可愛がってあげたい、強がりなきみを。 ~国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます~

泉南佳那

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第3章 気持ち、あふれて

5

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 ううん、期待したと言ったほうが正解かもしれない。

 結局、彼が何も言わずにバイバイと手を振ったとき、肩透かしを食らったような気持ちになった。

 自分の気持ちを掘り下げるまでもない。

 もうすっかり、宗介さんに心を奪われていた。
 ずぶずぶと、深い沼に足を踏み入れていた。

 なにしろ……
 日本のみならず各国の女性を蕩かす魅力の持ち主なのだ、彼は。

 その彼に優しく接してもらって、好きにならないでいるなんてとても無理な話だった。

 しかも、数回、食事を一緒にしているうちに、外見だけでなく中身もすてきな人だと知ってしまったわけだし。

 でも、さっき。
 もし誘われていたら、わたしはどう答えたのだろう。

 彼は芸能人。しかも人気絶頂の。

 そんな人と付き合うなんて、そもそも無理なんじゃない? どう考えても。

 家に帰っても気持ちが落ち着かず、無駄だと思いつつ「芸能人と付き合った人」の体験談をネット検索してみたけれど、参考になるようなものは見つからなかった。

 けれど……
 それから数日が過ぎ、彼に告白されたら……などという、大それた考えは、完全な取り越し苦労だったことはすぐにわかった。

 あの日を境に、島内兄弟からの誘いは、パタっと途絶えた。

 いつもと違うと思った宗介さんの態度には、何の意味もなかったわけで、単なる思いこみに過ぎなかったのだ。
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