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死線を超えた先の地獄
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俺は、焼けるような熱さと睡眠時の独特な浮遊感に晒されていた。誰かが呼ぶ声がする‥‥彩花か‥‥?その声に耳を澄ませる。
「漆山さん?!どこですか?!ああ‥‥目が見えていれば‥‥!あなたを‥‥」
悲しそうな声色じゃないか‥‥悪いな‥‥声が出せそうにないんだ‥‥完全に発生装置が壊れてしまった‥‥今は、声を出せない。
そう無力感で苛まれていると、意識がだんだん遠のいていく‥‥ああ‥‥俺は、ここにいるぞ‥‥ちゃんと、生きて‥‥いるから‥‥安心し‥‥ろ‥‥
呼吸器の独特な機械音と隣で作業している物音で目が覚めると、ゆっくりと身体を起こした。周りを確認すると、博士が何やら作業をしている。あれは‥‥俺の武器か‥‥?あの時溶解して使えなくなった銃を修理しているのか‥‥
俺の視線に気が付いたのか、博士がこちらを見て、こう言った。
「一将!目が覚めたのかい!」
「ああ、さっきな‥‥」
「良かったよ‥‥でも、ダメージは深刻だったよ。あと少しで、脳が機能しなくなるような状態だった」
「はは‥‥だが、これで国落としを全員倒した。残るは、ラクアただ1人‥‥」
「うん‥‥ここまで、よく頑張ってきたよ」
「そうだ、気を失う前に彩花の声が聞こえたんだが‥‥」
「ああ、実は君を見つけたのは、彩花ちゃんなんだ」
「そうなのか?俺は、声が出せなかったが‥‥」
「彼女は半壊したこの基地で、探し回っていたんだ。火の手もあるから、止められたんだけど聞かなくてね‥‥」
「まだ高温だった君の身体を素手で触ってしまって‥‥」
そう博士が言いかけたその時、扉が開く。振り返って見てみると、そこには彩花がいた。
「漆山さんは、どうですか?博士」
「噂をすればってやつだね、一将なら今しがた起きたところだよ」
「本当ですか?!良かった‥‥」
そう言った彼女は、安堵感に満ちた表情で、そっと胸を撫で下ろした。その手は、過去の綺麗で白いものではなく、やけどのためか赤く水ぶくれが出来た痛々しいものに成り果てていた。
「彩花‥‥!その手は‥‥!」
「ああ、えっと‥‥少しやけどしてしまいまして‥‥」
「そんな‥‥救助なら他の奴がいただろう?君が、怪我をすることもなかったのに‥‥どうしてだ‥‥」
「多分、漆山さんと一緒ですよ」
「え?俺と‥‥?」
「大切な人のために戦っている‥‥そのためなら命だって張れる‥‥」
「だから‥‥気が付いたら体が動いてました‥‥」
「勝手なことをして、兵士さんたちにご迷惑をおかけしました‥‥本当に申し訳ないと思って、何度も謝りました‥‥でも、この怪我に後悔はありませんよ」
そう言った彼女の眼は透き通っており、本当に何も悔いがないような表情だった。俺は、少しうなだれたが、すぐに向き直って、こう言った。
「そうか‥‥それなら、いい‥‥助けてくれて、ありがとう‥‥彩花」
「ふふ、どういたしまして!」
「そうだ、司令官さんが、動ける状態になったら来てくれって言ってましたよ」
「ああ、分かった。すぐに向かおう、博士もありがとう」
「なんか次いでみたいだな~」
「悪かった、感謝しているから許してくれ」
「はは、別に構わないよ。いってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
そう言い終えると、俺は司令室へと向かった。
「失礼します」
「おお、7号か。もう動けるようになったとは‥‥」
そう言った司令官の顔は、軽度のやけどが見受けられた。
「すみません、私が、ゴールドの一撃を完全に防げなかったせいで‥‥」
「うん?ああ、これか‥‥貴公に落ち度はないだろう?」
「貴公がいなければ、ここはとっくに焦土となっていたところだ。その証拠に郊外にあった平原が一瞬にして荒野に成り果てた」
「落ち度があるとしたら、この私だな‥‥奴の接近を想定していなかったせいで、半分の兵力を失ってしまった」
「まぁ‥‥憂いても仕方がない‥‥さて、次の‥‥いや、最後の作戦に取り掛かるとしようか」
「帝王の演説があることは知っているな?」
「はい、私がどれくらいの間眠っていたのか分からないので、あと何日かは正確には言えませんが‥‥」
