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【第五話】死に隊阻止同盟(会員二人)
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次の日
今日は朝早く登校した。
雪は朝が苦手で早朝登校を誘ったら「う”~、あと三十六時間~」とか言うため置いて来た。
ちなみに早朝登校した理由は、何となく
朝は好きだ。落ち着いてて、心なしか空気もいい。
うるさくないし、自然の音も聞こえて、悪くない。
そんな気分で学校について、校舎を見ると——
「?!?!何やって——」
「うあ、あ?!桜ちゃんおはよおーーーー!!!!うぉおッ!!!」
何とそこには本当にバンジージャンプをしている美月がいた。
見渡す限りあたりには誰もいない。
でも美月は屋上から、ビョーンッ!!となっている。
あ り え な い
「まッ、待って、今行くっ!!」
走って急いで屋上へ、
扉は開いていた。
「!!律さん!」
「っ、!君はっ!」
明らかに焦っている。
ロープは屋上のどこかに巻き付いているようだったが私も焦って何に括り付けているかはわからなかった。
取り敢えず引き上げようと言ったが、流石に二人でここから引き上げるのは無理があるため、美月の横に丁度あった窓から引っ張って建物の中に入れて兎に角足を地面につけさせる。
そして、救出。
怪我はない。無傷だ。
「はぁ、ハッ、おい、大丈夫か?…死ぬ、ところだったんだぞ…」
走って来たから二人とも息が荒れていた。
「えー、でも飛び降りようとしたら勝手にロープつけたのはそっちじゃーん。しかも安全装置までつけちゃってさー、てか何で安全装置持ってんの?…ふふん、それに私、頑丈だからね、慣れてるし。今更でしょ」
「意味…わからない…」
ホント、意味がわからない。
何を自慢顔で言ってんだコイツは…
少しずつ息が整っていくのにつれて、頭も回り始める。
「んー?」
美月は私の顔を覗き込む
「?…な、何…」
「あー、ok!じゃあ改めて自己紹介!」
「はぁ?」
今この状況で、何を
「改めまして!私の名前は柊木美月。親はいいとこの人だよ!そして、死にたがりです♡殺してくれる人と心中してくれる人も募集中♡」
窓から涼しい風が吹く
「何、言って」
「…いつか説明します。…後でLINEsください…」
私は何も言えなかった。
死にたがりって何だ。殺す?心中?
理解できない。
頭がパンクしそうだ。
「ねぇ、そろそろみんな登校してくるんじゃない?私先クラス行ってるー」
「待て、」
「大丈夫だって~!今日はもう午後まで死なないからさ!」
そうやって律さんをかわし行ってしまった。
暫くの沈黙
「…今から私が喋ることは、ただの独り言です。」
律さんに目を向ける。
律さんはそのまま動かず、こちらを振り返りもせず、そのまま私の反対方向に体を向けている。
顔は、見えない。
「妹に対して罪悪感を抱えているかと聞かれたら…否定できません。」
何を考えているかわからない。
私は聞くしかなかった。
「…『生きてほしい』…これは俺のエゴであって、アイツにとって負担になるかもしれない考えだ。現に俺はアイツの生きる理由になれなかった。だからアイツは死にたがる。でも、」
手を握って、グッと力を入れているのが見えた。
「それでもたった一人の大切な妹で、生きてて欲しくて…でも……」
「…俺だけで守るには限度がある。でも、…俺が、やらなきゃいけない。でも、四六時中見張っていることはできないし、したくない。…だから、せめて一緒にいれないときだけでも、誰かが見守っててくれるなら、安心できるな、と。思い、まし——」
「…あーぁ、私もあんなの見ちゃったら、放って置けなくなるじゃんー」
わざとらしく言う。
語尾もわざとらしく伸びた。
律さんの肩が動く。
私も私で大概だ。
でも同時に、雪にもよく言われる面倒くさいの私が、人と関わることをあまりしなかった私が、ここまでの決意が胸に固まっていることに驚いた。
「…初めて、『大親友』とか言っといて、…居なくなるとか、自分勝手すぎんだろ。アイツ」
自分で出た言葉。
でも、正直死なせたくなかったとかじゃない。
生きてて、横に立って、笑ってる姿が想像できてしまったから。
「あー、今日も、高校入ってこれから先、絡まれていくんだろうなあ」って、思えてしまったから。
実感が湧いたとか、人生で初めてはっきり生きててほしいと思った人、とか、思ったとかじゃなくて、
そんなんじゃなくて、
親友という言葉だけの形に、確かに私「嬉しい」を感じた。
それがただのノリだったのかもしれないけど、確かに。私は感じたものがあった。
だから、
「大親友って、初めて、…しかも勝手に言っといてさ…でもそこまで言われちゃ、私も、なんというか…勝手に、何かにならないとな、って、思って」
親友なんでクサイこと、そんなのにはなれないけど。
これは、ただの独り言。
二人しかいない空間での、二人だけの独り言。
そして今ここに、誰にも知られず結成されたものがあった。
