私を三角関係に巻き込むな〜兄の想い人は、まさかの陽キャ幽霊JK〜

Enchanter_k

文字の大きさ
2 / 17

【第一話】ウザい霊に絡まれました

しおりを挟む
 夏
 蒸し暑くて汗が伝うなか、私は家に帰らずに公園の木陰のベンチに座っていた。
 高校でも家でも居場所なんかない。
 でももう慣れた。
 私の影の中を歩く蟻をぼんやり眺めていた。
 そんなとき
「ねぇねぇキミ、何してんの?よかったら私と遊ばない!?」
 変な奴に絡まれた。
「…」
「ねえ無視!?」
 ヤバいやつ来た…、何で私ばっかり…
 それが私の第一感情だった。
「ねえねえねえねえ、莉央単語りおちゃん!」
「は?」
 そう言って顔を上げると初めて彼女の顔が見える。
 少し離れたところにいて、髪の毛は肩まで、笑顔で、紺色の冬の制服、首のワンポイントの赤いスカーフ…今は夏だぞ…
 てか、
 …服が、今の制服じゃない…?
「もう~、そんなおっかない顔してどうしたの?」
「何で名前知ってんの?」
「名札見た」
「……」
 そんな彼女はふざけていて、テンションが高い、所謂いわゆる『陽キャ』
 私とは大違いだ。
「…私たち、初対面だよね?」
「んー、まあ、そうなの、かな?」
「何その曖昧な返事…」
 そう言って私は怪訝そうな顔をする。
 でもそんなのお構いなしだった。
「じゃあこれから私たちはズッ友ってことで!」
 それを聞いて私は顔をゆっくりと下に向けた。
「言い方古っる…」
「え」
 …
 少し黙る、風が吹き抜ける。
 生暖かくて、でも何処か気持ち悪さはなかった。
「…え、そんな傷つく…?…え、ご、ごめん、大丈夫…?」
 そしてそのまま首を上げ顔を覗き込もうとすると
「ん~~辛辣ぅーー!唐揚げさん奢ってね!」
「…」
「ねえねえ莉央ちゃん、聞いて——」
「帰る」
「ちょ、置いてかないで~!!」
 夕暮れの公園、私は人生を変える出来事に出会ったのだ。

 そして、
 そんなこんなで公園のJK不審者に出会ってからはやニ週間。
 あれから私は毎日のように付き纏われてる。
 しかもこの前なんて——
 ーーー
 ーー
 ー
 私の部屋にて
「そう言えば、アンタ名前は?」
 勉強机に顔を伏せ問うた。
「あ!そうだったね、自己紹介まだだった!」
 私が顔を上げるとそこには軽く身だしなみを整えているコイツがいた。
 すると自信満々な笑みを浮かべ言った。
「我が名は、零単語れい!可愛くて~、キュートで~、トレビアンな零さんだよ!困ったら何でも聞きなさい!」
「…」
 結構真面目に聞こうとした私がバカだった。それは認めようと思った。
「あれあれ~、何その『何コイツ、キッショ、マジないわ』って顔!」
「……」
「も、もう…、大胆なんだから♡特別に他の情報も教えちゃうゾ♡」
「………」
「わ、わたしぃ、じ、実は、実は——、これでも一生懸命毎日頑張って幽霊やってます、きゃ♡」
「…………は?厨二病かよ目も当てられない」
 夏は嫌いだ。蝉はうるさいし、暑いし、…こんなのに絡まれるし。
「そ、そんな…告白だなんて♡」
 勘違いも甚だしい。
 ーーー
 ーー
 ー
 でもそれから、勝手に学校についてきたりしたこともあったけど、

