206 / 262
2度目の誕生日プレゼント②
しおりを挟むそして、その夜。
藤堂「うん、いいよ。胸の音綺麗になったね。何か自分で気になることはない?」
ひな「はい、大丈夫です」
藤堂「うん、ありがとう。そしたら、また明日の朝に来るね。お休み」
ひな「ありがとうございました。おやすみなさい」
夕食を食べ、藤堂先生の診察を終え、寝るには少し早いかなとスマホをいじいじ。
していると……
コンコンコン——
五条「ひな」
五条先生が来てくれた。
ひな「五条先生!お疲れ様です。お仕事終わりですか?」
五条「あぁ、今日はもう上がったぞ。昼間は途中で悪かったな。ひなはまだ起きてたか」
言いながら、五条先生は白衣を脱いで椅子に腰掛ける。
白衣の下はスクラブだけど、冬の間はその下に薄手の長袖を着ていることも多い。
そして、長袖の時は大抵腕まくりをしているから、
腕まくりした腕かっこいいな~。
って、いつも見てたんだけど、今日はスクラブだけ。
久しぶりにたくましい二の腕が露わになって、やっぱり全部見えるのもいいな……と、少しドキッとする。
ひな「はい。藤堂先生の診察が早めに終わったので、眠たくなるまで起きてようと」
五条「それでずっとスマホ触ってたのか?余計眠れなくなるぞ。夜は見ないようにしないと」
ひな「はーい」
五条先生が来たから、暇潰しのスマホは用済み。
機嫌よく返事をして、わたしはスマホを棚に置いた。
すると……
五条「そっち座っていいか?」
ひな「え?」
五条「ひなの隣、座っても?」
ひな「あ、はいっ……//」
五条先生はベッドに深く腰掛けて、わたしを横からぎゅっと抱き締めた。
そして、
五条「お誕生日おめでとう」
優しく落ち着いた声をわたしの耳に響かせた。
ひな「ご、五条先生……?」
五条「昼間はゆっくり言えなかったから。2人きりでちゃんと伝えたくて。人生の節目の20才は、波瀾万丈だったな。この1年、辛いことの方が多かっただろ。でも、本当によく頑張った。21歳、おめでとう」
ひな「五条先生……」
思えば、去年の今日は最高の20代のスタートだった。
五条先生と旅行に行って幸せに満たされて、身体も元気で順風満帆な日々を送っていた。
けれども、それが一転。
後半は何もかもが最悪。
天国と地獄を味わった、本当に波瀾万丈の1年だった。
ひな「ありがとうございます、うれしいです……。五条先生がこうしてそばにいてくれて、幸せなお誕生日です」
五条「俺も。こうしてひなのそばにいられて嬉しいよ」
そう言って、五条先生はわたしのおでこにキスをする。
ひな「ご、五条先生……っ///」
五条「なに、またこのくらいで顔真っ赤にして」
ひな「だ、だって……//」
五条「ずーっとご無沙汰だからか?」
ひな「ご無沙汰?……って??」
言うと今度は、
!!?
ひな「んっ……」
唇にキスをされた。
五条「ひなとエッチ。しばらく出来てないだろ?そういうこと」
っ……/////
唇を離した五条先生は、わたしと鼻先をくっつけたまま言ってくる。
言われてることもされてることも恥ずかしくて恥ずかしくて、自分の顔がカァーッと熱い。
五条「ひな覚えてるか?ひなと初めてキスしたの、去年の誕生日だぞ」
そんなの、もちろん覚えてるに決まってる。
去年の今頃は、ベッドの上で五条先生に押し倒されて、キスされて、それから……
五条「初めてのエッチもしたな。あれからもう1年経って、しばらくしてなかったにせよ、入院前は家でキスもエッチもしてたのに。すっかり大人になったと思ったけど、恥ずかしがり屋のひなはまだまだお子様か」
そう言って、チュッと音を立てて、わざとらしくキスする五条先生に、
ひな「こ、こういうの久しぶりだったから……っ。それに、五条先生がかっこいいから、いつもドドッ、ドキドキしちゃうだけで。今日で21歳だし、もう大人ですよ……っ」
と言うと、
五条「……ひな。大人ならわかるだろ?大好きな可愛い彼女を前にして、男が理性を保つのがどれだけ大変か。サラッとそんな興奮させるようなこと言って、今ここで襲われたいのか……?」
えぇっ!?
