ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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お楽しみのご飯タイム

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夕食の時間になって、大広間に向かった。

4人ずつ座れるくらいのテーブルが座敷に並び、その上にはズラーっと料理が並べられている。



席には名札が置いてあって、五条先生とわたしの席には藤堂先生と神崎先生。

隣のテーブルには宇髄先生、工藤先生、夏樹くん。

まこちゃんは少し離れたテーブルにいたから、たぶん看護師で集まってる。

後ろのテーブルには、蓮先生とりさ先生と院長先生もいる。



全員集まったようで、院長先生が前に出て挨拶を始めた。

そして、





院長「それでは、乾杯~」





と言った途端、大人たちが一斉にビールを流し込こむ。





神崎「……ぷっは~!仕事終わりのビールは最高!」





って、神崎先生がビールを一気に飲み干してる。

と思ったら、五条先生も藤堂先生も。

わたしはストローでオレンジジュースをちびちび飲んで、ご飯を食べ始めた。



食事中の会話はもっぱら医療の話。

なんとなく聞こえてくるけど全然わからなくて会話の輪には入れず、ひたすらこの豪華な御膳を食べてた。



そして、1時間経った頃には皆さん出来上がってきて、席も動き回りながら思い思いに交流していた。

黒柱たちも、今日は呼び出されることないからってかなり飲んだようで、みんなすごく陽気だし顔が赤い。

そんな中、トイレに行きたくなったので、五条先生にいってきますと伝え席を立った。










廊下を出てトイレの方へ行くと、





ひな「ケホケホッ……」





あれ、咳が……。



ちょっと疲れたかな?と思いつつも気にせずトイレを済ませてまた廊下に出ると、





ひな「ケホケホッ!ケホッ、ケホケホッ!!」





まずい、こんなところで発作起きちゃったら……。



慌ててすぐそこにあった椅子に座って落ち着こうとするけど、





ひな「ケホケホッ……ハァハァ、ケホケホッ!ハァハァ……」





おかしいな……

またなんでこんなタイミング悪く発作なんて。

五条先生に見つからないようにしなきゃ……



と思ってたら、





「ゆっくり深呼吸してごらん。大丈夫だよ」





突然誰かに声をかけられて、顔を上げて見ると院長先生がいた。





ひな「ハァハァ、院長せんせっ、ケホケホッ!すみません……ケホケホッ……スー……ハァハァ、ケホッ!!」


院長「無理に話さなくていいよ。そこの調理場から煙が来てるからだね。ちょっとあっちに移動しようか」





と、院長先生がわたしを抱っこして、少し離れた椅子に座らせてくれた。





院長「ここで呼吸整えてみよう。もう煙来ないからすぐ落ち着くと思うよ。ゆっくり深呼吸しようね」





と、背中をさすってくれる。

院長先生にこんなことしてもらって申し訳なくて、一生懸命呼吸に集中して、5分くらいで落ち着くことができた。





ひな「院長先生、ありがとうございました。すみません、もう大丈夫です」


院長「蒼先生でいいよ。蓮やりさのこともそう呼んでるでしょ?それよりひなちゃん、温泉入った後あまり水分とってない?お水飲んだ方がいいね。宴会場戻ろうか」





と、背中に手を添えられながら一緒に戻った。










席に戻ると五条先生がいなくて、





藤堂「あれ?ひなちゃん、院長と一緒だったの。五条先生探しに行っちゃったんだよ。大丈夫?具合悪かった?」





と、主治医な顔で言われ、





ひな「大丈夫です。ごめんなさい、ちょっとトイレの場所に迷っちゃって……へへっ」





と言うと、





院長「こらこら、ひなちゃん。嘘はつかないよ」





って、すかさず蒼先生に言われてしまう。



蒼先生の前で嘘ついても絶対こうなるってなんでわからなかったんだ。

わたしのバカ!!



するとそこへ、五条先生が戻ってきて、





五条「ひなどこ行ってたんだ、大丈夫か?遅いからどこかでぶっ倒れたかと思ったぞ……」


ひな「ご、ごめんなさい……」





と言うと、





院長「ひなちゃん、廊下で少し発作が起きちゃってね。トイレの奥にあった調理場の煙のせいだと思うよ。椅子に座ってちゃんと自分で落ち着けたから、僕の助けも要らないくらいだったかな。お水だけしっかり飲むようにね。温泉入って脱水になっちゃうから」





蒼先生が状況説明しつつも、わたしが怒られないようにお褒めの言葉も添えてくれて、





五条「そうだったんですか。すみません院長、ありがとうございました」


院長「まぁ、僕が見てなかったら、今ごろ発作が起きたことは隠してたかも知れないけどね(笑)」





って、最後にまさかの余計なことを言われて、





藤堂「最初は迷子になったって言ってて(笑)」





藤堂先生にまで余計なことを言われて、





五条「んぁ?」





五条先生の眉間にシワが寄ってきて……





ひな「ご、ごめんなさい……。発作と言えば怒られて帰らないといけないかと……」





と言うと、





五条「なんで発作起きたことに怒るんだよ!いつもいつもすぐに言わず黙ってるから怒るんだ!!ちゃんと言いなさい!藤堂先生とも約束しただろ!!」





と怒らた。

もう、おっしゃる通りなので、ただ謝る。





ひな「ごめんなさい……」


五条「ちょっと座れ」


ひな「はい」





と、大人しくお座敷に正座をして座ると、五条先生の手がおでこに。





五条「大丈夫か?しんどかったら部屋戻るか?」





"トクン"





