ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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なんでもない日常

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——2週間後





藤堂「ひなちゃん、いい?お薬は忘れず飲むようにしてね。学校に持って行くのも忘れないようにね」


ひな「はい」


藤堂「それと、運動は引き続き控えるように。体育は禁止。走るのも禁止。ダッシュももちろん禁止」


ひな「はい」


藤堂「もうひとつのお約束も忘れずに。覚えてる?」


ひな「身体がおかしいなと思ったらすぐに言うことです」


藤堂「はい。絶対守ってね。定期健診も忘れないようにね」


ひな「はい」


藤堂「いいお返事ありがとう。そしたら、退院しようか」


ひな「やったー!!」





ということで、約1ヶ月半の入院生活から無事解放されました。










***



「ひーちゃん!」

「会いたかったよー!」

「久しぶり!もう大丈夫?」





ひな「うん。もう元気になったよ!」





退院して、土日を挟んで久しぶりの学校。

教室に入ると、クラスの子たちがすぐに声をかけてくれた。

そして廊下からは、





夏樹「ひなのー!」





夏樹くんの声が。





ひな「あ、夏樹くんだ」


夏樹「あ、ってなんだよ!心配してたんだぞ?思ったより入院長かったからさ。何があったのかと」


ひな「ごめんごめん。って、そもそも今回は夏樹くんが五条先生にチクったから入院になったんだよ!何があったのかとじゃないよ!」


夏樹「はぁ?俺が言わなかったら今ごろまだ病院かもしれないだろ!ひなのはすぐ隠そうとするんだからな。これからは俺も見張ってるぞ。五条先生にも兄貴にも、ひなのに何かあれば教えてって頼まれてるから!」





なっ……!?

い、いつの間にそんなことを……。





ひな「ひどい……夏樹くん誤診するくせに」


夏樹「それいつの話だよ!しょーもないこと根に持つなバカ!」


ひな「バカ!?夏樹くんの方がバカだもん!」


友達「はいはい(笑)2人とも仲が良いのはわかったから。授業始まるよ~」





と、クラスメイトが止めてくれて、夏樹くんとの言い争いは終了。



そんな退院初日の学校も無事に終わって、家に帰ったら手洗いうがい、着替えを済ませて、宿題とお勉強。

入院中もできる時はずっと勉強してたけど、授業を受けてない分やっぱり遅れを感じた。

あと2週間もしたら学年末テストが待ってるしと、気合を入れて机に向かう。










***



五条「……ひな」


ひな「スー……スー……」


五条「おーい。ひなー」


ひな「……ん?」





……ハッ!!

ね、寝てた……!





ガバッ——!





五条「おいっ!そんな急に起き上がるな、危ないだろ」


ひな「す、すみません。五条先生、おかえりなさい」





さっきまで勉強してたはずなのに、机に突っ伏していつの間にか寝ちゃってたみたい。

五条先生に起こされて慌てて起き上がったけど、急に起き上がるのもダメだったみたい。





五条「LIME見ないと思ったら寝てたのか。久しぶりの学校で疲れたな。大丈夫か?」


ひな「大丈夫です。ごめんなさい、LIME気づかなくて」


五条「病み上がりなんだから頑張り過ぎるなよ。ほら、飯食うぞ」





と、五条先生とリビングへ。










時計を見るともう20時前になってた。

五条先生も帰りが少し遅くなったからか、ご飯はテイクアウトしてきてくれたみたい。



買ってきてくれたのは、入院中に食べたいって話してた韓国料理。

キンパやビビンバ、チキンにチヂミにトッポギも。

2人でシェアするけど、五条先生は食いしん坊だから相変わらず量が多い。





ひな「わぁ!韓国料理だ!初めて!!」


五条「このトッポギは辛いからやめとけな。チキンもこっちは辛くないけど、こっちは辛い。ビビンバはちょっと辛いかもしれないけど……まぁ、食べてみて辛かったらやめとけ」


ひな「はーい。いただきます!」





初めて食べる韓国料理は想像以上に美味しかった。

きっと、わたしの身体で海外旅行に行けることもないだろうから、こうやってちょっとした旅行気分を味わえるのがすごくうれしい。

それに、五条先生と一緒にご飯が食べられるのも、何よりの幸せ。





五条「ひなは本当うまそうに食うな。やっぱり、1人で飯食うより、ひなと一緒がいいな」


ひな「わたしも。五条先生とこうして一緒に過ごせて、本当に幸せです」





なんでもない普通の日常。

だけど、1番幸せを感じられる時間。

またこの日常に戻れたことに、先生たちへの感謝の気持ちで胸いっぱい……。


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