私を三角関係に巻き込むな〜兄の想い人は、まさかの陽キャ幽霊JK〜

Enchanter_k

文字の大きさ
11 / 17

【第十話】友達と放課後遊び

しおりを挟む
「で、途中抜けてたけどどこ行ってたの?」
「My darlingのところ♡」
 兄のところか…と思ってハッとする。
 ノートで会話するの忘れてた。
「?莉央ちゃんどうかした?」
「い、いや‥何でもない」
 今は放課後。
 帰る時に一緒に遊びに行かないかと言われ一緒に行くことになった。
 幸いみんなの後ろの方にいたのでバレなかったようだ。ギリギリだけど。
「莉央、覚えとけよ。ここが学校の近くで一番景品が取りやすいゲーセンだ!」
「‥ゲーセン、行ったことないからわからない…」
 そもそも誰かと遊びに行くことすら初めてなのに。
 するとみんながこちらを振り返り驚いたような顔になる。
「は!?お前行ったことねーの!?」
「それは、…じゃあ今日からゲームマスターだね莉央ちゃんっ!!」
 琴音ちゃんはなぜか興奮したように言う。ゲームが好きなのだろうか。
「…どうでも良いけど、私行くなんて言ってないけど」
 二人の後ろの方にいた凛さんが言う。
 ‥私も凛さんが来る経緯見てたけど、ほぼ引っ張る形だった…
「いいじゃんかー、ほら、そんなこと言ってる間についたぞ」
 中に入る。
 結構大きめのゲームセンターで人もまあまあいる。
 混んでるかは初めてだからわからないけど…
「今日結構すいてるね」
「取り敢えずみんなで見て回ろうぜー、あ、俺今欲しいフィギュアがあって…」
 とりあえずついていく。
 何だか心がくすぐられるみたいな、未知の領域だった。
「あー、ゲーセンかぁ、懐かしいなー、また今度さっくん誘おっかな」
 兄もゲーセンに来たことがあるのだろうか。
 あまりそんなイメージないけど。
「あるよ」
 一瞬足が止まる。
「あー、心の声、キミの意思が『この考えとか見て良いよー!』ってやつなら分かるよ。でも微弱程度だけどね。全部がわかるわけじゃないけど。まあ、ココロ読むってより…波動‥的な?」
 振り向いて零を見る。
「…何その顔?!」
 そのままみんなの後を追う。
「ま、待って!何その顔?!ごめんってー!!」
 そんなこんなでクレーンゲームの前に着く。
 景品は…何か筋肉マッチョの強そうな男の人のフィギュア。
 技を出そうとしてる?
「これこれ~!見とけよ、こうやってやるんだぜ!」
 百円を入れて、クレーンが動き始める。
「莉央ちゃん、目がすごいキラキラしてる…こんな莉央ちゃん初めて見たよ…」
「(うるさい)」
 カシャ
「!?」
 横を見れば零が兄から貰ったスマホで私の写真を撮っていた。
「おー、高画質ー」
「っ…」
 スマホ結局使ってんじゃん。てかやめて、とか何とか言いかけてやめた。
 みんな見てる、あ、
「(やめて)」
 心の声で通じるかもしれない。
「えー、もう兄者に送っちゃったよ」
「は?」
 ホントに伝わったことも驚くけど、それよりも、兄に送られた事実に驚く。
「え、あ、莉央…」
 振り返る。3人がこっちを見ていた。
「お、俺が取れなかったから…?」
 目がうるうるしている。
 クレーンゲームは取れなかったのか、さっきの位置から少し斜めになって台の上にまだ乗っていた。
「ち、ちが…春太くん、」
「あーもう貸せ!」
 そこに凛さんが間に入ってきた。
 百円を入れる。
 うぃーん、と動き、機械が喋る。
「いけー!」とか、女の子の声が機械からする。
 ガタンッ
「一発…」
「流石だよ!凛ちゃん!やっぱゲームとかこういうの上手いよねっ!また今度勝負しようよ!!」
「うるせぇ…!」
 すると凛さんがこちらに振り向く。
 目が鋭い…
「あ、えっと…」
 すると他二人がニヤリと笑った。
「さーさー、莉央ちゃん何が欲しい?」
「そーそー、見てまわろーぜ、あ、リズムゲームとかもあるぜ?ここそういうのも多いから」
 背中に回ってきたかと思えば、ぐいぐいと背中を押される。
「おー、莉央びっぴ、お母さん、友達ができて嬉しいよ…ぴえんぴえん、何かあったら言って?お母さん、何でもしちゃう」
「(その母さん呼び、や め ろ)」
 その時目に入ったのは
「…あれ?莉央ちゃんあれが気になるの?」
 そこにあったのは、白いふわふわの変なマスコット。
「い、いや、そういうわけじゃ」
「凛ちゃん!」
「あーあー、うるせーうるせー」
 凛さんはそう言いながらそれに近づいていく。
「こんなの、どこがいいんだか、………ほらよ」
 そう言って不器用に片手で渡してくる。
 はやっ、すごっ、
「あ、ありがとうございます…凛さん」
「は?さん?…あ”ー、そうかよっ」
 頭を掻く凛さん。
 何か怒らせてしまったのだろうか…
「もー、莉央!同級生にはみんなにタメで良いんだぜ?」
「そうだよ、莉央ちゃん!」
「え、あ…凛、ちゃん?」
「なんだよ」
「い、いや、特に理由があったわけでは」
「じゃあ呼ぶな!」
 そう言ってどこかに行ってしまった。
「…ごめんね、何度も言うけど、良い子なんだよ」
「でもあいつ、ホーント人付き合い苦手だよなー」
「んー、それは、しかたないというか、なんというか…」
 琴音ちゃんは苦笑いする。
 すると今度は零が思い出にふけ始めた。
「懐かしいなあ…、あやちゃん思い出す…」
 誰だよあやちゃんって…
「(誰?)」
「ん?あー、あやちゃん?あーそうだなー、…友達かな?」
 ニコッと返される。
「(……その笑い方、やめろ)」
 すると微かに、本当に気のせいかもしれないが、表情が動いたような、固まったような、気が…した。
「…なんで?」
「(…なんかやだ)」
「えー、何それ」
 だって、その笑顔は、その顔は、
 どこが、遠くに行ってしまいそうだったから。
 知らない顔だったから、
 少し、怖くなった。

 そうして、初めての「友達と放課後を遊び過ごす」ということをした日堪能したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

完結‼️翡翠の歌姫は 後宮で声を隠す―2人の皇子と失われた記憶【1/23本編完結】

雪城 冴
キャラ文芸
本編完結‼️【中華サスペンス】 皇帝が隠した禁忌の秘密。 それを“思い出してはいけない少女”がいた。 「その眼で見るな――」 特殊な眼を持つ少女・翠蓮は、忌み嫌われ、村を追われた。 居場所を失った彼女が頼れたのは、歌だけ。 宮廷歌姫を目指して辿り着いた都でも、待っていたのは差別と孤立。 そんな翠蓮に近づいたのは、 危険な香りをまとう皇子と、天女のように美しいもう一人の皇子だった。 だが、その出会いをきっかけに皇位争い、皇后の執着、命を狙われる日々。 追い詰められる中で、翠蓮の忘れていた記憶が揺り動く。 かつて王家が封じた“力”とは? 翠蓮の正体とは? 声を隠して生き延びるか。 それとも、すべてを賭けて歌うのか。 運命に選ばれた少女が、最後に下す決断とは――? ※架空の中華風ファンタジーです ※アルファポリス様で先行公開しており、書き溜まったらなろう、カクヨム様に移しています ※表紙絵はAI生成

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...