43 / 45
第1章
ウィル、勇者になる。
しおりを挟む
「ウィル、こっちだよ!」
グランが部屋に案内してくれる。
お祖父ちゃん達との対面が済むと、続いてカルム叔父さんの家族を紹介された。
どうやら、お祖父ちゃん達に対する俺の反応が予測できなかったらしく、まずは4人で話した方がいいという判断だったようだ。
父さんと母さんは駆け落ち結婚だ。
最初、2人のことを反対していたお祖父ちゃん達を俺が嫌っているかもしれないと思ったらしい。
だから、お祖母ちゃんは最初不安そうな顔をしていたのか。大丈夫なのにね。
叔父さんの奥さんはアリシアさんといって、可愛らしくて優しそうな人だった。
で、その二人の息子がこのグランだ。
「ここがウィルの部屋だよ。母さんが何か必要な物があったら言ってくれってさ」
グランの歯がキラリと光る。
サラサラの金髪に碧い瞳。人好きのする笑顔は爽やかで、グランは絵に描いたような王子様風貌だった。
『おお!眩すぃー!ホワイトニング!?イケメン補正!?ウィル、従兄弟なのに全然似てないね!神様の不公平を感じる瞬間って感じ?哀しいね!元気出して!』
・・・・・・。ゴトン!
「どうしたの、ウィル?剣を投げ捨てて・・・って、どうして踏むの!?」
俺が投げ捨てた剣を思い切り踏み付けようと足を上げると、グランが慌てて止めに来た。
止めないでくれ、グラン!!俺にこいつを踏み付けさせてくれ!!
父さんに貰った剣だろうが知るか!!捨ててやる!捨ててやるとも!!
『カリン様、ウィルが切れてしましましたよ。どうするつもりですか?』
『カリンママ、ポイなの~』
『ワウワウ』
俺の怒りとは裏腹に呑気な3人組の声が聞こえる。
こいつ等とも短い付き合いだったが、皆、さよならだ!あ、リクは違うか。
『え、私、ポイされるの!?・・・・そっか、じゃあ、最終手段の奥の手を使うしかないね』
意外に冷静なカリンの声音に不穏な気配を感じ取る。
な、何をする気だ?
『奥の手ですか?』
俺の不安を余所に普通に会話が続いていく。
『うん、私、剣か黄金の実の木にしか宿れないでしょ?ということは、剣が駄目ならもう木で移動する方法を考えるしかないってことだよね?』
『はい、でも、無理ではないですか?』
『そう、で、考えてみたんだけど、木の根っこを抜いて歩き回るのは、出来るかどうかは別にして現実的じゃないでしょ?』
『それは・・・魔物と間違われて討伐されそうですね』
『だから、考えたの!枝葉を伸ばして世界中を覆っちゃえば良くない?って!』
『・・・なるほど』
キリがカリンのおバカな案に頷きを返す。
キリ!なるほど、じゃないから!納得しちゃ駄目だから!
そんなことしたら、魔物を通り越して魔王だから!止めようよ!
しかし、キリもレンちゃんもリクも?止めるどころか、感心したような顔をしているではないか!
俺はここで気付いた。(気付きたくなかった!)
駄目だ・・・俺がここでこの剣を捨てたら、世界が魔王カリンに占拠されてしまう・・・と。
俺は何も言わずに剣を拾い上げ腰に戻した。
俺は世界を救ったのだ。
グランが部屋に案内してくれる。
お祖父ちゃん達との対面が済むと、続いてカルム叔父さんの家族を紹介された。
どうやら、お祖父ちゃん達に対する俺の反応が予測できなかったらしく、まずは4人で話した方がいいという判断だったようだ。
父さんと母さんは駆け落ち結婚だ。
最初、2人のことを反対していたお祖父ちゃん達を俺が嫌っているかもしれないと思ったらしい。
だから、お祖母ちゃんは最初不安そうな顔をしていたのか。大丈夫なのにね。
叔父さんの奥さんはアリシアさんといって、可愛らしくて優しそうな人だった。
で、その二人の息子がこのグランだ。
「ここがウィルの部屋だよ。母さんが何か必要な物があったら言ってくれってさ」
グランの歯がキラリと光る。
サラサラの金髪に碧い瞳。人好きのする笑顔は爽やかで、グランは絵に描いたような王子様風貌だった。
『おお!眩すぃー!ホワイトニング!?イケメン補正!?ウィル、従兄弟なのに全然似てないね!神様の不公平を感じる瞬間って感じ?哀しいね!元気出して!』
・・・・・・。ゴトン!
「どうしたの、ウィル?剣を投げ捨てて・・・って、どうして踏むの!?」
俺が投げ捨てた剣を思い切り踏み付けようと足を上げると、グランが慌てて止めに来た。
止めないでくれ、グラン!!俺にこいつを踏み付けさせてくれ!!
父さんに貰った剣だろうが知るか!!捨ててやる!捨ててやるとも!!
『カリン様、ウィルが切れてしましましたよ。どうするつもりですか?』
『カリンママ、ポイなの~』
『ワウワウ』
俺の怒りとは裏腹に呑気な3人組の声が聞こえる。
こいつ等とも短い付き合いだったが、皆、さよならだ!あ、リクは違うか。
『え、私、ポイされるの!?・・・・そっか、じゃあ、最終手段の奥の手を使うしかないね』
意外に冷静なカリンの声音に不穏な気配を感じ取る。
な、何をする気だ?
『奥の手ですか?』
俺の不安を余所に普通に会話が続いていく。
『うん、私、剣か黄金の実の木にしか宿れないでしょ?ということは、剣が駄目ならもう木で移動する方法を考えるしかないってことだよね?』
『はい、でも、無理ではないですか?』
『そう、で、考えてみたんだけど、木の根っこを抜いて歩き回るのは、出来るかどうかは別にして現実的じゃないでしょ?』
『それは・・・魔物と間違われて討伐されそうですね』
『だから、考えたの!枝葉を伸ばして世界中を覆っちゃえば良くない?って!』
『・・・なるほど』
キリがカリンのおバカな案に頷きを返す。
キリ!なるほど、じゃないから!納得しちゃ駄目だから!
そんなことしたら、魔物を通り越して魔王だから!止めようよ!
しかし、キリもレンちゃんもリクも?止めるどころか、感心したような顔をしているではないか!
俺はここで気付いた。(気付きたくなかった!)
駄目だ・・・俺がここでこの剣を捨てたら、世界が魔王カリンに占拠されてしまう・・・と。
俺は何も言わずに剣を拾い上げ腰に戻した。
俺は世界を救ったのだ。
1
あなたにおすすめの小説
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる