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「んん、ん…」
ガバッと俺は飛び起きる。
「ここは…」
「おそらく小豆島だろう」ボスが水を滴らせながら言う。
「小豆島!?」
「ああ。目的地の鬼ヶ島より、遠くに来てしまったな」
俺の手を押しのけようとする力が伝わってきた。
見ると、キジがもがいている。
よほど力を入れていたらしい。
俺は手を広げる。
「もうなんなのよ、私のこの素晴らしい羽が折れたりしたらどうするの!」ぶつくさと文句を言われる。
「おい、モモはお前を助けたんだぞ。少しは感謝しろ」
あの、モモってなんでしょう?
キジが舌打ちをした。
「それよりこれからどうしようかな」俺がつぶやくと
「どうやってでもあそこの島へ行くしかないな」とボスが鬼ヶ島を見据えながら答える。
だんだんボスの口調が定まってきたような気がする。
空はさっきのことが嘘のように晴れ渡っている。
パシャリと音がした。
そっちを見れば、猿が一匹海に手を浸している。
顔はこちらを向いている。
警戒しているのだろう。
どっちでもいいことだ。
俺はキジに「どうして雷を耐えれたんだ?」と聞こうとして、やめた。
キジの背中のキビダンゴが眩しく光っていたからだ。
勝手にくすねやがって、器用にも背中にくくりつけたらしい。
紐は、昆布だった。
ガバッと俺は飛び起きる。
「ここは…」
「おそらく小豆島だろう」ボスが水を滴らせながら言う。
「小豆島!?」
「ああ。目的地の鬼ヶ島より、遠くに来てしまったな」
俺の手を押しのけようとする力が伝わってきた。
見ると、キジがもがいている。
よほど力を入れていたらしい。
俺は手を広げる。
「もうなんなのよ、私のこの素晴らしい羽が折れたりしたらどうするの!」ぶつくさと文句を言われる。
「おい、モモはお前を助けたんだぞ。少しは感謝しろ」
あの、モモってなんでしょう?
キジが舌打ちをした。
「それよりこれからどうしようかな」俺がつぶやくと
「どうやってでもあそこの島へ行くしかないな」とボスが鬼ヶ島を見据えながら答える。
だんだんボスの口調が定まってきたような気がする。
空はさっきのことが嘘のように晴れ渡っている。
パシャリと音がした。
そっちを見れば、猿が一匹海に手を浸している。
顔はこちらを向いている。
警戒しているのだろう。
どっちでもいいことだ。
俺はキジに「どうして雷を耐えれたんだ?」と聞こうとして、やめた。
キジの背中のキビダンゴが眩しく光っていたからだ。
勝手にくすねやがって、器用にも背中にくくりつけたらしい。
紐は、昆布だった。
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