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白昼夢に見せられて
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ラクア戦の深刻なダメージの中、俺は、帝王を探していた。すると、路地裏の奥に人影を見かけた。あれは‥‥帝王か?そう思い、目を凝らす。間違いない‥‥帝王だ!そう思い、奴の後を追った。
奴は路地裏の奥にある頑丈そうな扉を開け、その中に入っていた。俺も後を追い、中へ入る。その中に帝王の姿はなく、戸惑っていると扉が閉まる音がした。振り返るとそこに奴がいた。
「見つけたぞ‥‥」
「ああ、わざと見つかってやったのだ」
「何だと?」
「あのラクアに勝ったものから逃げ切れるとは思えんからな‥‥」
「潔いじゃないか?なら、望み通り殺してやる‥‥出来るだけ楽にな」
「それは、ありがたいな。だが、余はただでは倒れるつもりはない」
「ここは、国一番の技術者に作らせた特別なシェルターだ。頑丈なうえに、発見が難しいように光学迷彩まで搭載されている」
「お前のその身体では、この扉を破壊することは出来ないだろう?つまり‥‥道連れにしてやるってことだ!」
そう言い終えると、奴は鍵を壊し、脱出不可能にした。
「恨んでもらってかまわない。どうせ、感謝されることよりそちらの方が多い人生だったからな」
「どこぞの誰かに殺されるくらいなら‥‥余の大切な部下達を‥‥友人を殺したお前を道連れにして‥‥皆の無念を晴らす名誉ある死を選ぶ!」
「長話しすぎたな‥‥もう言い残すことはない‥‥さぁ‥‥殺せ!」
そう言った彼の表情は、死を前に開き直ったような投げやりなものではなく、目の前の死を受け入れる覚悟に満ちている誇りあるものだった。
そんな奴に敬意を払いながら、俺は、首を跳ね飛ばした。力なく倒れ込む奴を見納めると、俺は力尽き、その場に倒れ込んだ。
柔らかな陽の光を顔に浴び、目を覚ます。身体を起こすと、見知らぬ草原の木陰にいた。何が起きているのか分からず、周りを見渡す。すると、後ろから声が聞こえてくる。
「一将―!どこ行ったんだ?特訓するぞー!」
その声がする方向に行ってみると、少年が木の棒を両手に持って、俺を探している様子だった。視線に気が付いたのか、彼が振り向くと、こう言った。
「おっ、いた!早く特訓しようぜ!兄ちゃんが、考えた戦い方を教えてやるよ!」
「えっ?うん、分かった」
俺の兄と名乗る少年と、日が暮れるまで気の棒を振るった。疲れ切った俺が、その場に座り込むと、少年が呆れたようにこう話す。
「はぁ‥‥一将!こんなことで、へばっていると戦場では死んでしまうぞ!」
「でも、そろそろ夕飯の時間だ。早く帰らないと母さんに怒られる‥‥ちょっと休憩したら、すぐに帰るぞ!」
少年に連れられ、大きな建物に着く。鍵を開けて、その中に入り、帰ってきたことを告げると奥から、綺麗な女性が現れた。
「あら‥‥おかえりなさい。今日も2人で遊んできたの?」
「遊びじゃない!特訓だよ!」
「ふふ、分かったわ。もう少しで、ご飯が出来るからお風呂に入ってきなさい」
「はぁーい、一将、いこうぜ」
そう言った少年に連れられて、俺は浴室に向かった。そこで、身体の異変に気が付いた。柔らかい手‥‥それに、これは‥‥肉体だ‥‥俺は‥‥人間になっているのか?!
