ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

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オープンキャンパス③

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五条「……大丈夫か?」


ひな「大丈夫です……」





少しして涙が上がってくると、五条先生はわたしの体を離して涙を拭いてくれた。





藤堂「はい、ひなちゃん。これ飲むと落ち着くよ」





と、藤堂先生が置いてくれたのは、はちみつ入りのカモミールティー。

去年、お母さんがお土産で持って来てくれてから気に入ってて、家にたくさんストックしてある。

わたしが五条先生の胸で泣いてる間に、藤堂先生が作ってくれてたみたい。





ひな「ありがとうございます……グスン」





と、鼻をすすりながらひと口。





ひな「おいしい……」


藤堂「メロンパンも温め直したよ」





と言われて、残ってたメロンパンにパクッ……と。





ひな「……おいひぃ。グスン」


五条「メロンパン食べるときだけはひと口がでかいな。喉詰めるぞ」


ひな「らぃじょーぶ」


藤堂「ははっ。ちゃんと噛んで食べるんだよ」





コクッと頷いてまたひと口。

泣いた後って、なんだか次から次へと口へ運んでしまう。

まだ少し詰まった鼻でも、いつも以上に美味しく感じる。

それに、やっぱり食べるというのは、幸せな気持ちになって元気も出るから、心もどんどん晴れてくる。





ひな「五条先生、藤堂先生……」


五条「ん?」


藤堂「どうしたの?」


ひな「やっぱりわたし……というか本当は。ノワール医大に行きたいです」


五条「あぁ。もちろん行ったらいい。ひななら入れる」


ひな「でも、もし失敗したらどうしよう。手術、麻酔から目が覚めずに死んじゃうかも……」


藤堂「ひなちゃん、そんなこと言わないの」


五条「馬鹿か。失敗するわけないだろ」


ひな「わたしが馬鹿はその通りだけど、失敗はするかもしれないじゃん……」


五条「あのなぁ。ひなの心臓は工藤先生が治してくれるんだ。工藤先生が失敗すると思うか?」


ひな「そうじゃないけど……」


五条「いいか?工藤先生は絶対失敗しない。というか、俺たちは失敗したことない」





……っ。

な、なんか突然自信過剰な発言……





ひな「そんな自信満々で言われても」


五条「自信じゃなくで事実だ。そんなこと言って覚えとけよ?医者になったら、俺や先生たちの執刀記録見てみろ。ビビるぞ」





うっ……

そのビビるぞって言ってる目がもうすでにビビるんだけど……





ひな「わ、わかりました。先生たちのこと信じますっ」





と、メロンパンの最後のひと口を放り込んだ。


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