ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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大事な生理①

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*ひなのside





あ……、血……。



朝、制服に着替えてトイレに行くと、久しぶりに生理がきた。

ナプキンを付けて、かばんにも替えのナプキンを入れて、リビングで朝ごはん。





五条「……ひな?しんどい?」


ひな「え?」


五条「怠そうに見えるけど」





まだ五条先生に生理がきたことは言ってない。

言わなきゃと思うけど、久しぶりにきた生理はなんだか前より恥ずかしくて、言いにくくて……





ひな「そんなことないですよ。ちょっと眠いだけです」


五条「昨日、眠いからって21時に寝てたのにか?」


ひな「だ、だからまだ眠くて……」


五条「……そうか」





お?誤魔化せたかも!って思ってたんだけど、





五条「ひな、ちょっと」





ご飯の後、ソファーに座らされ、





五条「生理か?」





って。

隣に座って、わたしの背中に手を添えて、わかってたように言う五条先生。





ひな「はい、そうです……。さっきトイレでなってました」


五条「すぐに言えばいいだろ?」


ひな「恥ずかしくて……」


五条「ひな?生理はひなだけがなるんじゃない。女の子はみんな生理になるんだ。恥ずかしいことでもなんでもないから、ちゃんと伝えて欲しい。前に来た時は教えてくれてたし、一緒に管理していこうって言っただろ?」


ひな「で、でも……。思春期……?」


五条「こら、適当言わない。まぁ思春期ゆえなのかもしれんが……ひなの大事な身体のことだから。それに、生理に関しては医者としてはもちろんだけど……その、彼氏としてちゃんと把握しておきたい」


ひな「えっ……?//」





か、彼氏……っ//





五条「だから、隠さず俺にちゃんと教えて」





ぽんぽん……





ひな「……っ// はい……」


五条「で、学校休むか?身体しんどかったり痛かったら無理せんでいいぞ」





生理だからか、五条先生が超優しい。

鬼じゃない時の五条先生や、家での五条悠仁も優しいけど、生理パワーでその何倍も優しくて、今日はずっと一緒にいて欲しくなっちゃう。





ひな「いえ、大丈夫です。今はどこも痛くないし、学校行かないと」


五条「そしたら、痛み止めの薬も持って行って。しんどくなったら保健室行けよ?それと、来月の定期健診の時に宇髄先生にも診てもらっとこう」


ひな「わかりました」





と、今日は五条先生に送ってもらって学校へ行った。



学校にいる間、生理痛は平気だったのに、もうとにかく眠くて眠くて仕方なかった。

目を開きながら半分寝てたら授業が終わってて、気づいたら放課後になってた1日。



そして、家に帰ったら吸い込まれるようにソファーへ。

やっと横になれた……と、そのまま夢の中に落ちていった。










五条「……な、……ひな」


ひな「ん……」


五条「ひな、大丈夫か?」





肩をトントンされて起きると五条先生が帰ってきてた。





ひな「……ん?ぁ、五条先生……」


五条「ひな帰ってからずっと寝てたのか?」


ひな「ぁ、そうみたぃ……ねむくって……。何時ですか……?」


五条「もう22時だぞ」


ひな「……えっ!?」





学校が終わって家に帰ったのが16時前。

6時間も寝てたことに、さすがに慌てて目が覚める。





ひな「宿題してない!!ご飯も用意してない!!お風呂も洗ってない!!まだ制服!!」


五条「落ち着け。とりあえず今熱測ってるから動くな」





と言われて、よくやく脇に体温計が挟まってることに気づいた。





ピピッ……





五条「んー、7度2分か。まぁ寝てたのもあるけどな……」


五条「わたし……今から病院ですか……?」


五条「いいや。すぐに行かなくても大丈夫だ。定期健診あるし、生理終わるまで様子見よう。ただ、貧血がな~……」





と、わたしの目をめくりながら呟いてる。





ひな「気持ち悪くないし、フラフラもしてません」


五条「それならいいけど、ひな今日ずっと眠かっただろ?」


ひな「はい……」


五条「身体も怠いだろ。やっぱり明日は学校休め。俺も仕事休みだから、一緒にゆっくりしよう」


ひな「でも、生理なんかで学校休むなんて」


五条「あのな、ひな。生理をなめるな。普通の人でもしんどいのに、ひなの身体はデリケートなんだからなおさらだ。そもそも、生理でなくてもしんどい時は無理しない」


ひな「はい……」


五条「ご飯、少しだけでいいから食べられるか?薬は飲んどかないとダメだから」


ひな「でも、わたし何も作ってないし、お米研いですらなくて……」


五条「そんなこと気にするな。あるもので適当にすればいいんだから。うどんならすぐ出来るからうどんにしよう。俺作るから、ひなはこのままゆっくりしとけな」





と、手際よく作ってくれて、美味しそうなうどんが出来上がった。





「「いただきます」」





優しいお出汁の味に、麺はいつもより長めに茹でてくれてる。

こんなちょっとした気遣いを五条先生は欠かさなくて、こんなにも大きな愛になってるんだなとしみじみ。





ひな「グスン……グスン……」


五条「どうした、なんで泣くんだ……しんどいか?痛い?」


ひな「違います。うれしくて泣いてます。五条先生の愛を感じてうれしくて……グスン」





なんでか知らないけど勝手に涙が出てくる。

前に生理で情緒不安定になるって言われてたけど、これがそういうことなのかな。





五条「うれしいなら泣くなよ……俺はひなの笑った顔が好きなんだから」


ひな「そんな、好きなんて言われたらまた涙が出ます……うぅ……。わたしは五条先生の全部が好きです……グスン」


五条「わかったから(笑)ほら、泣いてないでうどん食べるぞ」


ひな「はいっ……グスン」










ご飯を食べたら、薬を飲んでお風呂に入って、五条先生はまだ寝ないみたいだから、先に自分のベッドに入って1人で寝た。

だけど、五条先生が寝室に入る頃にお腹が痛くなって、結局、五条先生のベッドに移された。

そして、一晩中、腰をさすってもらい、お腹をさすってもらい、頭を撫でてもらい、涙を拭ってもらい……





五条「薬の効きが悪いな……。久しぶりだからか……ひな結構つらいな」


ひな「五条先生……ごめんなさぃ……わたしのせいで寝れなくて……グスン」


五条「そんなこと気にするな。忘れたか?ひなは甘えていいって何度も言ってるだろ。相変わらずここぞって時ほど甘えてこないな。ひなは甘えるのが上手いのか下手なのかどっちなんだ……」


ひな「でも、五条先生お仕事して帰ってきてるの……にぃっ……ぃ、イタイ……グスン」


五条「ほら、俺のことはいいから……。かわいい彼女が痛くてつらい思いしてる時に寄り添うのは当たり前だろ」





かわいい彼女……





"トクン"





彼女の前に"かわいい"をつけてくれる五条先生。

こんな時でも、五条先生の言葉に反応して胸がトクンとしちゃう。

急に恥ずかしくなって、そっと目を閉じた。


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