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第二章 召喚後~村の候補地を探す?
45 候補地を探そう3/6
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まずは手で触れて形状を詳しく見てみる。
サイズ的には板厚2mm~3mm程度で幅が5cm程度ある。そして左右と言うか、今はジェシカの体の前後の辺りに5cm×5cmぐらいの飛び出した場所がありそこを頭のサイズが1cm程度あるリベットみたいな物でカシメてある。
金属の首輪の部分は少しガタが有るのでリベットをどうにかすれば簡単に外れると思うのだが…問題なのは顔のすぐ傍で作業するって事だよな。
さすがに電動ドリルを使ってリベットを浚うのは怖がる気がする。
電動ドリルが顔の近くで動くだけでもそこそこ煩いからなぁ…
だとしたらリベットの頭をニッパーとかで切り取る方法でいくしかないんだが、問題になるのはこの素材の硬さだよな…
「よっしジェシカ、一応少しだけこの首輪の強度を確認するからあまり動かないで居てくれな。」
ジェシカにそう言って俺は車に乗せていた工具箱を脳内のリストから選んで取り出し、中からとりあえず一番強い力を出せるワイヤーカッターを取り出してみた。
たぶんこれでリベットを切り取れなければ次はドリルでリベットを浚うしか方法が無い訳なんだが。
まずはワイヤーカッターの刃先をリベットの頭の根元の部分に入るか確認してみたのだがそこそこ硬く締まってるらしく隙間に刃先が入り込まない。
「これではムリかぁ…だとしたら…」
ワイヤーカッターで少しの間抉っていたらリベットの頭の部分が少しだけ削れた感じがした。
もしかしたらそこまで硬い鋼材って訳では無いかもしれない。
だとしたら工具はどうせ1回脳内収納に収めたら元の状態に戻るのだから、色々な工具で試してみたら良いって訳だ。
そんな事を考えつつ手当たり次第に隙間を広げられそうな工具で試していたら板金鋏で無理矢理挟み込んだら良い感じにリベットの頭の下に隙間が出来た。
その隙間にワイヤーカッターの刃先を嵌め込み両手でゆっくりと力を入れていくと半分ぐらいまで持ち手を押し込んだ辺りでリベットの頭の部分が勢い良く千切れ飛んだ。
「よっし。これでもう取れるぞ。ジェシカ、もう少しだからな。」
俺はジェシカが少しでも安心できる様に笑顔で伝えておいてから、金属製の首輪に指を掛けて少しづつ左右に引っぱって隙間を広げていった。
最初ジェシカの首と首輪の隙間には指が2本づつぐらいしか入らなかったのでジェシカの首を圧迫しない様に気をつけながら少しづつ広げる様に力を入れてみた。
「ふんっ!おっ…ぐぬぬぬぅ…もうチョイだな…ほっ!ふんがぁ~~!!!開けぇ~~!!!!」
少し広げて持ち方を変えて何度も引っぱり続けていたらやっとジェシカの首から奴隷の証である首輪が外せた。
「よっし。これでもう良いだろう。あーやっぱりこんなになってたんだな。痛かっただろ?もうあんな物は付けさせないから安心して良いからな。」
外した首輪をテーブルの上に置いてジェシカの首の辺りを少し指で触って血が出ている場所などが無い事を確認してから頭に手を置いて撫でてやったら俺を凝視していたジェシカの目から涙がぽろぽろと流れ落ちた。
あっ…またやばいかも…俺やっぱり子供の涙ってダメだ…苦手だ…
「ニナ、ジェシカの事を少し頼む。」
俺はニナにジェシカの事を任せて首輪を持って部屋から出た。
首輪を手で広げた時の感覚からなんとなく素材が一般的な鉄製品に近い硬さだった気がする。
ただ、表側はツルッとした手触りで見た感じは金属なのだが、裏側には木目の様な模様が見えた。
さすがにこれが木製品とは思えないのだが、俺の知っている鉄製の板の作り方とはちょっとばかり違う方法で作られている気がする。
Ω形状の根元の辺りが若干厚みが違ってる様にも見えるし…もしかしたらだが、鋳型を使ってこの形にしたのか?