「貴公は、ゴールドと戦った後、1日眠っていたから‥‥明後日だな」
「この演説中は、兵士の護衛が少数になる。国民との間を兵士で埋め尽くさないようにしているらしいからな。その分精鋭揃いだが、貴公の相手になるものはラクアくらいだろう‥‥」
「これから出立の準備に取り掛かってもらおうか」
「了解しました」
「うむ、こちらも総戦力で向かう。出立予定は3時間後としよう」
「分かりました、では、準備をしてきます。失礼しました」
俺は司令室から出ると、自室へと向かった。
自室の扉を開け、部屋にあるトリシューラを見ながら座り込んだ。もう少しで‥‥終わりそうです‥‥貴方の仇を取って必ず‥‥この戦争を終わらせます‥‥だから‥‥力を貸してください。
そう思うと、目の前にある槍を手に取り、背中に担いだ。部屋を出ようとすると、基地から持ってきたあるものに目が留まる。ああ‥‥そういえば、最近は激しい戦闘が多かったから、持っていくのを控えていたんだったけな‥‥最後の戦いだ、お前も手伝ってもらうぞ‥‥3号
自室での支度が終わり、基地の門前へと移動した。そこには、多くの兵士たちが集まっていた。不安でいっぱいな表情をしている者や、戦争の終わりを願う者、生きて帰れるように十字架を握りしめる者‥‥いろいろな思いが交錯していたが、皆の目標は1つだ‥‥勝つことだ。
そんなことを思っていると、博士が呼ぶ声がする。
「一将!武器忘れているよ~」
「ああ、博士か‥‥助かる、これで万全な状態で挑める」
「うん‥‥後、君にはあまり良い情報じゃないが‥‥彩花ちゃんの視力が‥‥」
そう言いかけた博士の後ろから、誰かが歩いてくる。
「漆山さん!見送りに来ましたよ!」
「不味い、一将隠れて‥‥」
博士の忠告も虚しく、彼女と目が合った。
「え‥‥?」
「あ‥‥」
「まさか‥‥嘘‥‥だましていたなんて‥‥!」
「違うんだ!説明させてくれ!」
「嫌です‥‥!貴方とは、もう口もききたくありません!」
「待ってくれ!話を‥‥!」
そう言い終える前に、彼女は基地内へと姿を消していった。最悪だ‥‥なんで‥‥なんでこんな時に‥‥!最後の最後で‥‥嘘がバレるだなんて‥‥最悪の心境の中で、最大の敵に挑むことになるとは‥‥
この戦争を終えた後、弁明させてもらえるだろうか?そんなことを考えながら、戦場に向かった。
「漆山さん?!どこですか?!ああ‥‥目が見えていれば‥‥!あなたを‥‥」
悲しそうな声色じゃないか‥‥悪いな‥‥声が出せそうにないんだ‥‥完全に発生装置が壊れてしまった‥‥今は、声を出せない。
そう無力感で苛まれていると、意識がだんだん遠のいていく‥‥ああ‥‥俺は、ここにいるぞ‥‥ちゃんと、生きて‥‥いるから‥‥安心し‥‥ろ‥‥
呼吸器の独特な機械音と隣で作業している物音で目が覚めると、ゆっくりと身体を起こした。周りを確認すると、博士が何やら作業をしている。あれは‥‥俺の武器か‥‥?あの時溶解して使えなくなった銃を修理しているのか‥‥
俺の視線に気が付いたのか、博士がこちらを見て、こう言った。
「一将!目が覚めたのかい!」
「ああ、さっきな‥‥」
「良かったよ‥‥でも、ダメージは深刻だったよ。あと少しで、脳が機能しなくなるような状態だった」
「はは‥‥だが、これで国落としを全員倒した。残るは、ラクアただ1人‥‥」
「うん‥‥ここまで、よく頑張ってきたよ」
「そうだ、気を失う前に彩花の声が聞こえたんだが‥‥」
「ああ、実は君を見つけたのは、彩花ちゃんなんだ」
「そうなのか?俺は、声が出せなかったが‥‥」
「彼女は半壊したこの基地で、探し回っていたんだ。火の手もあるから、止められたんだけど聞かなくてね‥‥」
「まだ高温だった君の身体を素手で触ってしまって‥‥」
そう博士が言いかけたその時、扉が開く。振り返って見てみると、そこには彩花がいた。
「漆山さんは、どうですか?博士」
「噂をすればってやつだね、一将なら今しがた起きたところだよ」
「本当ですか?!良かった‥‥」
そう言った彼女は、安堵感に満ちた表情で、そっと胸を撫で下ろした。その手は、過去の綺麗で白いものではなく、やけどのためか赤く水ぶくれが出来た痛々しいものに成り果てていた。
「彩花‥‥!その手は‥‥!」
「ああ、えっと‥‥少しやけどしてしまいまして‥‥」