突然の変異に驚きながら、俺は食卓に着く。先ほどの女性と、少年、それに‥‥屈強な男が座っている。皆が食卓に並んだのを確認すると、男はこう言った。
「よし!じゃあ、食うか!」
それを合図に手を合わせた後、食事を始めた。すると、少年が男性にこう問いかける。
「父さん!今日は、どんな人倒してきたの?」
「うん?今は戦争が起きていないから、誰も倒してないよ」
「なんだ~つまんないな~」
「はは!こうやって何もないくらいがちょうどいいんだよ」
「俺は、絶対に父さんみたいな強い戦士になるんだ!」
「そうだな‥‥敦也は、もう継承が終わっているからなぁ‥‥」
「うん!爺ちゃんから受け継いだんだ!」
「一将は、俺の武器を継承させてやるからな。安心してなさい」
そう諭すように話しかけてくる男性に、小さく頷くと、彼は少し笑った後、食事を再開した。とても美味しくどこか懐かしい味に俺は、少し目元が潤んだが、ほおばるように味わった。
俺は食事を終え、寝室に向かった。ふかふかのベッドに顔をうずめながら考える‥‥何故このようなことが起きているのか‥‥そういえば博士が、人間の脳を直接使っているって言っていたな‥‥じゃあ、これは走馬灯というやつなのか?記憶をさかのぼって、俺の人間だったころを思い出している最中なんだろうか?
答えを出そうと必死に考えていると、睡魔が襲ってきた。いっぱい動いて疲れているのか?機械では味わえない感覚だ‥‥だが、今は‥‥まだ答えが出てな‥‥まぁ‥‥いいか‥‥ここはとても暖かいし、居心地がいい‥‥明日、考えるか‥‥
そう思い、重たくなった瞼を閉じ、深い眠りについた。
小鳥の声と階下のいい匂いで、俺は目が覚める。目をこすりながら体を起こし、居間へ向かう。居間では、食器を並べている母親と、それを手伝っている兄、新聞を読みながらコーヒーを飲む父親がいた。
「あら、おはよう。一将」
「おはよう‥‥母さん」
「一将!はやく席につけよ!俺、腹減ったよ~」
「分かったよ、兄さん」
「おっ、一将。起きたか、じゃあ食おう!」
そう言うと、皆で食事を始めた。何気ない日常の風景‥‥平和とは、ここまで良いものだったとは‥‥そう思いながら、朝食にがっつく。それを見て笑う両親に、負けじとがっつく兄‥‥こんな居心地のいい朝は初めてだ。
そう思いながら、美味しい食事を楽しんでいると、母親がこう聞く。
「そういえば、友達と遊びに行くって言ってなかった、一将?」
「え?多分そうだったかな?」
「友達を待たせすぎてはいけませんよ?」
「うん、分かった」
そう言い終えると、残ったものをすべて平らげ、食器を片付けた後、俺は外へ向かった。
外に出た後、大切なことを聞き忘れていることに気が付いた。どこで待ち合わせをしているんだ?それに、誰と遊ぶんだ?‥‥まぁ‥‥この平原を散策してたら、きっと会うだろう。そう思って、俺は歩き出した。
どこまでも続く平原と横には綺麗な木々が色づく森林、どれもこれも自国では、見たことがほとんどないような風景だ‥‥綺麗な風景を楽しんでいると、後ろから女の子の声が聞こえる。
「あ、ここにいた!酷いわ、待ち合わせに遅れるなんて!」
「ご、ごめんよ‥‥」
「いいわ、許してあげる!ついてきて、また花言葉を教えてあげる!」
明朗快活な女の子に連れられ、野原をかけまわり、花を見る。笑いながら話す彼女は、すごく可愛らしい印象を受けた。楽しい時間はすぐに過ぎていき、あっという間に日が暮れて、帰る時間になった。
「じゃあね、一将くん!」
手を振る彼女に、同じく手を振り返した後、俺は帰路についた。