離れから出て外から見える所にあった丸太に腰掛けながらこの首輪の作り方を想像していたらマルセル君が歩いてくるのが見えた。
「よう、おはよう。」
「あぁ、おはよう…それはあの子の首に付いていた奴か?」
近付いて来て隣に座り俺の持っていた首輪を見ながら聞いてきた。
「あぁ、さっき壊して取った。」
「よくこれを壊せたな…俺も何度か外したく色々やってみたのだが…まったく歯が立たなかったのだ。」
マルセル君話をしながら手に持っていた山刀を見ているが…まさかそんなもので外そうとしたのか?
少し手元が狂ったらジェシカの首が飛ぶぞ??
「そう言えばこの首輪だがどうやって作ってる?これって木目模様だよな?」
首輪の裏側に見える木目の跡の様な模様を見せながら聞いてみた。
「さぁ…俺は戦士としてずっとやってきたので作り方は知らん。もし気になるのであれば工房に案内してもいいぞ?」
少しばかり気になったのでマルセル君にお願いして金属の製品を作っている場所に案内してもらう事にした。
昨日宴の会場になった広場を越えて少し移動した辺りでマルセル君が1つの建物に入って行ったのでそれに続いて入ると広い作業場の様な場所だった。
金属製品を加工する場所なら普通であれば暗い場所で炉の様な設備がありそうなものなのだが、この作業場には広い作業台の様なテーブルとその周辺に何か工具類などを入れておけそうな収納があるだけで、その収納の周辺の壁に大きな彫刻刀の様な工具がけっこうな数並んで掛けてあった。
彫刻刀がなぜ?
「ヴォルトー!まだ寝てるのかー?!」
マルセル君が大声で声をかけたら少しして反応があった。
「…うるせぇなぁ…大きな声を出すな…チョット待ってろすぐ行くから。」
作業場に一ヶ所だけある居住区にでも繋がってそうな開口部から声が聞こえてきた。
「たぶんすぐに来ると思う。今から来る奴は一応村の金属加工の親方みたいな奴だ。ただ…ちょっと口が悪いけどあまり気にしないでやってくれ。一応悪気は無いはずだから。」
マルセル君自分の腰に差している山刀を外して作業台の上に置いて声の聞こえてきた方を見てる。
俺も持っていたジェシカに着いていた首輪をその隣に置いて静かに待っていたらマルセル君よりもう少し筋骨隆々な感じのあご髭を蓄えた男があくびをしながら奥から出てきた。
「わりいなぁ…昨日は嫁さんにがっつり求められたもんでなぁ…くぁあ~あっ…あっふぅ…んっ?」
ヴォルトーと呼ばれた男は眠そうな顔をして繰り返しあくびをしながら出てきて作業台のそばに置いてあった椅子に座りながら台の上に置かれている物を眺めていたが、頭がやっと動き始めたのか首輪に視線が止まって眉間に皺を寄せた。
「おい、…これどうやって外した?お前は…確かそっちの奴は昨日村に来た奴だったな?お前がやったのか?」
「ヴォルトー、一応紹介しておく。こいつはキヨシだ。フベルト様同様テラス様に召喚された者で…まぁ、この様な事ができるらしい。こいつの作り方が気になるらしい。」
マルセル君が紹介してくれながら首輪を人差し指で突きつつ説明してくれた。
「確かフベルト様もそんな事を言っていたな。…なるほど、我々を超越した技術力のある世界から来たってぇ訳か。…それで?何が知りたいんだ?」
ヴォルトーさんが首輪に付いている俺の使った道具の破壊痕を目から3cm位の辺りに近づけてじっくり見ながら聞いてきた。
俺はこの首輪が自分の知る金属の加工方法とまったく違う方法で作られている事を説明してどのようにして作るのかを聞いてみた。
「…そうか。わしにすれば当然の事でもキヨシの居る場所ではまったく違うと言う事か…」
少しの間髭を手で撫でつつ首輪を見ながら考えていたヴォルトーさんは視線を上げて俺を睨んできた。