ひな「なっ……!いや、あの、違っ……!そんなつもりじゃっ……!」
五条「ははっ、冗談だ。でも、ひなと早くイチャイチャしたいのは確かだからな。退院したら、覚えとけよ?」
そう言って、五条先生にまたぎゅっとされ、五条先生の匂いもするし、心臓の音も聞こえるし、
こんなの、どれだけ大人になってもドキドキしない方がおかしいよ……//
慣れるわけないじゃん……っ。
なんて思っていたら、
五条「ひな?俺、ひなにおめでとうって言いに来ただけじゃないだ」
ひな「えっ?」
最初におめでとうって言ってくれた時みたいに、急に真面目な感じになり、
五条「誕生日プレゼント。まだ渡してなかっただろ」
そう言って、五条先生はいつから手に持っていたのか、小さな長細い箱をわたしの目の前に。
ひな「えっ……?でも、今日はもうケーキもらったのに……」
五条「ケーキは先生方からだ。俺は何もしてないから、これが俺からの誕生日プレゼント。ほら」
と、その箱を手の上に乗せられて、
五条「開けてごらん」
五条先生からのお誕生日プレゼント。
箱の中に何が入っているのか、箱の形で何となくわかる。
そして、その予想が正しければ、これは人生で初めてもらう憧れのもの。
リボンを解き、箱を開け、和紙のような薄紙をそーっと捲ると……
ひな「わぁ……」
思った通り。
箱の中には、綺麗なネックレスが入っていた。
ひな「かわいい……すごく綺麗……」
ピンクゴールドの華奢なチェーンに、ダイヤモンドの粒が3つ並んだネックレス。
箱から出してみると、光に当たってダイヤモンドがキラリと……
ん?
あれ、このネックレスって……
キラリと輝くダイヤモンド。
ダイヤモンドはどれもキラキラするものだけど、どうしてだろう。
初めてもらうはずのネックレスなのに、どこかで見たことある気がする。
そう思うと同時に、
五条「ひな」
声をかけられ五条先生を見ると、
五条「見覚えないか?」
って、心を読んだみたいに五条先生が。
ひな「これ…………も、もしかして……っ。でもどうして……」
恐らく、いや、間違いなく。
この3つ並ぶダイヤモンドは、20才の誕生日に五条先生がプレゼントしてくれたブレスレットのもの。
あの大切なブレスレットは、事故で失くしたんだと思ってた。
目が覚めて、色々あって元気になって、手首につけてたブレスレットがどこにもないことに気づいたけれど、事故に遭った時に失くしたんだろうと。
そして、五条先生にはそのことを言えないでいた。
五条「実はな、事故の時に藤堂先生が拾ってくれてたんだ」
ひな「藤堂先生が……?」
五条「あぁ。ひなが倒れてた近くに落ちてたって、後で俺に渡してくれた」
ひな「そうだったんですね……」
五条「チェーンは切れてたけど、さすが、ダイヤモンドは無傷でな。だから、それをペンダントトップにして、ネックレスに作り変えてもらった」
そう言って、わたしの手からネックレスを取ると、五条先生は首につけてくれた。
五条「ん。綺麗だ。よく似合ってる」
ひな「五条先生……」
ポタッ……ポタッ……
涙が出るのはいつぶりだろう。
ここのところは泣くようなことなんてなかったから、久しぶりに頬を涙が伝い落ちた。
五条「なんで泣くんだ……」
五条先生が少し驚いて、わたしの頬を親指で拭う。
ひな「わたし、五条先生にもらった大事なブレスレット、一生の宝物なのに失くしちゃって……事故の後、ブレスレットが無いってことは気がついたんです。でも、五条先生にずっと言えなくて。謝らなきゃいけなかったのに、失くしたなんて聞いたら五条先生どう思うだろうって、黙ってたんです……グスン」
五条「ひな……。それくらい大切にしてくれてたんだな。毎日付けてくれてたもんな。それだけで俺は嬉しいから、こういうことがあっても思い詰めなくていいんだぞ。それに、今回はちゃんと見つかって、今こうしてひなの手元に戻ってきたんだから。泣かなくて大丈夫だ」
そう言って、五条先生はわたしをぎゅっと包み込んでくれる。
ひな「五条先生、ありがとうございます……こんな素敵なプレゼント、今度こそ失くさないように大切にします……本当に嬉しいです。グスン」
五条「気に入ってもらえてよかった。ひなが喜んでくれて俺も嬉しい。でも、涙はもう止められるか?誕生日なのに、俺いつもひなのこと泣かせちゃうな」
ひな「違うんです。うれしくて、幸せだから涙が出るんです……」
五条「わかってるよ。ありがとう。でも、あんまり泣くと疲れてしんどくなっちゃうから。な?よし、じゃあそろそろ寝るか」
そう言って、五条先生はネックレスを外してくれて、丁寧に箱の中へしまうと、
五条「おやすみ、ひな。寝るまでここにいるから、目閉じてごらん」
おでこにおやすみのキスをして、眠りにつくまで優しく頭を撫でてくれた。
25
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
朔望大学医学部付属病院/ White Dictator
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
White Dictator______通称:『白衣の独裁者』
<ホワイト・ディクテイター>
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
圧倒的な「実力」と「技術」で捩じ伏せ・現場を支配する凄腕たち。
___ ごく僅かな一瞬の隙も逃さない神手の集まり。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる