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第二章 召喚後~村の候補地を探す?

48 候補地を探そう6/6

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食事内容はさっきマルセル君が運んでいたのに比べてもう少しグレードが高そうな感じに見える。
スープとナンみたいなパンに関しては同じだが、サラダがなんとな~く豪華に見えるし、俺認識で言う焼肉っぽい物も大皿に盛られて置かれていた。

それと漬物みたいな根菜類とか葉野菜のしなびた物がお皿に何種類も山盛りになり真ん中に置いてある。
…テラスちゃん確か『ウイルスとか菌なんかの病気は発生させない様にしてる』とかって言ってたよな。
でも、漬物とか完全に菌類の生産活動の副産物だよなぁ…

もしかしたらイイトコ取りで腐敗と発酵を人間の勝手な解釈で別けてるみたいにテラスちゃんの勝手な解釈で振り分けがなされていたりするのだろうか?

とりあえず緑色が鮮やかな浅漬けっぽい漬物を手で取り食べてみる。
…若干うまみ成分が足らない感じではあるが、シナってなった食感が漬物を感じさせる♪

「おっ?キヨシはそれいけるんだな。村の奴は半分ぐらいの奴がにおいがダメって言うぞ。」
ヴォルトーがバクバクと勢い良く漬物らしき物を食べながら教えてくれた。
「俺の住んでいた世界にも似た様な発酵食品があったんだ。だから少し懐かしい感じがする。」
きよしを真似て同じ葉野菜の漬物を取って食べたニナが、フィラーネとアイコンタクトを取っていた事に清は気付かなかった。

食事は終始和やかな感じに進み、食後に甘い緑茶の様なお茶が出されて本格的な話が始まった。
「それでキヨシ、わしらはおぬしについて行っても良いと考えてはおるが…どうかのぉ?」
たぶん今ここに居る4人は村の貴族連中とのそりが合わないって話なので新天地を求めてるのだろうが問題になるのは全員を連れて行ってこの村とどこまで友好的な関係で居られるかなんだが。
「なぁヴォルトー、全員が移住を望んでそうなのはなんとなく分かるんだが、本当に皆がこの村を離れて大丈夫なのか?もしこの村から皆が離れる事でこの村で何か問題がおきるのであれば、ちょっとばかりこの村の近くに住む事を検討するにあたって考えないとまずいと思うが。」
一応遠まわしに『村同士の軋轢とか勘弁してくれよ?』と言ってみた所、男3人がニヤリと笑顔を見せながら代表してヴォルトーが答えた。
「わしらの後進はもう居る。上の連中の息の掛かった奴らがな。」
ヴォルトーの声に5人全員が頷いてる。

さすがに彼らの言う事だけを聞いて判断するのはよろしくないのだが…
「一応今日フベルトさんと昼から話をする事になってるからそこで一応交渉してみた方が良いだろうか?」
こう聞いておけば彼らが何か企んでいる様であれば少なからず反応があると思う…
「これはわしの想像なんで違っとるかもしれんがのぉ…フベルト様は特に気にせんと思うぞ?」
この話には男2人が頷いてるが…?

フベルトさんにこの移住話が伝わっても問題無いって考えているのであれば大丈夫か…
何にしても彼ら全員が一緒に移住してくれると言うのであればできるだけこの村の近くに住む場所を用意した方が良かったりするのか…
さすがに即断は出来ないな。

「ヴォルトー達の思いは分かった。一応俺達だけで気軽に勝手に行っても良いって話でもないからフベルトさんと話はするが一応皆の望む方で話をしてみるよ。」
「あぁ、悪いが頼むな。」
「期待してるぞ。」
「頼む。」
「よろしくお願いいたします。」
ペコリ

その後和やかに話が続き、少しして皆は平常の仕事があるらしく戻って行った。

「みんな一緒に来てくれるならお仕事は任せたらイイのかな?」
俺とニナは特にやる事も無いので2人椅子に座ってゆっくりしていたのだが、ニナが両手で持ったカップに入れたお茶を見ながら小さな声で聞いてきた。
「まぁ…そうだな。一緒に村を作るなら各々特意な仕事は任せた方がお互い居心地悪くないだろうからな。」
んっ?ニナが少し困ってそうな顔してる?