「これを破壊した道具をわしに…まぁくれって言うのはあれだな。お前がこれを破壊する為に使った物もフベルト様の鎧や槍同様ロストテクノロジーにて作られていると言うのは理解している。だから少しの間それをわしに貸せ。それと交換であれば教えてやる。」
ロストテクノロジーとはさすがに大げさすぎる気がしないでもないが、工具に使われている金属の硬さに関して首輪を破壊した時に段違いの性能を持っているだろう予想ができたのでヴォルトーさんが気にするのはなんとなく分かる。
ただ、自分の工具は1日経てば自動的に召還しなおされるとかテラスちゃんが言っていたはずなのでずっと貸し出しっぱなしと言う訳にはいかないので、とりあえずそこらの事情を説明してみた。
「なるほどのぉ…そういった扱いになっている訳か…では細かく破壊しても1日経てば全て元通りと言う訳なのだな?」
「たぶんそうだろうと俺は理解しているが…なぁヴォルトーさん?まさか本気で壊す気なのか?」
「キヨシは珍しい物を手に入れたらどんな性能を持つのか詳しく知りたいと思わんのか?」
問いに問いで返す奴ってちょっとやだなぁ…
「まぁ気にならないとは言わんが…」
「フベルト様の鎧と槍は自動的に修復する機能があるらしいがさすがに重要な部分は破壊したら戻らぬらしいので諦めるしかなかったんじゃが…んっ?キヨシの道具も…まさか似た様な修復機能なのか?」
そもそも俺はフベルトさんお持ち物の詳細機能を知らないので比較のしようがないのだが…
「とりあえず俺にはフベルトさんの持ち物の仕様が分からないので何とも言えませんが、一応形状が変わっても出しなおしたら元の姿に戻るって聞いたのでそこそこ壊しても大丈夫なのかなぁ…」
「ほう?それはキヨシももう少し詳しく知っておいた方が良いんじゃねぇか?どこまで壊したら元通りにならなくなるのかとかよぉ?」
なんとなくヴォルトーさんの顔を見ていると、学生の頃に知り合った『自称物作りの天才』が自らの知的好奇心を満足させる為なら住む所を追われる様な事までしてしまっていた狂気に近い知識欲を感じる。
「まぁそう言われれば確かにそうなんだが…」
そしてそんな知的好奇心は俺にもまだある。
と言う訳で俺はひとまず他の工具で似た様な作業が出来そうなサイズ違いのプライヤーの中からコンビネーションプライヤーを生贄に差し出した。
サイズ的には板厚2mm~3mm程度で幅が5cm程度ある。そして左右と言うか、今はジェシカの体の前後の辺りに5cm×5cmぐらいの飛び出した場所がありそこを頭のサイズが1cm程度あるリベットみたいな物でカシメてある。
金属の首輪の部分は少しガタが有るのでリベットをどうにかすれば簡単に外れると思うのだが…問題なのは顔のすぐ傍で作業するって事だよな。
さすがに電動ドリルを使ってリベットを浚うのは怖がる気がする。
電動ドリルが顔の近くで動くだけでもそこそこ煩いからなぁ…
だとしたらリベットの頭をニッパーとかで切り取る方法でいくしかないんだが、問題になるのはこの素材の硬さだよな…
「よっしジェシカ、一応少しだけこの首輪の強度を確認するからあまり動かないで居てくれな。」
ジェシカにそう言って俺は車に乗せていた工具箱を脳内のリストから選んで取り出し、中からとりあえず一番強い力を出せるワイヤーカッターを取り出してみた。
たぶんこれでリベットを切り取れなければ次はドリルでリベットを浚うしか方法が無い訳なんだが。
まずはワイヤーカッターの刃先をリベットの頭の根元の部分に入るか確認してみたのだがそこそこ硬く締まってるらしく隙間に刃先が入り込まない。
「これではムリかぁ…だとしたら…」
ワイヤーカッターで少しの間抉っていたらリベットの頭の部分が少しだけ削れた感じがした。
