腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる

玲央

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本編 最強冒険者

story159/体調不良の翔馬

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宴から数日後の夕方、朝からギルドへ出掛けていたアレクが家に帰ってきて、
「ただいま」と僕に「ちゅっ」としてから嬉しそうに報告してきた。

「この間の男爵家、爵位返上になったらしいぞ。ユリウス兄上が手を回したらしい。」

「え、そうなんだ。ならもう安心して大丈夫なのかな?
アレクが嬉しそうなのは、それが理由なの?」

「ああ。もう安心して大丈夫だぞ。二度と狙われる事は無いと思う。
嬉しいのは…まぁ、アレだ。可愛いショウマをやっと堪能出来るからだ」

「…怪しい。目が泳いでる!最近ずっと朝から出掛けてるでしょ?
ギルドで何してるの?依頼受けてる訳じゃないんでしょ?」

「いや、一応俺もAランク冒険者だし…依頼受けてんだよ。それに、マイキーの指導もしててな」

「ふ~ん。マイキーの指導ねぇ?あんなに強い子なのに~?ますます怪しい!
ねぇ、ルナ。アレクパパ怪しいよねぇ」

「……?ぱーぱ、あーしい、ねー」

最近ずっと、アレクが傍に居なくて寂しい僕は、幼稚園で連日ルナを構い倒していた。

そのせいで、少し離れただけでも泣き出すようになってしまい、家に連れ帰ってきているの。

アレクも最初は、家に帰ってきてルナが居る状況に喜んでたんだけど、
最近はルナと一緒になって僕の取り合いをするから正直言って鬱陶しい。

それに、子供の前でSEXも出来ないから欲求不満なのか、イライラっとしてしまう。

そうじゃなくても、最近ずっと心と身体が不安定なんだよね…
急にイライラしたり、泣きたくなったり、時折吐き気もするし、熱っぽい時もあるの。

今までだったら、アレクが1人でギルドに赴いても、
マイキーの指導だって言って出掛けても、そこまで気にならなかったのに、
ここ2、3日ずっと体調が芳しくなくて、今みたいに突っかかってしまうの。

「ルナー、パパは怪しくないぞ~?そろそろママから離れようなー」

「ぶー。いやの、ぱーぱ、ばいばい、ねー」

「バイバイはしませんー、ほらルナそこ……」

また始まった僕の取り合いに、プチンと切れてしまい、大声で怒鳴りつけてしまった。

「うるさい!!アレク!子供じゃないんだから!いい加減にして……よ……ぁ……」

そう言って勢い良く立ち上がったら、目眩と共にフッと意識が途切れてしまった。

「!?ショウマ!え!どうしたいきなり!ルナ大変だ、ママが倒れた!」

「まんま…ねんね、ちあう?まんま、うぁぁあん!」

「ルナ泣くな。どうする、どうしたらいい……息はしてる、ヤバいぞ!何が起こった!
ペチペチ、ショウマ、おい、どうしたんだ!最近調子悪そうだったよな、病気か!?」

突然の事に錯乱状態になって、ルナを宥めながら部屋をウロウロしてたら、頭に声が響いた。

『アレクちゃん、落ち着きなさいな。愛し子ちゃんは大丈夫よぉ~♪
今フェリス様とお話ししてるから、そのうち意識は戻るわ♡ベッドに寝かしてあげなさいねぇ。
マイキー君を呼んであげたから、ルナちゃんを預けなさいな♡』

「!?レディスティーナ様ですか!わ、分かりました、ショウマは無事なんですね。
良かった…本当に良かった…今ベッドに運んでやるからな…」

そう言って抱き上げ、寝室へと運ぼうとした所で、マイキーが血相を変えて走り込んで来た。

「アレク、オレの頭に神様から神託があったんだけど。ルナを預かって欲しいって。
何なに、どうしたの……ってショウ兄ちゃん、顔真っ青!何が起こったの!?」

「マイキー説明は後だ、ベッドに寝かせてくるからルナを頼んだ!」

そう言い捨てて、ゆっくり運び、ベッドへ寝かせた。
神様は大丈夫だと言ったけど、心配で堪らない俺は手を握り締め、傍に寄り添った。
そして、頭を撫でながら様子を伺ってたら、徐々に顔色が戻り、穏やかな顔で眠りについた。

それを見て「はぁぁ」と安堵のため息を吐いた瞬間、運命神がまた語りかけてきた。

『ふふふ。幸せそうな顔して寝てるわねぇ♡何か良い事があったのかしらね?ふふふ。
そうだわ、アレクちゃんが愛し子ちゃんの為に準備してるアレ用に、私から貴方へ能力を授けるわ。
パチン。ふふ。収納スキル、イベントリよぉ♪
中に色々入ってるから、活用してちょうだい♡じゃあねぇ、アレクパパちゃん♡』

