力を振り絞り、奴のもとに突進した。
ゴールドの横に身を放り投げるように滑り込ませると、奴に銃剣を切りつける。しかし、大剣で防がれた。熱を感じない‥‥これならば、押し切れる‥‥!銃弾を放ち、奴の体勢を崩すと、俺は、銃剣で奴の頭を切り飛ばした。
力なく垂れ込む目の前の機体を確認すると、俺は、勝利の余韻に浸る間もなく、倒れ込んだ。
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