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第三章 フベルト?

72 その頃フベルト村は大忙し♪1

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わしはヴォルトー!逆らう奴はこのゲンコツ一発で言い聞かせてきた!
…が、最近寄る年波には勝てん事を知った村の物作りおっさんだな。

さてと、一先ずわしはキヨシに指示を受けた村作りの為の交渉をしなければならない訳なんだが…
正直言うとわしはこの村の村長以外の上の連中が気に入らん。

あいつらは自分が手を下さずに指示を出して村の連中に汚い事をやらせるからだ。
まぁでもあいつらに話を通しておかねば村の連中の力を借りられないから今から会いに行くのだが…

そう言えば…タマーラの村を攻め滅ぼした時の事だが、その頃のわしはまだ村の連中の力関係とか誰が主導で事が進んでおるとかほとんど理解できてなかった。
街から戻ってきたばかりの物を作る能力だけしか特筆する事の無い青年だったからしょうがないとは思うが、後になってあいつらが自分の能力を上げるための道具としてタマーラ達を求めた事が分かった。

そう、村の同種族の娘の尻に吸い付いても特に何も変わる事は無いが、まぁ繁殖したくなるって効果は一番強いがな♡…いや、その話は今は関係無いな。そう、違う種族の娘の尻に吸い付いたら…脳が活性化されるって言うんかのぉ…まぁ短時間ではあるが自分の能力が上がってる事を感じる事ができる。
そして繰り返し同じ種族の娘に吸い付くと段々と効果は減っていくが、恒常的に自分の能力が上がったままになるって感じかのぉ。
戻ってきて村長にその話をしてみたんじゃが、なんか難しいことを言っておったな。
『アセルマン種族の者達はレーヌの能力を一部受け継いでいるからだと思うが、他種族の者の一部を取り込んで生体強化が行えるようだ。』
とかなんとか?
フベルト様はレーヌ様と毎日の様に愛し合っているのを常駐している世話係の者とか清掃で寝室に入る村の既婚者の奥さん連中からの報告で聞いていたが、どうもそんな感じに吸い付き行為を繰り返す事で己の強化ができると。

わしは街の鍛冶工房に奉公に行って親方に師事している間、周囲に居る他種族の娘達に吸い付きまくっておった♡
そのおかげで村の上の連中に匹敵する…まででは無いが、そこそこ身体能力も頭脳的な能力も上がってるという自負がある。
そう言えば街の娘衆には『これで私も美肌になれるぅ~♡そんな奥まで味わわれたら困るぅ~♡』などと何度も言われて、上はギリギリばあさん未満から下は幼女ではないという奴も居るかもしれない年齢の娘までひっきりなしに言い寄られたからのぉ…あの頃は楽しかったのぉ……………♡


あぁ、昔話をしてても誰も喜ばんな。

まぁそんな感じに街でたのし…コホン。頑張ったおかげで、わしは無事『鍛冶師』の称号をもらえて村に戻ってきて無事マイハニー♡のマリナと番になれたって訳なんじゃ。
それに、街で色々やりすぎたおかげで、わしにはタマーラの尻に吸い付いても自分が能力を伸ばせない事が理解できていたから、そんな関係にならなかったんじゃが…最初の頃はタマーラは大変そうじゃったなぁ…『何も無いじゃないか?!早く溜めろ!』とか言われて毎日すごい量の食料を食べさせられていたからのぉ…
一時期はタマーラは顔の面積が倍ぐらいに膨らんでいたからのぉ…

まぁそんな事を何回か繰り返してきて最近…とは言っても3ヶ月ぐらい前か?マルセルの言うおふリン…キヨシがジェシカと呼ぶ娘が捕虜として連れてこられて、わしがあの娘の首につける首輪を作らされた訳だ。

あの首輪は『ルパート効果』を繰り返し追加して硬度を限界まで上げたわしの最高傑作だったんじゃが…キヨシはそれを簡単に壊しおったからのぉ…っとそろそろ頭を切り替えていかねばならぬな。