「ねえねえ、この英文間違ってるよ」

 誰も見えてないし気づきもしない。
 本当に幽霊なのかもしれない。
 そして
 昼休み
 ガヤガヤとした教室。
「お前最近独り言多くない?今まで以上にキモいわーw」
 そう言いながら笑って近づいてくる男子。
 すると
「もう、ちょっと男子~!」
 零が男子の足を蹴り、
「痛った!?」
 男子は痛がった。
 周りの子がこちらを見たが、私を見た後すぐに何も無かった様に友達と話し始めていた。
 男子は「お前ついに呪いまで使えるように!?」とか言いながら去っていった。
「…はあ、」
 零が見えないからなんだろうけど、私じゃないし…
 てか呪いなんて使えるわけないじゃん。
「良いよ良いよ~、ため息いっぱい出しな~」
「何それ…っていうか幽霊なのに物理できるの?」
 すると零はキョトンとした顔をしてから笑って
「そりゃあね~、ほら、墓とかに置いてある湯呑みとか、あの変な窪み、わかる?水入れるやつ、あれとか、次行った時見ると水減ってるでしょ?」
「え、あれ蒸発したんじゃないの」
 そしたら笑顔で「んなわけ」と返された。
「意外と幽霊って色々できるんだよねー。例えば、物理干渉ON・OFできるし、壁抜けとか、長時間はキツイけどある程度の高さなら飛べる、いや、浮ける?よ!」
「…」
 本当何で私なんだろう。
 初めて出会った時も、今までコイツに会った覚えもなかったし。
 私霊感ないのに。
 こんな、うるさい死人に付き纏われるようになって…
「はぁ…」
 そして、もう今日何度目かわからないため息をついた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

哲子67歳★恋して焦げて乱れ咲き♪

obbligato
恋愛
67歳、二次元大好き独身女子のぶっとんだ恋愛劇。 ※哲子は至って真面目に恋愛しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

『床下に札束を隠す金髪悪女は、毎朝赤いマットの上で黒の下着姿で股を開く』〜ストレッチが、私の金脈〜

まさき
恋愛
毎朝六時。 黒の下着姿で、赤いヨガマットの上に脚を開く。 それが橘麗奈、二十八歳の朝の儀式。 ストレッチが終わったら、絨毯をめくる。 床下収納を開けて、封筒の束を確認する。 まだある。今日も、負けていない。 儚く見える目と、計算された貧しさで男の「守りたい」を引き出し、感情を売らずに金だけを回収してきた。 愛は演技。体は商売道具。金は成果。 ブリーチで傷んだ金髪も、柔らかく整えた体も、全部武器だ。 完璧だったはずの計算が、同じマンションに住む地味な男——青木奏の登場で、狂い始める。 奢らない。 触れない。 欲しがらない。 それでも、去らない。 武器が全部外れる相手に、麗奈は初めて「演じない自分」を見られてしまう。 赤いマットの上で、もう脚を開けなくなる朝が来るまでの話。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。

甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。 平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは── 学園一の美少女・黒瀬葵。 なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。 冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。 最初はただの勘違いだったはずの関係。 けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。 ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、 焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。

救助隊との色恋はご自由に。

すずなり。
恋愛
22歳のほたるは幼稚園の先生。訳ありな雇用形態で仕事をしている。 ある日、買い物をしていたらエレベーターに閉じ込められてしまった。 助けに来たのはエレベーターの会社の人間ではなく・・・ 香川「消防署の香川です!大丈夫ですか!?」 ほたる(消防関係の人だ・・・!) 『消防署員』には苦い思い出がある。 できれば関わりたくなかったのに、どんどん仲良くなっていく私。 しまいには・・・ 「ほたるから手を引け・・!」 「あきらめない!」 「俺とヨリを戻してくれ・・!」 「・・・・好きだ。」 「俺のものになれよ。」 みんな私の病気のことを知ったら・・・どうなるんだろう。 『俺がいるから大丈夫』 そう言ってくれるのは誰? 私はもう・・・重荷になりたくない・・・! ※お話に出てくるものは全て、想像の世界です。現実のものとは何ら関係ありません。 ※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ただただ暇つぶしにでも読んでいただけたら嬉しく思います。 すずなり。

処理中です...