「ニナどうした?何か気になる事があるのか?」
「…うん。みんなはできる事あるからそれしたらいいんだけどねっ…でも…ニナは何もできないんだけど…何したらいいかな?」
あー…そう言えば昔…言われたな、仕事場で課長になってすぐの頃に部下をうまく使えずにたぶん俺の人の扱いが下手な事が原因で休みがちになってる奴が何人か居たんだ。
でも、どうやったら良いか分からずに悩んでいた時にそんな悩んでいる俺に気付いた部長に飲みに誘われて言われたんだ。

『人とは自分の居ても良い訳をずっと探し続けているから、それを与えてやるようにしろよ』って。

俺は最初『居ても良い訳』って言葉の意味が分からなかったのだが、休みがちな部下の行動を少しの間注視していたらちょっとした事だが何か傾向の様なものがある事に気付いたんだ。
そいつらは皆『自分だけ』って思える様な他の奴に第一人者として見られる技術なり経験なりが無い奴らだったんだ。
何か問題があった場合にそいつが居なければ周りが困る様な『何か』がある奴は居心地が悪いといった感じを見せる事無く、手が空いたとしても不測の事態に対応する為にそこに居続ける事ができるのだが、それが無い奴は何もする事が無い場合は居場所が無い様に感じるみたいだった。

今回のヴォルトー達とニナの立ち位置がまさにそんな『何か』を持ってる奴と持ってない奴になってるみたいだ。
ヴォルトー達にはこの辺りで生活する為に今すぐ必要な『自分だけの技術』がある。

ヴォルトーは鍛冶って言っても良いかまだ分からないが、それ系の技術が有り、たぶん村の防衛に関しても木の伐採などでも彼の作る製品の恩恵が必要だろう。そのおかげで皆が絶対に居なければならない人材だと考えるだろう。
彼はたぶん新しい村では生産部門の中心人物として動く事になると思う。
ユージアさんは畑関係の知識があるって言ってたからそれこそ家を作ると同時にそっちの開拓を進めてもらって村の食事事情の安定化を任せる事になるだろうな。村の規模が大きくなると同時に更に重要な人として皆が見るはず。
それこそこの村みたいに他所に作物などを輸出する様になるなら村の中心産業の部門管理者って感じの役職になるかもしれない。
ユッカーさんもユージアさん同様似た様な部門管理者になるかもしれないな。他の連中がどこまで必要とするかはまだ確認してないが、俺は人間なので必要な栄養素を摂取する為にも肉を食べる必要がある。
確か生前社畜の頃…何種類かのビタミンとか鉄分とかで問題があるみたいな記事を見て自分の食生活を何度か見直した記憶がある。
だから俺の住む村では間違いなく家畜関係の部門は必要な部署として重用されるはず。
あと、食事関係ではこの村同様女性のフィラーネさんとタマーラさんに中心になって動いてもらった方が良いと思うんだ。彼らの新しい場所での居心地を考えると『何もかもを俺流に合わせてもらう』とか言って現代日本風に男女平等を謳い無理強いするよりも、変わらない環境を残す方がやり易いだろうし安心できるはず。
…そう言えば忘れていたがマルセル君も一緒に来るかもしれないんだったな。
まぁ彼は村の自警団として頑張ってもらえば、おふリン…ジェシカにもいい所を見せられて勝手にどうにかするだろう。そのうちジェシカと結婚って話も出てくるかもしれないし?

