魔狩人

10月猫っこ

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血の夢

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 闇の中を、必死になって水鳥は走り続けていた。
 何かが、ずっと自分を追いかけてくる。引きはがそうにも、びったりと自分との距離を測りつつ追いかけてくるそれに、呼吸は荒くなる一方の水鳥はなりふり構っていられずにただ機械のように足を動かした。
 速く逃げなくては。
 もしも捕まってしまえば、自分は殺される。
 目の前で無残にも殺された祥のように。
 喉の奥で引きつるような悲鳴を殺し、水鳥は薄く滲む視界を追い払うように、頭を動かした。
 死にたくはない。まだ、自分にはやりたいことや、やらなければならないことがある。
 そんな思いを抱いた瞬間、目の前に血にまみれた祥の身体が現れる。
 その場に立ちすくむ水鳥を、憎しみに燃えた瞳で祥は水鳥を見つめた。
「あっ……」
 何かを言わなければ。けれど、何を言えばいいのかがまるで分からない。ただ酸素を求めるかのように、口を開閉させる水鳥に祥はゆっくりと床を這いながら近づく。
 思わず後ろに下がった水鳥の背中に、ベタリと張り付くように何かが落ちてきた。
 悲鳴を短く上げた水鳥に向かって、祥が血を吐きながら怨嗟の声を上げた。
 どうして。
 どうして助けてくれなかったの。
 どうして、あんたは生きてるの。
 どうして、あんただけ……。
 動くことを忘れ、絶叫を放つ以外の術が見つからない。
 全てから逃げ出すことが出来ず、水鳥は耳をふさいでそれ以上の言葉を聞くことを拒絶する。
 けれど、それすらも許さないかのように、祥は呪詛の言葉を次々に投げつけてくる。心が崩れ、その場にしゃがみ込んでしまう。
 壊れてしまう。
 それが答えのような感覚に陥った時、どこからか優しい声がかけられた。
「大丈夫。もう心配はないから」
 だから、安心して。
 救いを求めた水鳥の心を繋ぎ止めたのは、柔らかな少女の声だ。
 聞き覚えなど全くないその声と同時に、額に冷たい物がのせられた感触が伝わった。
 ひんやりとしたそれに、水鳥の意識が徐々に回復へと向かう。現実世界へと戻り始めれば、周囲の雑音が耳へと入ってきた。
「引きずり出せたのは『昇魔』の雑魚だけ。あそこにいるのは、そのほとんど。
 よほど頭の良い奴が隠れて行動しているとしか思えない。根城を第二校舎にしていない可能性も高い」
「長期戦覚悟だな。今日の一件で、奴らもこちらの見方を変えてくるだろうしな」
「少なくとも、ランクEレベルでどうこう出来るとは理解したと思う」
「そうだな。
 俺達がちょこまか動いていれば、真っ先に消しに来るとは思ってたんだが」
「それをしないのは、何か理由があるということ?」
「可能性は高いな」
 そこで言葉を句切り、様子を見つめるような視線が向けられたのを感じる。
 今だぼんやりとした頭では、状況の把握が上手くとれない。それでも視線を声のする方に動かせば、安堵の声がかけられた。
「気が付いたか」
「……え?」
 何を言われたかを理解できずにいる水鳥が、額から落ちた何かを機械的に拾い上げる。 目に入ったのは、冷たく冷やされたハンカチ。誰の物なのだろう、と、薄ぼんやりと考えながら再び気配のする方向へと目線が向けられる。
 狭苦しい部屋には窓と扉以外に巨大な本棚が設置されており、どこかの準備室であろう事は察することが出来る。月の光が室内を薄明るく照らされているなか、二つの影がうっすらと水鳥の視界に入った。
 一つはネクタイを緩め、だらしなくパイプ椅子に座っている榊北斗。もう一つは、男子の制服を着込んだ華奢な少女。
 ゆっくりと起き上がり、周囲を見回して場所を確認する。薄汚れた天井や部屋の壁を全て占領する本棚。ぎっしりと棚に収められている本やバインダー類は、日本史に必要な文献が揃っておりここがどこなのかを教えていた。
 小さなソファーの上で寝せられていた水鳥が、掛けられていた上着に目を落とす。誰のだろうと思いながらも、それをきちんと畳んでいく最中に胸ポケットに入っていた手帳が軽い音を立てて床に落ちた。
 慌ててそれを拾い上げ、手帳の裏面を見る。
 学園の生徒であることを証明する文章の近くには、無表情の榊里留の写真が貼られている。
 慌てて里留の姿を探すが、この狭い室内に彼の姿はない。
 どうしたものかと途方に暮れている水鳥に近づき、北斗はその上着を手に取るとひょいっと少女に投げ渡した。
「ほらよ、亜里沙」
「人の物を投げるのは、感心しない行為だけど」
