りさと3人のDoctors

はな

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治療のはじまり

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そして夕方、学校が終わったりさは、蒼の診察室に向かった。





コンコンコン——





蒼「おぉ、りさ。おかえり」


りさ「ただいま」


蒼「疲れてない?大丈夫?」


りさ「うん。大丈夫」





ニコッと微笑むりさの目には、朝と同じ、不安の色が浮かんでいる。





蒼「そしたら、まずは治療の説明をするんだけど……蓮も呼ぶからちょっと待ってて」


りさ「うん」





少し待つと、蓮がやってきた。





蓮「りさおかえりっ。あ!やっと新しい制服姿見れたよ~。リボンからネクタイになったんだ、かわいい~」


りさ「へへっ。にぃにありがとう」





蓮は最近病院にこもっていたので、高校生になったりさの制服姿をまだ見てなかった。

相変わらず調子のいい蓮に、りさの肩の力も少しだけ抜ける。





蓮「よし。じゃあ説明はじめようかっ」


りさ「はい……」





蓮「それじゃ、手術の時に説明したこともあるけど、確認のために一から説明するね。まず、りさの処女膜はもともと塞がってたんだけど、手術で指一本分くらいの穴をあけたんだ。これで生理は問題なく来るようになったよね?」


りさ「うん」


蓮「だけど、問題はそれだけじゃなくて、りさの処女膜はもともと厚くて硬いから、放っておくと塞がってくる可能性もある。そうならないように、定期的にほぐす必要があるよ」


りさ「ここまでの話は、わたしちゃんと覚えてるよ」


蓮「そっか。えらいねりさ」





蓮はにっこり微笑むと、また真剣な顔に戻った。





蓮「じゃあ、次は具体的な治療の中身について。どんな治療をするかというと、りさの膣に指を入れて、処女膜を広げるようにほぐしていくよ。指が2本入るようになるまで頑張って、最終的には、りさがひとりで機械を入れられるようになるところまでいけたらいいかな。りさ、どう?だいたいわかった?」


りさ「うん……」


蓮「治療は週に一回。治療はにぃにじゃなくてもできるから、基本的には蒼兄にしてもらうよ」


りさ「はい……」


蓮「説明は終わりだけど、なにか聞いておきたいことある?」


りさ「……治療って痛いよね?」


蓮「そうだな……はじめは痛いかもしれないけど、蒼兄は優しくやってくれるからきっと大丈夫。それに、頑張って治療を続けて慣れてくれば痛みはなくなって、むしろ気持ちよくなってくるはずだしね」





と、蓮は意味深な笑みを浮かべる。





りさ「……どういうこと?」





"蓮……"

