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本編
助っ人登場!!
しおりを挟む「え?!リーゼル先生?!」
「ロゼ……セルジュ様!!その乱れた格好はどうなさったのですか?!」
学校の武具保管庫へ行ったら、何故だか家庭教師のジョアンナ・リーゼル先生が居りました。
なんで??
「まさかこの学校のクソガキ共に手を出されたのですか?!!くっ……!私のセルジュ様になんて事を!!今すぐ血祭りにしてやるわ……!!」
リーゼル先生?!
なんか家庭教師をしてくれていた時と人格変わってませんか?!
私、別に先生のものじゃないんですけど!!血祭りとか怖いから!!!
暴力駄目!!絶対!!!
「ち、違うんです!ちょっと同級生とふざけてしまっただけなんです!!それよりも、リーゼル先生は何故ここに?」
「あら?そうでございましたか。私ったらつい早とちりを…………。ちょっと待って。同級生の女の子達とセルジュ様がふざけあってくんずほぐれつ……?!ぐふっ!!なんてオイシイ図なの?!」
美味しいず??
なんで最初は男の子達にやられたのか、みたいな感じだったのに、同級生と言ったら女の子達だと思ったんだろ?
「??あの、リーゼル先生?」
「ハッ!私とした事が取り乱しまして!!ええと、私がここに居る理由は、奥様から聞いていらっしゃらないのですか?」
「あ、ハイ……」
残念ながら何も聞いておりません……
「おかしいですね。奥様、ちゃんとバッチリ伝えてあると仰っていましたのに……」
お母様ーーーーーーーーーー?!!
まさかアレでバッチリ伝えたつもりなんですか?!私の寿命、今日だけで20年分くらい縮んだ気がしますけど!!!
「私、実は教員の資格を持っているのです。そして五大商家のひとつであるバルトフェルト家の奥様からお口添えいただき、先日よりこの学校にて実習授業の補助教員をさせてもらっています!!」
えええええええええええええええええええええええええええええ?!!
リーゼル先生、教員の資格なんて持ってたの?!だったらなんで家庭教師なんて……
「全てはセルジュ様のサポートをする為にございます。お兄様にはバレないように最善を尽くします!!!」
ああ、そうだね。
何でか途中から、家庭教師として魔法を教えてくれる以外の時間は、お兄様の専属メイドみたいになってたもんね。お兄様、なんだかんだ言ってリーゼル先生を気に入ってるみたい。美人だし、優秀だし、気に入るのも当然か。
「セルジュ様!!つい話し込んでしまいましたが、お着替えをお早く!!」
あっ!そうだった!!
早く着替えなくちゃ!!
早く早く……!
「………(じー)」
「……………………………………あの、リーゼル先生。そんなに見られていると着替え難いんですけど」
「え?!あっ、私ったらつい!!申し訳ありません!!」
「いえ……」
なんだろう。
なんか家の時と学校の時とで、リーゼル先生のイメージが全然違うんですけど…………
まぁいいや、とりあえず今は早く着替えて運動場に行かなくちゃ。
武具保管庫は第1~第3まであり、今日は第1を使わせてもらってるけど、普段第3が殆ど使用されていないらしい。なので、着替えが必要な時は毎回第3の武具保管庫を開けておいてくれるとの事。リーゼル先生には面倒をお掛けしますが、これで着替え問題は解決だね!!
……そういえば、リーゼル先生って、私が男装してる事に疑問は持たないのかな??
そんな私の考えを察したのか、リーゼル先生はポツリと呟いた。
「この国で、女が己の魔法や剣だけで生きていく事は、とても大変な事ですからね」
「…………」
……先生も、何か色々苦労したのかな。
というか、“良いこと言っちゃった“みたいな顔してるけど、なんか鼻から赤いもの垂れてますよ。
ロイといい、鼻の粘膜が弱まる風邪でも流行ってるのかな??
* * *
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