家に近づくと、何やら焦げ臭いようなにおいが散漫していた。もしかして、母さんが料理でも失敗したのかな?だが、そんな冗談が吹き飛ぶような光景が待っていた。
燃え上がる建物‥‥我が家だったものがそこにあった。俺が絶望の中で立ち尽くしていると、中から兄が飛び出してきて、俺の手を取り、森の中へと姿を隠した。
「兄さん?家が‥‥」
「分かってる!父さんも母さんも‥‥あの中だ‥‥だけど、俺たちは逃げなきゃいけない‥‥この神器は‥‥決して」
そう言った彼の目には、溢れんばかりの涙がたまっていた。なんで、こんな別れ方をしなきゃいけないんだ!だが、今の非力な姿でどうすることも出来ないことも事実だった。俺は、溢れ出る涙も止められないまま、兄に引っ張られ、安全な場所へと逃げていった。
奴は路地裏の奥にある頑丈そうな扉を開け、その中に入っていた。俺も後を追い、中へ入る。その中に帝王の姿はなく、戸惑っていると扉が閉まる音がした。振り返るとそこに奴がいた。
「見つけたぞ‥‥」
「ああ、わざと見つかってやったのだ」
「何だと?」
「あのラクアに勝ったものから逃げ切れるとは思えんからな‥‥」
「潔いじゃないか?なら、望み通り殺してやる‥‥出来るだけ楽にな」
「それは、ありがたいな。だが、余はただでは倒れるつもりはない」
「ここは、国一番の技術者に作らせた特別なシェルターだ。頑丈なうえに、発見が難しいように光学迷彩まで搭載されている」
「お前のその身体では、この扉を破壊することは出来ないだろう?つまり‥‥道連れにしてやるってことだ!」
そう言い終えると、奴は鍵を壊し、脱出不可能にした。
「恨んでもらってかまわない。どうせ、感謝されることよりそちらの方が多い人生だったからな」
「どこぞの誰かに殺されるくらいなら‥‥余の大切な部下達を‥‥友人を殺したお前を道連れにして‥‥皆の無念を晴らす名誉ある死を選ぶ!」
「長話しすぎたな‥‥もう言い残すことはない‥‥さぁ‥‥殺せ!」
そう言った彼の表情は、死を前に開き直ったような投げやりなものではなく、目の前の死を受け入れる覚悟に満ちている誇りあるものだった。
そんな奴に敬意を払いながら、俺は、首を跳ね飛ばした。力なく倒れ込む奴を見納めると、俺は力尽き、その場に倒れ込んだ。
柔らかな陽の光を顔に浴び、目を覚ます。身体を起こすと、見知らぬ草原の木陰にいた。何が起きているのか分からず、周りを見渡す。すると、後ろから声が聞こえてくる。
「一将―!どこ行ったんだ?特訓するぞー!」
その声がする方向に行ってみると、少年が木の棒を両手に持って、俺を探している様子だった。視線に気が付いたのか、彼が振り向くと、こう言った。
「おっ、いた!早く特訓しようぜ!兄ちゃんが、考えた戦い方を教えてやるよ!」
「えっ?うん、分かった」
俺の兄と名乗る少年と、日が暮れるまで気の棒を振るった。疲れ切った俺が、その場に座り込むと、少年が呆れたようにこう話す。
「はぁ‥‥一将!こんなことで、へばっていると戦場では死んでしまうぞ!」
「でも、そろそろ夕飯の時間だ。早く帰らないと母さんに怒られる‥‥ちょっと休憩したら、すぐに帰るぞ!」
少年に連れられ、大きな建物に着く。鍵を開けて、その中に入り、帰ってきたことを告げると奥から、綺麗な女性が現れた。
「あら‥‥おかえりなさい。今日も2人で遊んできたの?」
「遊びじゃない!特訓だよ!」
「ふふ、分かったわ。もう少しで、ご飯が出来るからお風呂に入ってきなさい」
「はぁーい、一将、いこうぜ」
そう言った少年に連れられて、俺は浴室に向かった。そこで、身体の異変に気が付いた。柔らかい手‥‥それに、これは‥‥肉体だ‥‥俺は‥‥人間になっているのか?!
