ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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ぶどうジュース事件①

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そして、お風呂から上がってリビングに戻ると、食事は終わったのか先生たちはソファーに座ってお酒を飲んでた。

さすがに顔も赤くなって、お風呂に入る前よりさらに仕上がった感じ。

そんな先生たちを横目に、お水を飲もうとキッチンへ行こうとしたら、





五条「ひなぁ~」


ひな「ふぇっ!!?」





突然、五条先生に後ろから抱きしめられた。





ごごご、五条先生っ!?





五条「ひなぁ~、かわいいなぁ~。いい匂いする~」





……っ///!!!



え、なななにっ!?

五条先生、めっちゃ酔っ払ってる!?





ほんのり体が火照ってて、耳元にかかる吐息も熱を帯び、お酒の匂いがふわっと香る五条先生。

抱きしめられてると言っても、もたれ掛かられてるに近いくらいだらんとして、ぎゅっとされてて、わたしは軽くパニック。

すると、





神崎「あぁー!もう、五条先生!!」


藤堂「ほらほら、悠仁!ひなちゃんびっくりしてるよ」





って、神崎先生と藤堂先生が五条先生の腕を解いて引き離してくれた。





ひな「あぁぁ、あの……っ//」


神崎「ひなちゃん大丈夫?もー、五条先生酔っちゃっててさ~。一定量飲むといつもこうなるんだよ」


ひな「そ、そうですか。わたしはだだっ、ダイジョウブです……!」


藤堂「うん、大丈夫じゃないね(笑)悠仁はこっちでなんとかしておくから、ひなちゃんとりあえずお水飲んでおいで。お風呂で身体の水分抜けてるからね」


ひな「は、はい!お水、飲みますっ!!」





と言って、スタタタッとキッチンへ。

すると、ダイニングテーブルにはスマホで動画を見ながら1人ご飯を食べる夏樹くんが。





ひな「あれ、夏樹くんまだ食べてたの??」


夏樹「うん。先生たちはもうあんなだしさ、残ったのもったいないから食ってる。って、ひなの大丈夫か?五条先生めちゃくちゃ酔ってるけど」


ひな「き、聞いてたの!?」


夏樹「いや、聞いてなくても聞こえるだろ。愛されてんな」


ひな「え!そ、そうかな?//」


夏樹「なに照れてんだよ……」


ひな「別に照れてないよ……っ!」





なんて言い、キッチンへ行くついでにテーブルの空いてるお皿でも片付けようかと思ったら、グラスに美味しそうなジュースが。



あれ、こんなジュースさっきあったっけ?

ここ五条先生の席だけど、五条先生のかな?





ひな「夏樹くん、これ誰のグラス?」


夏樹「あぁ、それ五条先生が飲んでたやつ」


ひな「もう飲まないのかな?」


夏樹「知らね。でも、さっき別のお酒みんなで開けてあっち持って行ってたから、それは飲まないんじゃね?」


ひな「そっか」





じゃあ……、飲んじゃおう!



と、ジュースを飲んでみると、



……ん?

なにこれ、苦っ!!



甘いジュースを想像して飲んだのに、口の中に広がったのは渋味。





ひな「ねぇ、夏樹くん?なんかこのジュース変な味する……」


夏樹「え?そりゃだって赤ワィn……って、ああぁっ!!」





ビクッ!!





動画を見てた夏樹くんが顔を上げたと思ったら、突然大きい声を出すもんだから思わず身体がビクッと跳ねる。

そして、リビングにいる先生たちもみんなこっちへ振り返った。





工藤「夏樹~?なにでかい声出してんだどうした~」


夏樹「ちょっ!!ひなのがワイン飲んだぁっ!!」


「「……え?」」





夏樹くんの一言に、部屋の中が一瞬で静まり返る。

でも、それも1秒くらいのことで、すぐに五条先生がこっちへ飛んできて、





五条「ひな、飲んだのか?」





と、わたしの手首を掴んでグラスを取り上げた。





ひな「ぇ、ぁ、あの……」


五条「これ飲んだのか?」


ひな「の、飲んじゃった……」


五条「はぁ!?」





わたしは手首を掴まれたまま、引きずられるようにリビングへ。

そして、お尻が跳ねるような勢いでソファーに座らされた。





五条「なに考えてんだ!!なんで飲んだんだ!!!」





息つく間もなく取り調べがスタート。

ついさっき酔っ払って抱きついてきた人とは思えないほど、めちゃくちゃはっきりとした意識で怒鳴る五条先生。





ひな「ぁぁぁ、ぁの、ぶ、ぶどうジュースかと思って……」


五条「馬鹿か!!どっからどう見てもワインだろ!!ワイングラスに入ってただろが!!」





えぇ!!?そうなの!?





ひな「で、でも、おしゃれなレストランはあんなグラスでジュース出てくる……」


五条「ここは店じゃない!!だいたい、お前はりんごかオレンジしか飲まんだろ!ぶどうなんか飲んだことないもんどうして突然飲むんだ!!匂いでも酒だってすぐわかるだろ!!」





そんなこと言われても……





ひな「わ、わかんなかった……」


五条「はぁ……ったくお前はもう……。勘弁してくれ……」





一瞬で酔いなんて覚めるもんなのか、五条先生はすっかり医者の顔。

そして、他の先生たちもお酒なんて飲んでなかったみたいに、みんな医者の顔になってしまった。

五条先生はおでこに手を当て、神崎先生は手首を掴んで脈を取る。





五条「今どんな感じする?気持ち悪いか?クラクラするか?」


神崎「ひなちゃん、どのくらい飲んだの?」


ひな「ぇ、えっと……」


工藤「夏樹ー!ひなちゃんどのくらい飲んでた?」


夏樹「見てなかったけど2口くらいだと思う!ゴクゴクって2回喉鳴らしてた!」


宇髄「2口か……。微妙だな、ワインだからな」


藤堂「ひなちゃん、お水飲もう。なるべくたくさん飲むよ。飲めるだけ飲んで」


ひな「は、はぃ……」





先生たちに囲まれて、いろいろ質問されて、水をガブガブ飲まされて。

間違えてほんのちょっと飲んじゃっただけなのに何がなんだか。





ひな「五条先生……あの、わたし大丈夫なんですけど……」


五条「んぁ?」





ギクッ!!





うわ……、めっちゃ怒ってる……。

もうやだ……。





ひな「その、特になんともないみたいなんですけど、お酒飲むとそんなにやばいんですか……?死ぬ……とか?」


五条「それは大袈裟だ」





大袈裟って、だって先生たちが大袈裟な感じなんだもん。





藤堂「ひなちゃん、そこまで心配しなくて大丈夫。ただ、ひなちゃんの身体がどのくらいお酒に反応するかわからないから、少し様子見とこうね」





あんなちょっと飲んだだけで、さすがのわたしでもどうこうなるかな……?

口の中が渋い以外は本当になんともないんだけどな。

はぁ、もう……





ひな「なんでいつもこうなるの……」


五条「それはこっちのセリフだ。どうしてお前はいつも何かしでかすんだ……」


ひな「ご、ごめんなさぃ……」


五条「ほら、ちょっと横になってじっとしてろ」


ひな「いえ、横にならなくてもこのままで大丈夫です」


五条「お前が大丈夫で済むはずないんだから、大人しく言うことを聞く!!」





ヒィッ……





ひな「へ、平気なのに……」





と、先生たちに見守られながら、頭は強制的に五条先生の膝の上へ。



けれど……


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