ひな「だ、大丈夫です」





大勢の人の前だからかいつもよりドキドキする。

熱があったらどうしようというドキドキと、五条先生に触られてるというドキドキ。

さっきまで酔っ払ってたのにすっかり医者の顔になってる。

恥ずかしすぎて目を逸らしたまま五条先生の顔が見れない。



すると……





夏樹「ひなの!顔真っ赤だな!熱あるんじゃね!?」





って、隣のテーブルから夏樹くんがまぁ余計なことを大きな声で……。

そして、それを聞いた周りの大人たちは全員大爆笑してる。





ひな「夏樹くんのバカ……」





小さい声でつぶやくと、





五条「夏樹、お前は見た目だけでそんな誤診してたら医者になれんぞ。ひなは熱ない」


ひな「はぁ……よかったぁ……」


五条「お前もよかったじゃない!自分の体調管理できなきゃ医者になれん」


ひな「す、すみません……」





って、ん?

わたし、医者になるなんて言ったことないけど?





ひな「五条先生?わたし医者になるなんて言ったことないですけど?」


夏樹「え?ひなの医者になりたいんじゃなかったの??」





え??

夏樹くんまでなんでそんなこと言ってんの!?





ひな「そんなの言ったことないじゃん!なんでそういうことになってるの!?」


夏樹「だって、ひなの成績めっちゃいいからさ。てっきり大学の推薦枠狙ってんのかと思ってたわ」


ひな「いや、違うよ!成績も良くないし!!」





って、夏樹くんと言い合ってたら、





院長「ひなちゃんの成績は良いよ。2学期の中間テスト8位だったよね。英語は満点。理系科目は全部90点以上。国語がちょっと苦手かな?(笑)」





な、なんで蒼先生がこんなに知ってるの……。

まさか、五条先生だけじゃなくて、少なくとも今話してる先生たちは全員情報見てるってこと?





五条「まぁ、そういうことだ。みんな見てるから知ってる」





って、いや……

いつもわたしの疑問に答えてくれるけど、わたし何も言ってないんですけど。

また頭の中読まれてる……?





工藤「ひなちゃん医者ならないの?目指せばいいのに。バカな夏樹でも目指してるんだぞ?」


ひな「え?夏樹くんお医者さんになるの?」


夏樹「あぁ。だって兄貴も父さんも医者だし。そりゃ、なりたいよ」





そうだったんだ。知らなかった。





五条「ひな、お前も医者になれよ」


ひな「えぇっ!?そ、そんな、無理です無理です!自分の身体の管理もできないのに、わたしが医者になったら患者さん死んじゃいます!」


藤堂「ははっ。医者にならずとも自己管理は頑張って欲しいんだけどね。でも、医者になれば自分の身体のこともわかるようになるんじゃない?」


五条「ひなは医者に向いてる。『はたらく細胞ズ!!』もすごく興味持っただろ?くたびれるまで読んでるし」


ひな「あれはなんとなく面白いだけで……。それに、そもそもわたし病気なのに。患者が医者になんてなれないですよ」


院長「そんなことないよ。うちのりさだって身体が弱くてしょっちゅう入院してたし、今でも喘息持ったまま医者してるんだよ?」


ひな「え?りさ先生が?」





と、りさ先生を見ると、





りさ「うん、実はね。いろいろあって、ひなちゃんくらいの時はもう毎週病院に通ってたのよ。主人が主治医で(笑)」





主人って、蒼先生が主治医だったってこと!?

こんな美人で可愛くて優しくて、医局長になったお医者さんにも、そんなことがあるなんて……。





蓮「ノワール医大目指してみたら?ひなのちゃんならきっと行けるから」


夏樹「俺はノワール医大行くからな!ひなのも一緒に入ろうぜ!」


工藤「お前は本気で目指してるなら、ちょっとは真面目に勉強しろ!」


「「はははっ!!」」





って、夏樹くんはみんなに笑われてるけど、夏樹くんがノワール医大行くって言った時の目は本気だった。

本気でお医者さん目指してるんだ。





医者かぁ……





なんて、みんなで楽しく話してるうちにお開きになって、五条先生と部屋に戻ってきた。










ひな「ふぅ~」





なんだかんだで今日はよく動いたしよく喋ったからか、部屋に戻ってきてどっと疲れを感じた。





五条「ひな、ちょっとそのままじっとして」





綺麗に敷かれてあった布団の上で思わず大の字になってたら、ステートを手にした五条先生に聴診された。





五条「疲れただろ。明日は午前中で終わるし働かずに座って見てたらいいぞ」


ひな「いや、でもそれは申し訳ないです。疲れたけど大丈夫ですよ。寝たら復活します!」


五条「いや、院長もそうしろって言ってくれたから。発作出たんだから大人しくしとけ。な?」


ひな「はーい……」


五条「ほら、もう布団入って先に寝ろ」


ひな「五条先生は?」


五条「俺はもう少し明日の準備してから寝るから」


ひな「わかりました。おやすみなさい」





と、布団に入って1分しないうちに眠りについてた。


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