「かたっくるしいのは無しだろうが」
 ぽんぽんとやり取りされる二人の会話に口を挟むことも出来ず、水鳥はただ呆然とそれらを眺めているが、小さく首をかしげざる得ない状況なのは変わらずだ。
 そういえば、と先程の北斗の言葉を思い出す。彼は『里留』を呼ばずに、聞き慣れない名前、『亜里沙』と呼んでいた。
 名を呼ばれたことに不快感を示しつつも、亜里沙は器用に空中で上着をキャッチし、それを側のパイプ椅子の背に乗せた。
 肩の周辺で三つ編みを編み込み、後は後ろに流している黒く長い黒髪と、目鼻立ちの整った、それこそ間違いなく美少女と認定できるのだが、拒絶するような冷たい雰囲気が身を包んでいる為に近寄る事に躊躇してしまう。
 榊里留と似た点を上げるとするならば、纏う空気と整った容貌といったところだろうか。何よりも男と女という性別の違いから、彼女が榊里留だとは思えない。
 そんな水鳥の表情を見ても、少女の顔は冷ややかなままだ。やがて、水鳥の視線が鬱陶しくなったのか、少女は北斗に苦言を漏らした。
「目くらましを解かなくても良かったんじゃないの」
「これ以上霊力使いすぎれば肝心な時にミスる可能性があるだろうが」
「たかだか姿を変えるだけの術に、それほど大きな霊力を使う必要はないわ」
「へいへい、そうですか」
 投げやりな北斗の言葉に少女の瞳の奥に険しい光が宿るが、すぐにそれは消え去りちらりと水鳥に目を向ける。
 どきりと心臓が跳ね上がり、水鳥は少女の瞳を見返す。と同時に、何とはなくではあるが納得も出来てしまっていた。
「えっと……」
 目の前で佇んでいる少女は、確かに『榊里留』だ。同じクラスだから、というわけでは無いが、人を拒絶するその仕草や表情は里留が常に身に置いているものと同じ物だとすんなり理解できてしまう。
 だが、それは理性の一部が判断したことだ。まだ混乱のただ中にあり、素直に納得してしまえ、と言うには少々時間が足りない。姿を変える、と言っても、常識ではあり得ない現象に、騙されているのでは、と勘ぐってしまうのも仕方のないことだろう。
 しばらくの間―とはいえそれはさほどの時を要してはいないのだが―考え込んでいた水鳥は、恐る恐る少女に声をかけた。
「えっと、榊、くん」
 たどたどしくなってしまったのは、この場合仕方のないことだろう。それを聞いた少女が深く溜息を吐いたが、それは何も水鳥だけのせいだとは思えなかった。
八頭やず亜里沙」
「え?」
「それが本当の名前」
 本名を名乗ったのは、これ以上偽名で呼び続けられるのも腹立たしく、鬱陶しい物だと判断したのだろう。
 若干遅れて、水鳥が大きく眼を瞬かせた後、え、と間の抜けた声を漏らす。
 理解しようにも、全て事が水鳥の中で消化できるはずもなく、ただ意味もなく口を開閉させて北斗と亜里沙とを交互に見る。
 そんな水鳥の反応に、不機嫌そうな表情を一瞬浮かべたたが、直ぐさま感情の一切を排除した顔を亜里沙はみせる。それとは対照的に、北斗は可笑しさを隠すのに必死になって口元を押さえ付けていたが、説明役はお前だという亜里沙の視線に両手を挙げて答えた。
「俺達は兄弟じゃない。榊里留は、そこにいる八頭亜里沙が化けた姿だ」
「化ける、ですか?」
「まぁ、単にそう見えるように姿を弄くっただけだけどな」
 理論的に説明されても分からないだろう、と、確認に近い問いかけに、水鳥は大きく頭を上下に動かす。
 何故自分がここにいるのかが分からず、水鳥が記憶をたどろうとした瞬間目の前が赤く染まった。
「っ!祥は!」
 ここにいない友人の名を叫ぶようにして尋ねたのは、無事だと二人の口から聞きたかったからに他ならない。あれは夢で、自分はただ倒れてここに運ばれたのだと、そう言って欲しかっただけだ。
 だが、水鳥へと向けられた二対の瞳は、水鳥の期待と願いを裏切りひどく暗い色が落ちた。
「すまない」
 そう北斗に言われ、水鳥の身体から力が抜け落ちる。
「……あれは、夢じゃ、なかったんですね」
 自分が放った声だというのに、それすらもが実感として持てることが出来ない。機械的に唇が動き、ただ言葉を綴っただけだ。
 あれが夢ではないと、分かりきってはいた。けれども、感情があれを夢だと思い込もうとしていた。それが一縷の望みだった。
 けれど……。
 最後に見つめた、ガラス玉のような祥の瞳。
 どうして、と疑問に溢れたその眼は、雄弁に水鳥を責めていた。何故自分だけが死ななければならないのかと、答えることの出来ない光に溢れた祥の両目が、水鳥の頭の中にまざまざと思い出される。
 いつの間にか、眦から溢れた涙がぼたぼたと手の甲に落ちていく。
「あたし……」