突然の変異に驚きながら、俺は食卓に着く。先ほどの女性と、少年、それに‥‥屈強な男が座っている。皆が食卓に並んだのを確認すると、男はこう言った。
「よし!じゃあ、食うか!」
それを合図に手を合わせた後、食事を始めた。すると、少年が男性にこう問いかける。
「父さん!今日は、どんな人倒してきたの?」
「うん?今は戦争が起きていないから、誰も倒してないよ」
「なんだ~つまんないな~」
「はは!こうやって何もないくらいがちょうどいいんだよ」
「俺は、絶対に父さんみたいな強い戦士になるんだ!」
「そうだな‥‥敦也は、もう継承が終わっているからなぁ‥‥」
「うん!爺ちゃんから受け継いだんだ!」
「一将は、俺の武器を継承させてやるからな。安心してなさい」
そう諭すように話しかけてくる男性に、小さく頷くと、彼は少し笑った後、食事を再開した。とても美味しくどこか懐かしい味に俺は、少し目元が潤んだが、ほおばるように味わった。
俺は食事を終え、寝室に向かった。ふかふかのベッドに顔をうずめながら考える‥‥何故このようなことが起きているのか‥‥そういえば博士が、人間の脳を直接使っているって言っていたな‥‥じゃあ、これは走馬灯というやつなのか?記憶をさかのぼって、俺の人間だったころを思い出している最中なんだろうか?
答えを出そうと必死に考えていると、睡魔が襲ってきた。いっぱい動いて疲れているのか?機械では味わえない感覚だ‥‥だが、今は‥‥まだ答えが出てな‥‥まぁ‥‥いいか‥‥ここはとても暖かいし、居心地がいい‥‥明日、考えるか‥‥
そう思い、重たくなった瞼を閉じ、深い眠りについた。
小鳥の声と階下のいい匂いで、俺は目が覚める。目をこすりながら体を起こし、居間へ向かう。居間では、食器を並べている母親と、それを手伝っている兄、新聞を読みながらコーヒーを飲む父親がいた。
「あら、おはよう。一将」
「おはよう‥‥母さん」
「一将!はやく席につけよ!俺、腹減ったよ~」
「分かったよ、兄さん」
「おっ、一将。起きたか、じゃあ食おう!」
そう言うと、皆で食事を始めた。何気ない日常の風景‥‥平和とは、ここまで良いものだったとは‥‥そう思いながら、朝食にがっつく。それを見て笑う両親に、負けじとがっつく兄‥‥こんな居心地のいい朝は初めてだ。
そう思いながら、美味しい食事を楽しんでいると、母親がこう聞く。
「そういえば、友達と遊びに行くって言ってなかった、一将?」
「え?多分そうだったかな?」
「友達を待たせすぎてはいけませんよ?」
「うん、分かった」
そう言い終えると、残ったものをすべて平らげ、食器を片付けた後、俺は外へ向かった。
外に出た後、大切なことを聞き忘れていることに気が付いた。どこで待ち合わせをしているんだ?それに、誰と遊ぶんだ?‥‥まぁ‥‥この平原を散策してたら、きっと会うだろう。そう思って、俺は歩き出した。
どこまでも続く平原と横には綺麗な木々が色づく森林、どれもこれも自国では、見たことがほとんどないような風景だ‥‥綺麗な風景を楽しんでいると、後ろから女の子の声が聞こえる。
「あ、ここにいた!酷いわ、待ち合わせに遅れるなんて!」
「ご、ごめんよ‥‥」
「いいわ、許してあげる!ついてきて、また花言葉を教えてあげる!」
明朗快活な女の子に連れられ、野原をかけまわり、花を見る。笑いながら話す彼女は、すごく可愛らしい印象を受けた。楽しい時間はすぐに過ぎていき、あっという間に日が暮れて、帰る時間になった。
「じゃあね、一将くん!」
手を振る彼女に、同じく手を振り返した後、俺は帰路についた。
家に近づくと、何やら焦げ臭いようなにおいが散漫していた。もしかして、母さんが料理でも失敗したのかな?だが、そんな冗談が吹き飛ぶような光景が待っていた。
燃え上がる建物‥‥我が家だったものがそこにあった。俺が絶望の中で立ち尽くしていると、中から兄が飛び出してきて、俺の手を取り、森の中へと姿を隠した。
「兄さん?家が‥‥」
「分かってる!父さんも母さんも‥‥あの中だ‥‥だけど、俺たちは逃げなきゃいけない‥‥この神器は‥‥決して」
そう言った彼の目には、溢れんばかりの涙がたまっていた。なんで、こんな別れ方をしなきゃいけないんだ!だが、今の非力な姿でどうすることも出来ないことも事実だった。俺は、溢れ出る涙も止められないまま、兄に引っ張られ、安全な場所へと逃げていった。
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