たった二人だけの、そして二人も知らない
死に隊阻止同盟が———
今日は朝早く登校した。
雪は朝が苦手で早朝登校を誘ったら「う”~、あと三十六時間~」とか言うため置いて来た。
ちなみに早朝登校した理由は、何となく
朝は好きだ。落ち着いてて、心なしか空気もいい。
うるさくないし、自然の音も聞こえて、悪くない。
そんな気分で学校について、校舎を見ると——
「?!?!何やって——」
「うあ、あ?!桜ちゃんおはよおーーーー!!!!うぉおッ!!!」
何とそこには本当にバンジージャンプをしている美月がいた。
見渡す限りあたりには誰もいない。
でも美月は屋上から、ビョーンッ!!となっている。
あ り え な い
「まッ、待って、今行くっ!!」
走って急いで屋上へ、
扉は開いていた。
「!!律さん!」
「っ、!君はっ!」
明らかに焦っている。
ロープは屋上のどこかに巻き付いているようだったが私も焦って何に括り付けているかはわからなかった。
取り敢えず引き上げようと言ったが、流石に二人でここから引き上げるのは無理があるため、美月の横に丁度あった窓から引っ張って建物の中に入れて兎に角足を地面につけさせる。
そして、救出。
怪我はない。無傷だ。
「はぁ、ハッ、おい、大丈夫か?…死ぬ、ところだったんだぞ…」
走って来たから二人とも息が荒れていた。
「えー、でも飛び降りようとしたら勝手にロープつけたのはそっちじゃーん。しかも安全装置までつけちゃってさー、てか何で安全装置持ってんの?…ふふん、それに私、頑丈だからね、慣れてるし。今更でしょ」
「意味…わからない…」
ホント、意味がわからない。
何を自慢顔で言ってんだコイツは…
少しずつ息が整っていくのにつれて、頭も回り始める。
「んー?」
美月は私の顔を覗き込む
「?…な、何…」
「あー、ok!じゃあ改めて自己紹介!」
「はぁ?」
今この状況で、何を
「改めまして!私の名前は柊木美月。親はいいとこの人だよ!そして、死にたがりです♡殺してくれる人と心中してくれる人も募集中♡」
窓から涼しい風が吹く
「何、言って」
「…いつか説明します。…後でLINEsください…」
私は何も言えなかった。
死にたがりって何だ。殺す?心中?
理解できない。
頭がパンクしそうだ。
「ねぇ、そろそろみんな登校してくるんじゃない?私先クラス行ってるー」
「待て、」
「大丈夫だって~!今日はもう午後まで死なないからさ!」
そうやって律さんをかわし行ってしまった。
暫くの沈黙
「…今から私が喋ることは、ただの独り言です。」
律さんに目を向ける。
律さんはそのまま動かず、こちらを振り返りもせず、そのまま私の反対方向に体を向けている。
顔は、見えない。
「妹に対して罪悪感を抱えているかと聞かれたら…否定できません。」
何を考えているかわからない。
私は聞くしかなかった。
「…『生きてほしい』…これは俺のエゴであって、アイツにとって負担になるかもしれない考えだ。現に俺はアイツの生きる理由になれなかった。だからアイツは死にたがる。でも、」
手を握って、グッと力を入れているのが見えた。
「それでもたった一人の大切な妹で、生きてて欲しくて…でも……」
「…俺だけで守るには限度がある。でも、…俺が、やらなきゃいけない。でも、四六時中見張っていることはできないし、したくない。…だから、せめて一緒にいれないときだけでも、誰かが見守っててくれるなら、安心できるな、と。思い、まし——」
「…あーぁ、私もあんなの見ちゃったら、放って置けなくなるじゃんー」
わざとらしく言う。
語尾もわざとらしく伸びた。
律さんの肩が動く。
私も私で大概だ。
でも同時に、雪にもよく言われる面倒くさいの私が、人と関わることをあまりしなかった私が、ここまでの決意が胸に固まっていることに驚いた。
「…初めて、『大親友』とか言っといて、…居なくなるとか、自分勝手すぎんだろ。アイツ」
自分で出た言葉。
でも、正直死なせたくなかったとかじゃない。
生きてて、横に立って、笑ってる姿が想像できてしまったから。
「あー、今日も、高校入ってこれから先、絡まれていくんだろうなあ」って、思えてしまったから。
実感が湧いたとか、人生で初めてはっきり生きててほしいと思った人、とか、思ったとかじゃなくて、
そんなんじゃなくて、
親友という言葉だけの形に、確かに私「嬉しい」を感じた。
それがただのノリだったのかもしれないけど、確かに。私は感じたものがあった。
だから、
「大親友って、初めて、…しかも勝手に言っといてさ…でもそこまで言われちゃ、私も、なんというか…勝手に、何かにならないとな、って、思って」
親友なんでクサイこと、そんなのにはなれないけど。
これは、ただの独り言。
二人しかいない空間での、二人だけの独り言。
そして今ここに、誰にも知られず結成されたものがあった。
たった二人だけの、そして二人も知らない
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