こうして一緒に村を作る候補の連中の事を考えてみると、ニナだけ何も特技が無いって事になる。
一応ソフィーとジェシカもニナ同様何もできる事が無いと言えそうではあるが、実際にはソフィーは召還者を篭絡する技術を習得しているといった『特殊技能所持者』だったりする。
ジェシカは俺もニナも…一緒に行く連中の全員が子供と考える様な年齢なので、できなくて当然であり、これから勉強して色々覚えるのが仕事と言えるはずだ。『次代を担う』という役割を持っていると言ってもいいだろう。

こんな状態ではニナが不安になるのも分かる。
だが…ニナには立派な役目があるんだよな。

「なぁニナ?お前は俺の『奥さん』ってお仕事があるんだぞ?それわかってるか?」
「キヨシの奥さんがお仕事なの?…それは…なにをしたらいいか…えっ?」
なんとなくニナ、答えにたどり着いた感じかな?
「ニナはこの村のレーヌさんみたいに俺の子供達のグランドマザーになるって大事なお仕事が決まってるんだ。これから生まれる子供全員のお母さんだからな?とても大事な仕事だぞ?」
「えぇ~~っ?!ニナ何人の赤ちゃん生ませられちゃうの?!…えっ?そんなにいっぱい生むの?…えぇ~~♡そんなぁ~~ニナタイヘンだよぉ~~♡♡♡」

なんだろう…まんざらでもないって感じか?

頬に両手を当てて目を閉じてちょっと赤い顔をしながら腰フリダンスをしながらそこらじゅうを花畑にしてしまいそうな幸せオーラを振りまいてるニナって…けっこう乙女な思考回路を持ってるのかな?
あ、違うか。見た目の振る舞いが乙女なだけで考えてる事は連続生殖行為だな♡
ドエロといっても過言では無いだろう♡

その後俺とニナはマルセル君とジェシカの邪魔をしない様に、ソフィーにも邪魔されない…えーっと、寝るのを邪魔しない様に気をつけながら一ヵ所余っていた使ってない部屋に移動して、イチャコラちょっとばかり楽しんでしまった♡
ただ…いざこれからニナと合体します♡と服を脱ぎニナも全裸に剥いて両手を合わせて『イタダキマス♡』を言ったと同時に部屋のテラスのすぐ先の辺りを村人が歩いて行ったのが見えた事で、ニナがとても恥ずかしがってしまい…俺のアム○君はどこにも行けずに終わった。

アム○逝きたかったなぁ…

その後気まずい空気が俺とニナの間に漂っていたので、俺とニナはお互いをあまり見ない様にしつつ服を着て不満を抱えたまま部屋から出たら目の前にソフィーが居た。
「あっ…あ~~♡キヨシのドスケベ♡」
目の前のドアを開いた状態で部屋の中からソフィーがぽや~んとした顔でカボチャパンツだけ穿いた状態で見ていて速攻で俺とニナが何をしていた気付いたらしく覚醒してすぐにドスケベ認定された。

その後3人でソフィー用に残しておいた食事をヴォルトー達と食べた部屋に取りに行って、マルセル君とジェシカの居る部屋に行くとノックの後少しだけガタガタと大きな音がしてマルセル君の声で『どうぞ』と聞こえてきたので部屋に入ると、ジェシカがベッドに座っていてマルセル君が部屋の隅でヒンズースクワットをしていた。
2人の間に何があったのかとても気になったが、今回はあまり詳しくは突っ込まずにそっとしておいて、さっきヴォルトー達に言われた事を皆に説明しておいた。

そして昼前になってフィラーネさんがフベルトさんに言われて迎えに来てくれた。
「フベルト様が共にお食事をしたいと申しております。」
どうもメシ食いながら話をするのはここの流儀みたいだな。

「皆はどうする?」
「俺とおふ…ジェシカとフィラーネさんは昼は食べないけどニナさんとソフィーさんはどうする?」
まだおふリンって言いそうになってるなぁ…ニックネームの概念としておふリン呼びを許すかなぁ…
「私とソフィーもお昼は食べなくても大丈夫だよ?ねっ?」「うん。前の所でも食べてなかったから。」
あれっ?でも…ニナもソフィーもお昼に一緒にあの実を…そう言えばあれは『ビーストモード準備』の為の食事だったか?
俺がニナとソフィーの食事事情で悩んでいると全員が俺を見ていた。
「あー…とりあえず了解。話をしてくるな。」

俺はフィラーネさんに案内されて村長宅に行くと応接室らしき部屋に通された。
そして少ししたらフベルトさんとレーヌさんが一緒に部屋に入ってきた。
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