脳に直接語り掛けてくる奇妙な感覚に耐えながら話を聞いてると、
徐に授けられたスキルに吃驚して暫し硬直した。

数秒そうしていたら、マイキーがルナを伴って現れ、肩を叩かれた直後、息を吹き返した。

そして「マジかよ…神のスキルだぞ…」そう呟きながら、
持て余した感情を払拭するように、ルナ毎マイキーを抱き締めた。

「な、何アレク!恥ずかしいんだけど!ほ、ほらルナが潰れちゃうよ!」ヨシヨシ。

照れながら言う姿が可愛くて、更にギュッと抱き締めたら、ゴンッと脳天を殴られた。

「力強いから苦しいって!ほ、ほら離れて、ショウ兄ちゃんの状況説明してよ」

「あはは!悪ぃ悪ぃ。色々と感極まっちまってな。実はな……」

-----------その頃のショウマ--------------

{翔馬よ、起きてくれんか?}ナデナデ

(何だろ……懐かしいこの感じ……安心する……それに気持ちもリラックスしてきた……)

『翔馬、愛しい我が子よ、身体の怠さは取れたかのう?』

「……あれ?フェリス神様?お久しぶりですぅ。
キョロキョロ……え?此処って天界……?あれれ?僕どうしてここに居るのぉ~?」

『ふぉっふぉっふぉっ。漸く目が覚めたかの?先程倒れたのは覚えとらんか?
少し話がしたくてのぉ、お主の意識だけ呼び寄せたのじゃよ』

「あ、覚えてるよ。何かイライラってしちゃって、感情がボンッて爆発したの。
最近ずっと体調悪くて…ストレスかなぁ?僕の身の回りでトラブルばっかり起こるから……」

『ふむ。その件でお主に話があったのじゃよ。
立ち話もなんじゃな、パチン。ほれ、ちとこっちへ来て座りなさい』

「うわぁ、懐かしい!初めてフェリス様に会った時も、ちゃぶ台と緑茶、出してくれたよね♪
ゴクン。凄く美味しい!ありがとうフェリス様!」

『そうじゃったなぁ。昨日の事のように覚えとるわい。あの時も今もお主は変わらず愛いのう』

「え、そうかなぁ?ふふふ。
それで、お話ってなぁに?僕の体調不良について何か知ってるの?」

『まぁ、知っておるぞ。翔馬よ、自分の体内に異変を感じないかの?魔力を巡らせてみよ。』

「え?あ、はい…………んん?……え、ウソでしょ!?下腹部に……鼓動を感じるんだけど!
ま、まさか……僕、妊娠してるの!?」

『ふぉっふぉっふぉっ。そういう事じゃな。体調不良の原因は子が宿ったからじゃ』

衝撃の事実に唖然として思考が停止した。
そして、徐々に覚醒し、理解不能な事態にパニックになりフェリス様に詰め寄った。

「ど、どうして!?子実果なんて食べてないよ!なのに何で子供が出来たの!?
ま、まだ結婚もしてないのに!どうしよう!」

突然の出来事に混乱しながら頭を抱えてたら、フェリス様の言葉で更に衝撃を受けた。

『子実果のぅ。翔馬は知らぬうちに食べて居るぞ。ルナとマイキーと食を共にしたであろう?
あの時にイベントリに入ってた桃を食べたじゃろ?アレが子実果なんじゃよ。
その夜に子種を大量に注がれたじゃろ?それで受精して見事懐妊したのじゃよ』

そんな事を嬉しそうに言われても、僕は現実を受け止めきれなくて大声で叫んだ。

「ウソだと言って神様ぁぁあああ!!」

そんな僕を見ながらフェリス様が優しく問い掛けてきた。

『翔馬よ、その授かった生命はの、お主の元へ産まれたいと願った魂なのじゃよ。
アレクレスなら大丈夫じゃろう、泣いて喜ぶと思うでな、安心しなさい』

「…僕の子供として願った魂…そうなんだね…
ふぅぅ。ふふ。そっか、アレクとの子がここに居るんだね…」

そう言って、物思いに耽りながらお腹を摩ってたら「そろそろ時間じゃな」
とフェリス様に声を掛けられ「ではまたの」とパチンと指を鳴らされ、
問答無用で現実世界へと意識を戻された。

幸せな気持ちのままゆっくりと目を開けたら、マイキーと真剣に話してる愛しい人を視界に捉えた。

そして「アレク…僕、妊娠してるみたい」そう呟いた瞬間、驚愕な顔して雄叫びを上げた。

「!?嘘だろぉぉおおおおお!!」
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