「そんな‥‥救助なら他の奴がいただろう?君が、怪我をすることもなかったのに‥‥どうしてだ‥‥」
「多分、漆山さんと一緒ですよ」
「え?俺と‥‥?」
「大切な人のために戦っている‥‥そのためなら命だって張れる‥‥」
「だから‥‥気が付いたら体が動いてました‥‥」
「勝手なことをして、兵士さんたちにご迷惑をおかけしました‥‥本当に申し訳ないと思って、何度も謝りました‥‥でも、この怪我に後悔はありませんよ」
そう言った彼女の眼は透き通っており、本当に何も悔いがないような表情だった。俺は、少しうなだれたが、すぐに向き直って、こう言った。
「そうか‥‥それなら、いい‥‥助けてくれて、ありがとう‥‥彩花」
「ふふ、どういたしまして!」
「そうだ、司令官さんが、動ける状態になったら来てくれって言ってましたよ」
「ああ、分かった。すぐに向かおう、博士もありがとう」
「なんか次いでみたいだな~」
「悪かった、感謝しているから許してくれ」
「はは、別に構わないよ。いってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
そう言い終えると、俺は司令室へと向かった。
「失礼します」
「おお、7号か。もう動けるようになったとは‥‥」
そう言った司令官の顔は、軽度のやけどが見受けられた。
「すみません、私が、ゴールドの一撃を完全に防げなかったせいで‥‥」
「うん?ああ、これか‥‥貴公に落ち度はないだろう?」
「貴公がいなければ、ここはとっくに焦土となっていたところだ。その証拠に郊外にあった平原が一瞬にして荒野に成り果てた」
「落ち度があるとしたら、この私だな‥‥奴の接近を想定していなかったせいで、半分の兵力を失ってしまった」
「まぁ‥‥憂いても仕方がない‥‥さて、次の‥‥いや、最後の作戦に取り掛かるとしようか」
「帝王の演説があることは知っているな?」
「はい、私がどれくらいの間眠っていたのか分からないので、あと何日かは正確には言えませんが‥‥」
「貴公は、ゴールドと戦った後、1日眠っていたから‥‥明後日だな」
「この演説中は、兵士の護衛が少数になる。国民との間を兵士で埋め尽くさないようにしているらしいからな。その分精鋭揃いだが、貴公の相手になるものはラクアくらいだろう‥‥」
「これから出立の準備に取り掛かってもらおうか」
「了解しました」
「うむ、こちらも総戦力で向かう。出立予定は3時間後としよう」
「分かりました、では、準備をしてきます。失礼しました」
俺は司令室から出ると、自室へと向かった。
自室の扉を開け、部屋にあるトリシューラを見ながら座り込んだ。もう少しで‥‥終わりそうです‥‥貴方の仇を取って必ず‥‥この戦争を終わらせます‥‥だから‥‥力を貸してください。
そう思うと、目の前にある槍を手に取り、背中に担いだ。部屋を出ようとすると、基地から持ってきたあるものに目が留まる。ああ‥‥そういえば、最近は激しい戦闘が多かったから、持っていくのを控えていたんだったけな‥‥最後の戦いだ、お前も手伝ってもらうぞ‥‥3号
自室での支度が終わり、基地の門前へと移動した。そこには、多くの兵士たちが集まっていた。不安でいっぱいな表情をしている者や、戦争の終わりを願う者、生きて帰れるように十字架を握りしめる者‥‥いろいろな思いが交錯していたが、皆の目標は1つだ‥‥勝つことだ。
そんなことを思っていると、博士が呼ぶ声がする。
「一将!武器忘れているよ~」
「ああ、博士か‥‥助かる、これで万全な状態で挑める」
「うん‥‥後、君にはあまり良い情報じゃないが‥‥彩花ちゃんの視力が‥‥」
そう言いかけた博士の後ろから、誰かが歩いてくる。
「漆山さん!見送りに来ましたよ!」
「不味い、一将隠れて‥‥」
博士の忠告も虚しく、彼女と目が合った。
「え‥‥?」
「あ‥‥」
「まさか‥‥嘘‥‥だましていたなんて‥‥!」
「違うんだ!説明させてくれ!」
「嫌です‥‥!貴方とは、もう口もききたくありません!」
「待ってくれ!話を‥‥!」
そう言い終える前に、彼女は基地内へと姿を消していった。最悪だ‥‥なんで‥‥なんでこんな時に‥‥!最後の最後で‥‥嘘がバレるだなんて‥‥最悪の心境の中で、最大の敵に挑むことになるとは‥‥
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