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白いひげをフサフサと生やした男がこちらを満足そうに見ている。
俺以外にも何人か倒れているから、それだけの人が呼ばれたのだ。
「さて…お前たちはここがどこであるか、そして今から何をされるか、ということで不安をがいっぱいのことであろう!うおっほん!私がこの強大国の王である!そして君達は今から私のもとで働く臣下となる!いいか!」

当然誰も返事をしない。
「具体的に言えば…」王はひげを触った。
「あと三日後に親善試合があるのだ。そこで、国の名誉をかけて勝って欲しいと、こういうことだ。私にはよくルールがわからないのでちょいと召喚してみたのだな。えー、バスケ知ってる人、手ぇ挙げて!」

まあ誰も挙げないな。
「ふむ、我々の国もここで終わりか…」王が残念そうにつぶやく。
「ああ、残念でしたなあ…私の召喚に不備でもありましたか?」隣で若い男も嘆いている。
知るか、そんなの。
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