蒼は余計なことを言うなと言わんばかりに、蓮を睨んだ。





蒼「りさ、そしたらさっそくだけど、治療していこうか。蓮、ありがとな」





蒼はりさが蓮の言葉にこれ以上興味を持たないよう、奥の治療室へ連れて行った。

りさは蓮の言葉がなんとなく引っかかるが、そこまでの意味はまだわからなかったので、気にせず蒼について行った。



治療室に入ると、普通のベッドに動くベッド、超音波や胃カメラの機械、いろんなものが目に飛び込んできて、りさはいよいよ緊張してきた。





蒼「そしたら、ここにパンツを脱いで、スカートはどっちでもいいよ。こっちのベッドに座って待っててね。先生、あっち行ってるから準備できたら呼んで」


りさ「はい……」





りさは蒼に言われたとおりパンツを脱ぎ、ベッドに置いてあったタオルケットをかけて座った。





りさ「先生……」


蒼「お、準備できた?よし、そしたらベッド動かすね」





蒼がスイッチを押すと、ベッドが高く上がり背もたれが倒れていく。

そしてもちろん、脚は勝手に開いく。

りさはタオルが脚から落ちないように、必死に掴んでいた。



ベッドが止まると、蒼はパチパチと手袋をはめて準備をした。

りさは不安と恥ずかしさに駆られる。





蒼「そしたら始めるよ。ちょっとごめんね」


蓮「やっ……」





蒼がタオルケットを捲ろうとすると、りさはそれを阻止する。





蒼「りさ、隠したらできないよ」


りさ「だって、は、恥ずかしい……」


蒼「大丈夫。恥ずかしかったら目瞑ってていいから」





そう言って、蒼はさっとタオルを捲り上げ、りさはぎゅっと目を瞑った。





蒼「今日は初めてだから、まずはどこまで指が入るか確認するね。ゆっくりするから、力抜いててな」





りさが頷くと、蒼はゆっくりとりさの処女膜に指を沈めていった。



ビクッ……



りさは蒼の指が触れると、身体をビクッと震わせた。





蒼「りさ、大丈夫だよ。痛かったらすぐ止めるから、ふぅ~って息吐いててごらん」





と言うと、蒼は少しずつ指を沈めていく。





りさ「ふぅ~……んっ……んんっ」





蒼の指の第一関節まで入ったところで、りさは少し顔を歪ませた。





蒼「りさ、痛い?」


りさ「……っん……ぃ、いたぃ……」





りさはタオルをぎゅっと握りしめ、閉じた目の隙間にうっすら目に涙を浮かべる。





蒼「痛いか……。一回抜くからね」





蒼はそっと指を引き抜いた。





蒼「りさ、ちょっと痛かったな。ごめんな。今ね、第一関節まで入ったよ」


りさ「まだ、それだけ……?」





こんなに痛いのに……。



りさはこれから先が真っ暗になったようで、目からスーッと涙をこぼす。

そんなりさの涙を、先生は手を伸ばしてそっと拭った。





蒼「りさ大丈夫だよ。なるべく痛くないように、ゆっくり時間かけてやってくからな。今日はちょっとだけほぐしたら終わりにしよう」


りさ「ぅん……」


蒼「そしたら、もう一回さっき入れたところまで入れて、少し動かしてみるからね。力抜いて~、そう」





蒼は第一関節まで指を入れると、今度は円を描くようにりさの処女膜を広げていった。





りさ「んんっ……ぃ……いたいっ……せんせ、ぃ……痛い……」


蒼「ごめんな、りさ。もうちょっとだけ我慢してみよう。あと1分だけな」





りさはタオルを握りしめ、涙を流しながら必死に痛みに耐えていた。










1分後、約束通り今日の治療は終わった。





蒼「りさ、よく頑張ったよ。もう終わりだからね」


りさ「うぅ……先生、もうやりたくない……」


蒼「ごめんな……」





蒼は申し訳なさそうな顔をして、りさの頭を撫でる。



少しして、りさはヒリヒリする股をかばうように着替えを済ませ、診察室へ戻った。





りさ「先生……今日の治療これから毎週するの……?痛いのやりたくないよ……ぐすん」


蒼「先生もやりたくないのわかってるし、できることなら痛い思いさせたくないんだけど、りさのためにやらなきゃダメなんだ」





そう言って、蒼はりさを抱きしめると、りさは蒼の腕の中で泣いた。





蒼「りさ、家に帰ったらゆっくり休みなね。先生今日は帰れないけど、豪が一緒に帰ってくれるからな」


りさ「うん……わかった」










***



豪「りさ、大丈夫か?」


りさ「……」





治療後の家までの帰り道、豪がりさに声をかけるが、りさは一言も話さなかった。

夕食も考え事をしているような、どこか遠い目をして食べていて、豪はそんなりさを心配していた。










コンコンコン——





りさ「はい……」


豪「まだ起きてたか」


りさ「豪先生……」





りさの部屋にきた豪は、りさの隣に腰掛けると、そっとりさの手をとって握った。





豪「りさ、大丈夫か?今日のつらかったか?」





クールな顔して、その声や手は優しく包み込んでくれる。

りさはまた涙を流した。





りさ「痛かった……。まだちょっとだけヒリヒリするし、あんなのこれから毎週するなんて……」


豪「そうだな……最初はつらいかもな。でも、頑張れば段々痛みはなくなるから、むしろ……いや、まぁそれまでは少しずつ頑張るしかないな」


りさ「うん……やらなきゃいけないのはわかってる。わたしのためなんだもんね……」


豪「りさ、疲れただろ?もう横になりな」


りさ「うん……。豪先生、寝るまでこのまま手繋いでて……」





りさが甘えるのは不安な時やつらい時。

それにしても、豪に甘えるなんて珍しいのでよっぽどなのだろう。

豪はりさが眠るまで、手を握って頭を撫でていた。










そして、次の週もその次の週も、りさは治療を受けた。

毎回痛くて泣きながら頑張るも、まだ指一本は入らない。


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