 なんで、とこぼれた水鳥の呟きは、目の前の二人が答えを持っているはずもない物だ。
 今は何を言っても仕方がないと分かっているのだろう。北斗と亜里沙は沈黙で水鳥を包み、感情が落ち着くのを待つように視線を向けていたが、ふと亜里沙が冷ややかな声で語りかける。
「彼女のようにならなかっただけでも、幸運だと思うのね」
「亜里沙!」
 きつい口調で北斗が亜里沙の名を呼び、ゆっくりと水鳥が亜里沙へと顔を向けた。
 底光りせんばかりの険し目線で亜里沙を見つめる水鳥だが、それを気にすることもなく亜里沙は当然のように言を綴る。
「奴らに狙われて死ななかったのは、幸運だと言っているのよ。普通なら、彼女のようになるのが」
 パン、と鋭い音が亜里沙の頬から上がった。
 一瞬のうちに立ち上がった水鳥が、力任せに亜里沙の頬を叩きつけ、そのままその身体を突き飛ばすように腕を突っぱねる。
 けれど、その力は弱かったのだろう。痛みに顔を歪めることも、水鳥の暴挙を咎めることもなく、亜里沙は感情の読めない表情で水鳥を見つめた。
 怒りをかき立てるだけの亜里沙の行動に、深々とした溜息が北斗の口から吐き出され、嫌々ながら亜里沙の肩を掴んで水鳥から遠ざけると、それ以上亜里沙を水鳥から見せないように佇み謝罪を述べた。
「すまないな。
 こいつはこんないい方しか出来ないんだ。許せとは言わないが、亜里沙の言っていることも事実だと理解してくれると有り難いんだけどな」
「事実、ですか……」
 死ななかったことが幸運だというのならば、死んでしまった祥と自分との差はどこにあるのだというのだろう。
 それを理解しているのか、北斗が真剣な表情で頷いてみせる。
「運不運の問題、ってのはこんな現場じゃ良くあることだ。むしろ、俺達みたいな連中からすれば、これが一般的な見解だ。
 奴らの好物か否か、ってのも口の悪い奴は言い切ってるしな。まぁ、それが嫌ないい方だってのは否定しないが」
「そんな事で、助かったって言うんですか、あたしは……」
「単純なことだけど、生きているのは事実よ」
「亜里沙、お前は少し黙っとけ」
 これ以上追い詰めるようなことを言うな、と、北斗はちらりと亜里沙に一瞥をくれる際に表情に込める。
 北斗の背中に隠れてしまった亜里沙の顔は分からないが、先程から彼女は事実しか言葉にしていない事に、今更ながら水鳥は気付いてしまう。
 嘘や偽りの類いを口にされれば、後から水鳥が後悔すると思っているのだろうか。それとも、彼女なりの誠実さと思わなければいけないのだろうか。
 唇をかみしめ、水鳥は床に視線を向けた。
 現実が、重い。
 生きていることが実感出来るのは、あの時の祥の瞳を覚えているからだ。
 許さないという意思に溢れた瞳。それは、背筋を寒くさせるほどの力を持ち、自分だけが殺されなかった事実を押しつける。
 もっと早くこの二人が駆けつけていてくれれば、祥は助かったのだろうか。
 そんなたれ、れば等を今語った所で、事実は覆らない。だが、それでもそんな考えが水鳥の頭の中に浮かぶ。
「あたし……」
 どうしたらいいんでしょう。
 ポツリと漏れた呟きに、北斗は困ったように水鳥を見つめる。
 今何を言った所で、水鳥は全てを否定してしまうだろう。自分を責めるしか術を持たない水鳥には、自分達の言葉は届かない。それが分かっているからこそ、北斗は何も言わずにそのまま水鳥の様子を伺うだけで行動を起こそうとはしない。
 だが、このままでいいというわけでもない。ゆっくりと北斗は水鳥に近づき、ポン、とその頭に手を置くと、言い含めるように言葉をかけた。
「もう時間もたっている。今日の所は、家に帰るんだ。言い訳やら何やらは、こちらでもフォローする。分かったな」
「はい」
「明日から少々厄介になる。それだけは、覚悟しておいてくれ」
 弾かれたように顔を上げた水鳥に、北斗は今までとは打って変わった真剣な面持ちで彼女を見つめた。
 実感はわかないまま、けれど、それでも後数時間もすれば日付が変わる。
 赤色灯の灯りが外に並んでいることからも、この件は明日登校すればすぐに水鳥の耳に入ることは間違いない。水鳥にとっては現実味のない話しであろうが、それでもそれを突きつけられる事は間違いないことなのだ。
 きつく指を握りしめる水鳥が、不安げに北斗を見上げた。
 安心させるような柔らかな笑みを浮かべた北斗に、水鳥は何も言えないままその視線をそらす。
 明日が来なければいい。
 そんな思いすらも抱くが、時計の針は容赦なく先へ先へと進んでいた。
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