111 / 253
大事な生理①
しおりを挟む*ひなのside
あ……、血……。
朝、制服に着替えてトイレに行くと、久しぶりに生理がきた。
ナプキンを付けて、かばんにも替えのナプキンを入れて、リビングで朝ごはん。
五条「……ひな?しんどい?」
ひな「え?」
五条「怠そうに見えるけど」
まだ五条先生に生理がきたことは言ってない。
言わなきゃと思うけど、久しぶりにきた生理はなんだか前より恥ずかしくて、言いにくくて……
ひな「そんなことないですよ。ちょっと眠いだけです」
五条「昨日、眠いからって21時に寝てたのにか?」
ひな「だ、だからまだ眠くて……」
五条「……そうか」
お?誤魔化せたかも!って思ってたんだけど、
五条「ひな、ちょっと」
ご飯の後、ソファーに座らされ、
五条「生理か?」
って。
隣に座って、わたしの背中に手を添えて、わかってたように言う五条先生。
ひな「はい、そうです……。さっきトイレでなってました」
五条「すぐに言えばいいだろ?」
ひな「恥ずかしくて……」
五条「ひな?生理はひなだけがなるんじゃない。女の子はみんな生理になるんだ。恥ずかしいことでもなんでもないから、ちゃんと伝えて欲しい。前に来た時は教えてくれてたし、一緒に管理していこうって言っただろ?」
ひな「で、でも……。思春期……?」
五条「こら、適当言わない。まぁ思春期ゆえなのかもしれんが……ひなの大事な身体のことだから。それに、生理に関しては医者としてはもちろんだけど……その、彼氏としてちゃんと把握しておきたい」
ひな「えっ……?//」
か、彼氏……っ//
五条「だから、隠さず俺にちゃんと教えて」
ぽんぽん……
ひな「……っ// はい……」
五条「で、学校休むか?身体しんどかったり痛かったら無理せんでいいぞ」
生理だからか、五条先生が超優しい。
鬼じゃない時の五条先生や、家での五条悠仁も優しいけど、生理パワーでその何倍も優しくて、今日はずっと一緒にいて欲しくなっちゃう。
ひな「いえ、大丈夫です。今はどこも痛くないし、学校行かないと」
五条「そしたら、痛み止めの薬も持って行って。しんどくなったら保健室行けよ?それと、来月の定期健診の時に宇髄先生にも診てもらっとこう」
ひな「わかりました」
と、今日は五条先生に送ってもらって学校へ行った。
学校にいる間、生理痛は平気だったのに、もうとにかく眠くて眠くて仕方なかった。
目を開きながら半分寝てたら授業が終わってて、気づいたら放課後になってた1日。
そして、家に帰ったら吸い込まれるようにソファーへ。
やっと横になれた……と、そのまま夢の中に落ちていった。
五条「……な、……ひな」
ひな「ん……」
五条「ひな、大丈夫か?」
肩をトントンされて起きると五条先生が帰ってきてた。
ひな「……ん?ぁ、五条先生……」
五条「ひな帰ってからずっと寝てたのか?」
ひな「ぁ、そうみたぃ……ねむくって……。何時ですか……?」
五条「もう22時だぞ」
ひな「……えっ!?」
学校が終わって家に帰ったのが16時前。
6時間も寝てたことに、さすがに慌てて目が覚める。
ひな「宿題してない!!ご飯も用意してない!!お風呂も洗ってない!!まだ制服!!」
五条「落ち着け。とりあえず今熱測ってるから動くな」
と言われて、よくやく脇に体温計が挟まってることに気づいた。
ピピッ……
五条「んー、7度2分か。まぁ寝てたのもあるけどな……」
五条「わたし……今から病院ですか……?」
五条「いいや。すぐに行かなくても大丈夫だ。定期健診あるし、生理終わるまで様子見よう。ただ、貧血がな~……」
と、わたしの目をめくりながら呟いてる。
ひな「気持ち悪くないし、フラフラもしてません」
五条「それならいいけど、ひな今日ずっと眠かっただろ?」
ひな「はい……」
五条「身体も怠いだろ。やっぱり明日は学校休め。俺も仕事休みだから、一緒にゆっくりしよう」
ひな「でも、生理なんかで学校休むなんて」
五条「あのな、ひな。生理をなめるな。普通の人でもしんどいのに、ひなの身体はデリケートなんだからなおさらだ。そもそも、生理でなくてもしんどい時は無理しない」
ひな「はい……」
五条「ご飯、少しだけでいいから食べられるか?薬は飲んどかないとダメだから」
ひな「でも、わたし何も作ってないし、お米研いですらなくて……」
五条「そんなこと気にするな。あるもので適当にすればいいんだから。うどんならすぐ出来るからうどんにしよう。俺作るから、ひなはこのままゆっくりしとけな」
と、手際よく作ってくれて、美味しそうなうどんが出来上がった。
「「いただきます」」
優しいお出汁の味に、麺はいつもより長めに茹でてくれてる。
こんなちょっとした気遣いを五条先生は欠かさなくて、こんなにも大きな愛になってるんだなとしみじみ。
ひな「グスン……グスン……」
五条「どうした、なんで泣くんだ……しんどいか?痛い?」
ひな「違います。うれしくて泣いてます。五条先生の愛を感じてうれしくて……グスン」
なんでか知らないけど勝手に涙が出てくる。
前に生理で情緒不安定になるって言われてたけど、これがそういうことなのかな。
五条「うれしいなら泣くなよ……俺はひなの笑った顔が好きなんだから」
ひな「そんな、好きなんて言われたらまた涙が出ます……うぅ……。わたしは五条先生の全部が好きです……グスン」
五条「わかったから(笑)ほら、泣いてないでうどん食べるぞ」
ひな「はいっ……グスン」
ご飯を食べたら、薬を飲んでお風呂に入って、五条先生はまだ寝ないみたいだから、先に自分のベッドに入って1人で寝た。
だけど、五条先生が寝室に入る頃にお腹が痛くなって、結局、五条先生のベッドに移された。
そして、一晩中、腰をさすってもらい、お腹をさすってもらい、頭を撫でてもらい、涙を拭ってもらい……
五条「薬の効きが悪いな……。久しぶりだからか……ひな結構つらいな」
ひな「五条先生……ごめんなさぃ……わたしのせいで寝れなくて……グスン」
五条「そんなこと気にするな。忘れたか?ひなは甘えていいって何度も言ってるだろ。相変わらずここぞって時ほど甘えてこないな。ひなは甘えるのが上手いのか下手なのかどっちなんだ……」
ひな「でも、五条先生お仕事して帰ってきてるの……にぃっ……ぃ、イタイ……グスン」
五条「ほら、俺のことはいいから……。かわいい彼女が痛くてつらい思いしてる時に寄り添うのは当たり前だろ」
かわいい彼女……
"トクン"
彼女の前に"かわいい"をつけてくれる五条先生。
こんな時でも、五条先生の言葉に反応して胸がトクンとしちゃう。
急に恥ずかしくなって、そっと目を閉じた。
11
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる