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第6話:魔法より怖いのは人間
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違和感は、潜入前からあった。
非公開ルート。
管理局のデータベースには存在しないはずの入口。
だが、現地に来ると――ある。
「……なるほど」
誰かが“作った”のだ。
通路は整いすぎている。
崩落の跡も、戦闘痕もない。
だが、気配だけが多い。
俺は一歩進むごとに、警戒レベルを上げた。
案の定だ。
複数の上位個体。
明らかに配置された位置。
逃走経路は――一本。
「閉じ込める気か」
普通なら、詰みだ。
だが俺は、立ち止まった。
火球を撃たない。
まず、観測だ。
天井、壁、床。
空気の流れ。
敵の索敵範囲。
「……人間の設計だな」
ダンジョン本来の配置ではない。
効率が悪い。
つまり、目的は討伐ではなく“事故”。
背後から、悲鳴。
別のパーティが、誘導されてきたのだ。
若い。
経験不足。
「くそっ、出口が――!」
俺は舌打ちした。
「合理的じゃない」
そう呟き、動く。
火球、壁打ち。
反射熱で注意を引く。
「こっちだ! 走れ!」
一瞬の判断。
全員を救う必要はない。
死なせないだけでいい。
敵が一斉に俺へ向く。
ここからは、作業だ。
出力制限解除。
詠唱、省略。
火球ではない。
焼線。
視界を切り裂く赤い軌跡。
上位個体が、次々に崩れる。
静かになった。
救われた若者たちが、呆然としている。
「……あんた、なんで」
「偶然だ」
嘘ではない。
ここにいたのは偶然だ。
だが――
地上に戻ると、管理局から即座に連絡が来た。
「規定外の行動です」
「規定外の配置だった」
短い沈黙。
「……今後の活動について――」
「忠告しておく」
俺は言葉を切った。
「次に同じことをやれば、
事故では済まさない」
電話は、向こうから切れた。
その夜、ニュースが流れる。
《非公式ルートでの危険な探索行為――》
俺の名前は出ない。
だが、意図は分かる。
コーヒーが、やけに苦かった。
「魔法は信じない」
だが――
「人間の悪意は、統計的に再現性がある」
俺は装備を整え直す。
次からは、対モンスターではない。
理屈屋の本気は、
これからだ。
非公開ルート。
管理局のデータベースには存在しないはずの入口。
だが、現地に来ると――ある。
「……なるほど」
誰かが“作った”のだ。
通路は整いすぎている。
崩落の跡も、戦闘痕もない。
だが、気配だけが多い。
俺は一歩進むごとに、警戒レベルを上げた。
案の定だ。
複数の上位個体。
明らかに配置された位置。
逃走経路は――一本。
「閉じ込める気か」
普通なら、詰みだ。
だが俺は、立ち止まった。
火球を撃たない。
まず、観測だ。
天井、壁、床。
空気の流れ。
敵の索敵範囲。
「……人間の設計だな」
ダンジョン本来の配置ではない。
効率が悪い。
つまり、目的は討伐ではなく“事故”。
背後から、悲鳴。
別のパーティが、誘導されてきたのだ。
若い。
経験不足。
「くそっ、出口が――!」
俺は舌打ちした。
「合理的じゃない」
そう呟き、動く。
火球、壁打ち。
反射熱で注意を引く。
「こっちだ! 走れ!」
一瞬の判断。
全員を救う必要はない。
死なせないだけでいい。
敵が一斉に俺へ向く。
ここからは、作業だ。
出力制限解除。
詠唱、省略。
火球ではない。
焼線。
視界を切り裂く赤い軌跡。
上位個体が、次々に崩れる。
静かになった。
救われた若者たちが、呆然としている。
「……あんた、なんで」
「偶然だ」
嘘ではない。
ここにいたのは偶然だ。
だが――
地上に戻ると、管理局から即座に連絡が来た。
「規定外の行動です」
「規定外の配置だった」
短い沈黙。
「……今後の活動について――」
「忠告しておく」
俺は言葉を切った。
「次に同じことをやれば、
事故では済まさない」
電話は、向こうから切れた。
その夜、ニュースが流れる。
《非公式ルートでの危険な探索行為――》
俺の名前は出ない。
だが、意図は分かる。
コーヒーが、やけに苦かった。
「魔法は信じない」
だが――
「人間の悪意は、統計的に再現性がある」
俺は装備を整え直す。
次からは、対モンスターではない。
理屈屋の本気は、
これからだ。
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