もしかしたらそこまで硬い鋼材って訳では無いかもしれない。
だとしたら工具はどうせ1回脳内収納に収めたら元の状態に戻るのだから、色々な工具で試してみたら良いって訳だ。
そんな事を考えつつ手当たり次第に隙間を広げられそうな工具で試していたら板金鋏で無理矢理挟み込んだら良い感じにリベットの頭の下に隙間が出来た。
その隙間にワイヤーカッターの刃先を嵌め込み両手でゆっくりと力を入れていくと半分ぐらいまで持ち手を押し込んだ辺りでリベットの頭の部分が勢い良く千切れ飛んだ。
「よっし。これでもう取れるぞ。ジェシカ、もう少しだからな。」
俺はジェシカが少しでも安心できる様に笑顔で伝えておいてから、金属製の首輪に指を掛けて少しづつ左右に引っぱって隙間を広げていった。
最初ジェシカの首と首輪の隙間には指が2本づつぐらいしか入らなかったのでジェシカの首を圧迫しない様に気をつけながら少しづつ広げる様に力を入れてみた。
「ふんっ!おっ…ぐぬぬぬぅ…もうチョイだな…ほっ!ふんがぁ~~!!!開けぇ~~!!!!」
少し広げて持ち方を変えて何度も引っぱり続けていたらやっとジェシカの首から奴隷の証である首輪が外せた。
「よっし。これでもう良いだろう。あーやっぱりこんなになってたんだな。痛かっただろ?もうあんな物は付けさせないから安心して良いからな。」
外した首輪をテーブルの上に置いてジェシカの首の辺りを少し指で触って血が出ている場所などが無い事を確認してから頭に手を置いて撫でてやったら俺を凝視していたジェシカの目から涙がぽろぽろと流れ落ちた。
あっ…またやばいかも…俺やっぱり子供の涙ってダメだ…苦手だ…
「ニナ、ジェシカの事を少し頼む。」
俺はニナにジェシカの事を任せて首輪を持って部屋から出た。
首輪を手で広げた時の感覚からなんとなく素材が一般的な鉄製品に近い硬さだった気がする。
ただ、表側はツルッとした手触りで見た感じは金属なのだが、裏側には木目の様な模様が見えた。
さすがにこれが木製品とは思えないのだが、俺の知っている鉄製の板の作り方とはちょっとばかり違う方法で作られている気がする。
Ω形状の根元の辺りが若干厚みが違ってる様にも見えるし…もしかしたらだが、鋳型を使ってこの形にしたのか?
離れから出て外から見える所にあった丸太に腰掛けながらこの首輪の作り方を想像していたらマルセル君が歩いてくるのが見えた。
「よう、おはよう。」
「あぁ、おはよう…それはあの子の首に付いていた奴か?」
近付いて来て隣に座り俺の持っていた首輪を見ながら聞いてきた。
「あぁ、さっき壊して取った。」
「よくこれを壊せたな…俺も何度か外したく色々やってみたのだが…まったく歯が立たなかったのだ。」
マルセル君話をしながら手に持っていた山刀を見ているが…まさかそんなもので外そうとしたのか?
少し手元が狂ったらジェシカの首が飛ぶぞ??
「そう言えばこの首輪だがどうやって作ってる?これって木目模様だよな?」
首輪の裏側に見える木目の跡の様な模様を見せながら聞いてみた。
「さぁ…俺は戦士としてずっとやってきたので作り方は知らん。もし気になるのであれば工房に案内してもいいぞ?」
少しばかり気になったのでマルセル君にお願いして金属の製品を作っている場所に案内してもらう事にした。
昨日宴の会場になった広場を越えて少し移動した辺りでマルセル君が1つの建物に入って行ったのでそれに続いて入ると広い作業場の様な場所だった。
金属製品を加工する場所なら普通であれば暗い場所で炉の様な設備がありそうなものなのだが、この作業場には広い作業台の様なテーブルとその周辺に何か工具類などを入れておけそうな収納があるだけで、その収納の周辺の壁に大きな彫刻刀の様な工具がけっこうな数並んで掛けてあった。
彫刻刀がなぜ?