「おぉーい!ギャスパル!居るか?」
ドアを殴りながら声をかけたら少ししてドアが開いた。
「なんだこんな早い時間に。」
ちなみにこいつはギャスパル・バリエと言う名前で親がレーヌ様との子作りを許されて生まれた奴だ。
だから村の連中にはまったく尊敬されておらぬし権力的にも親の七光りでしかないのだが、この村では仕事の割り振りの関する管理をしてるので話を通しておかなければならない奴だったりする。

こいつ、こっちがゴッドバードに見下ろされながら、生きた心地のしない状態で飯を食ってる間もまだ寝ていたらしい。
寝間着姿で出てきやがって…

「キヨシとフベルト様に神託が下されたそうだ。その為に村の連中の力を借りるぞ。」
とりあえずこいつの姿を長く見ていたら殴りたくなるのでさっさと用件を言って了承を得て戻ろうと思ったのだが、引き止められた。
「なぁヴォルトー、お前あのキヨシって奴に信頼されてるらしいな?何かもらったって聞いたがそれは何だったんだ?」
どうも昨日キヨシから預かった『コンビネーション・プライヤー』なる物の話がもう届いていたらしい。
たぶんこいつに話を伝えたのはいつも俺と張り合っていて何かとイチャモン付けてくるヨーゼフだな。
ギャスパルとヨーゼフが一緒になって色々くだらん事をやってるのは誰もが知ってるからな。

「あぁ、あれは工具の一種でわしの作ったあの奴隷の娘に着けた首輪を簡単に破壊するほどの強度を持った物だ。」
「ほう?…それで、それは今どこにある?」
こいつまさか自分の物にしようとでも思ってるのか?
「あれはキヨシが貸してくれただけでわしの物ではない。感違いするなよ。」
「まぁそう言うな。とりあえずそうだな…村の者達の力を借りたいと言うのであれば、どうせ詳しく見てる時間もないのだろう?その間少しだけヨーゼフに渡せ。それなら村の連中を好きに使ってもいいぞ?」
まったく…こいつは何かと言えばこうして首を突っ込んでくる…しかも何やらゲスい事を考えてそうな顔をしながら貸せとか…今すぐ村から出て行けるならこいつの顔の形がもう少しマシになる位わしのゲンコツで形を変えてやる所だが…わしの親族も嫁のマリナの家族もこの村に住んでるから自制せねばならんのが本当に気に入らん。

まぁでも今回の作業では村の連中の力を借りなければどうにもならないから、アレを渡すのはたぶんキヨシは構わないと言いそうではあるが…わしの一存でそんな判断をしてもいいかどうかだよな。
そう言えば確かキヨシは、どこに有っても収納できるとか言ってたか…それに収納したら元通りとかなんとか…何にしても一言ぐらいは釘を刺しておくか。

「なぁギャスパル、あれは召喚者たるキヨシがわしに貸し与えた物だ、それをお前が搾取したいって言うなら悪いことは言わんからやめておけ。」
「おいおい、何を人聞きの悪い事を言い出すんだ?私は村の為にその道具を見させてくれと言ってるだけで取り上げるなどと言ってる訳ではないぞ?」
どう考えてもこいつに渡したらいつまで経っても戻ってこない感じしかしないな。そもそも村の職人連中の話ではこいつに貸した物で無事に帰ってきた物など何も無いって話だからな。

「まぁそうだな、一応今日は色々忙しいから夕方にでもヨーゼフに取りに来させてくれ。その時に渡そう。」
「…昼に向かわせるからそれまでに用意しておけ。いいな?」
「…あぁ、分かった。」

ひとまずこれで大丈夫だろう。後はキヨシに言って回収してもらえばいい…はず。

はぁ…まぁでもこれでこの村の嫌な奴らとの折衝なんかが終わるって言うんだから喜ぶべきなんじゃろうなぁ…
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