魂術師(ソウルテイカー)は産廃最強職!

トリカブト

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暴食の章

第4話 イレギュラーは起こるもの

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 ガシューからとんでもない無茶ぶりをされてから1日が経った。彼たっての希望で、僕とサミエムは別々に特訓することになったんだけど‥‥ここで待つだけってどういうことなんだろう?正直ここにずっと立っていたって成長するとは思えないんだけどなぁ。というか、サミエムにはヘリオっていう師匠まで付けるなんてもしや僕はそれほど期待されていないのか?

「おい、そこの!」

「僕ですか?」

「お前以外誰がいるんだよ、全く‥‥」

「何のことですか?あれ‥‥よく見たらどこかで見た顔ですね、えーと」

「昨日の優勝者のバウゼンだ!忘れんな」

「あはは、すみません、あの時は疲れていたもので」

「ふざけた野郎だ、それで俺が行きつけの店の前で何してやがんだ?金でも奪いに来たか?」

「いやいや、そんなことはないですよ!ここで立っとけって言われたんですよ」

「まぁどうでもいい、俺もこの際ハッキリさせてぇからな」

「えぇ‥‥なんで武器を構えて臨戦態勢何ですか?こちらに戦う意思なんて」

「無くったって構わねぇ、俺がおこぼれで優勝を貰ったみてぇだからな、お前に勝って本当の意味での優勝をもぎ取ってやる!」

 なるほど、これが狙いか。彼が行きつけの店の前で因縁の相手が突っ立てたら、戦いを挑まない訳がない。特に彼のような性格なら、こちらの意思なんて無関係に襲って来るって算段か。確かに、僕は対人戦の経験は薄い。よし、とりあえずやってみるしかないか!

「くらえ、狼鼓拳アギト!」

「うわぁ!」

「ちっ」

「地面が抉れてる‥‥殺す気か?!」

「当たりめぇだろ、これは殺し合いだ」

「くぅ、ならこっちだって!ファントムメイ」

「させるか、狼鼓拳遠吠え!」

「うぐっ、うるさ‥‥」

「止めだ、狼鼓拳爆連牙ばくれんげ!」

「メンタルダウン!」

「うげぇ、気持ちわりぃ‥‥てめぇ!」

「ファントムメイク、ソード!」

「うおっ!幻術か‥‥こざかしい野郎だな!あれ、あいつはどこだ?」

「悪いが僕の勝ちだよ、ソウルショック!」

「ぐわぁぁぁ!」

「はぁ、とりあえずどんなことにも対応出来るようにステータス更新をしといてよかった‥‥あぁ、安心してくれ、ちょっと気絶しているだけだからすぐに目を‥‥って聞いてないか」

「ブラボー!お見事だね、灰崎君」

「うわぁ!」

「そんなに驚かなくてもいいじゃないか、カッコつけてる時に現れたからって」

「か、かっこなんか」

「そう照れなくてもいいじゃん!まぁ、ここまで対人慣れしてるとは思ってなかったよ」

「まぁこれが初めてって訳じゃないので‥‥」

「ふむふむ、彼じゃ物足りなさそうだから魔法職の諜報員と戦ってみようか!」

「え?!諜報員ってヘリオさんくらいの強者じゃないですか、無理ですよ!」

「クラウソラスは俺が持っているどの諜報員よりも強い、そんな奴を倒すんだよ?」

「それはそうですけど」

「それに君は実戦を経て強くなるタイプじゃないか?座学やら他人に教えられてその強さを得たわけではないだろ?」

「‥‥」

「その沈黙はイエスと捉えるぜ、じゃあサクッと転移!」





 それから数日間地獄のような特訓の日々が続いた。朝から晩まで実戦稽古ばかりな上に、相手はもれなく格上だらけ。少しは手を抜いてくれればいいものを全力で打ちのめしてくる。それはもう、気を抜けば死ぬと思うくらいであった。まぁそのおかげで毎朝のステータス更新ではどんどんレベルは上がり、段々と戦えるくらいにはなったし、どういったことが有効かも分かってきた。結果的には大成功!‥‥ではあるものの流石にやりすぎとも思えるような特訓内容だった。そういえばサミエムも同じような特訓をしているんだろうか?ヘリオさんが相手だから多少は融通が利くかもしれないけど‥‥心配だなぁ。そんなことを考えていた昼下がりに突発的な事件は起こった。

「灰崎!灰崎はいるか?!」

「はい、ここにいますよ?どうしたんですか、コロシアム中に響いてますよ?」

「奴が‥‥来た」

「え?」

「クラウソラスだよ!クラウソラス!」

「え‥‥えぇ?!到着はまだって聞いてたんですけど?」

「どうやら普段は滅多に手に入らないファントムドラゴンの素材が手に入ったって聞いてあっちでの仕事を早めに切り上げたんだろう、タイミングが悪いな」

「そうだ、サミエムはどうなりましたか?」

「あぁ?ヘリオが面倒見てるガキか、そいつも早急に準備させているから自分の心配してろ!」

「はい!じゃあステータス更新しに行ってきます!」

「あとこれ目を通しとけ!」

「これは?」

「作戦の仕様書だ、大丈夫だぜ、強欲帝様が上手いことやってくれるさ!」

「はい、しっかり読んどきます!」

 予定よりも早い決戦となり、慌ただしく駆け回る僕たち。それとは対照的に、優雅でリラックスした様子でクラウソラスは馬車に揺られ、この街へとやってくる。今はとりあえずこの分厚い仕様書を読み込んで、ステータス更新したらレベル上がるからスキルを吟味しないと‥‥あぁ、やることが大量に出てくる!こんな忙しさは何年ぶりだ?‥‥うん?なんでこんな膨大な作業量にどこか懐かしさを覚えているんだろう?まぁ後で考えるか!

 

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