「ヴォルトー!まだ寝てるのかー?!」
マルセル君が大声で声をかけたら少しして反応があった。
「…うるせぇなぁ…大きな声を出すな…チョット待ってろすぐ行くから。」
作業場に一ヶ所だけある居住区にでも繋がってそうな開口部から声が聞こえてきた。
「たぶんすぐに来ると思う。今から来る奴は一応村の金属加工の親方みたいな奴だ。ただ…ちょっと口が悪いけどあまり気にしないでやってくれ。一応悪気は無いはずだから。」
マルセル君自分の腰に差している山刀を外して作業台の上に置いて声の聞こえてきた方を見てる。
俺も持っていたジェシカに着いていた首輪をその隣に置いて静かに待っていたらマルセル君よりもう少し筋骨隆々な感じのあご髭を蓄えた男があくびをしながら奥から出てきた。
「わりいなぁ…昨日は嫁さんにがっつり求められたもんでなぁ…くぁあ~あっ…あっふぅ…んっ?」
ヴォルトーと呼ばれた男は眠そうな顔をして繰り返しあくびをしながら出てきて作業台のそばに置いてあった椅子に座りながら台の上に置かれている物を眺めていたが、頭がやっと動き始めたのか首輪に視線が止まって眉間に皺を寄せた。
「おい、…これどうやって外した?お前は…確かそっちの奴は昨日村に来た奴だったな?お前がやったのか?」
「ヴォルトー、一応紹介しておく。こいつはキヨシだ。フベルト様同様テラス様に召喚された者で…まぁ、この様な事ができるらしい。こいつの作り方が気になるらしい。」
マルセル君が紹介してくれながら首輪を人差し指で突きつつ説明してくれた。
「確かフベルト様もそんな事を言っていたな。…なるほど、我々を超越した技術力のある世界から来たってぇ訳か。…それで?何が知りたいんだ?」
ヴォルトーさんが首輪に付いている俺の使った道具の破壊痕を目から3cm位の辺りに近づけてじっくり見ながら聞いてきた。
俺はこの首輪が自分の知る金属の加工方法とまったく違う方法で作られている事を説明してどのようにして作るのかを聞いてみた。
「…そうか。わしにすれば当然の事でもキヨシの居る場所ではまったく違うと言う事か…」
少しの間髭を手で撫でつつ首輪を見ながら考えていたヴォルトーさんは視線を上げて俺を睨んできた。
「これを破壊した道具をわしに…まぁくれって言うのはあれだな。お前がこれを破壊する為に使った物もフベルト様の鎧や槍同様ロストテクノロジーにて作られていると言うのは理解している。だから少しの間それをわしに貸せ。それと交換であれば教えてやる。」
ロストテクノロジーとはさすがに大げさすぎる気がしないでもないが、工具に使われている金属の硬さに関して首輪を破壊した時に段違いの性能を持っているだろう予想ができたのでヴォルトーさんが気にするのはなんとなく分かる。
ただ、自分の工具は1日経てば自動的に召還しなおされるとかテラスちゃんが言っていたはずなのでずっと貸し出しっぱなしと言う訳にはいかないので、とりあえずそこらの事情を説明してみた。
「なるほどのぉ…そういった扱いになっている訳か…では細かく破壊しても1日経てば全て元通りと言う訳なのだな?」
「たぶんそうだろうと俺は理解しているが…なぁヴォルトーさん?まさか本気で壊す気なのか?」
「キヨシは珍しい物を手に入れたらどんな性能を持つのか詳しく知りたいと思わんのか?」
問いに問いで返す奴ってちょっとやだなぁ…
「まぁ気にならないとは言わんが…」
「フベルト様の鎧と槍は自動的に修復する機能があるらしいがさすがに重要な部分は破壊したら戻らぬらしいので諦めるしかなかったんじゃが…んっ?キヨシの道具も…まさか似た様な修復機能なのか?」
そもそも俺はフベルトさんお持ち物の詳細機能を知らないので比較のしようがないのだが…
「とりあえず俺にはフベルトさんの持ち物の仕様が分からないので何とも言えませんが、一応形状が変わっても出しなおしたら元の姿に戻るって聞いたのでそこそこ壊しても大丈夫なのかなぁ…」
「ほう?それはキヨシももう少し詳しく知っておいた方が良いんじゃねぇか?どこまで壊したら元通りにならなくなるのかとかよぉ?」
なんとなくヴォルトーさんの顔を見ていると、学生の頃に知り合った『自称物作りの天才』が自らの知的好奇心を満足させる為なら住む所を追われる様な事までしてしまっていた狂気に近い知識欲を感じる。
「まぁそう言われれば確かにそうなんだが…」
そしてそんな知的好奇心は俺にもまだある。
と言う訳で俺はひとまず他の工具で似た様な作業が出来そうなサイズ違いのプライヤーの中からコンビネーションプライヤーを生贄に差し出した。
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