婚約者に言い寄る伯爵令嬢を苛めたらオカマと魔物討伐に行かされた件※若干のBL表現があります

水中 沈

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魔物討伐

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あれから数日後、私はむっとした顔で魔物に向かって攻撃魔法を放ちまくっていた。
先日のオカマコンテストの結果が未だ気に食わない訳では・・・無くも無い。

しかも、宿舎の殆どを吹き飛ばした結果、刑期が2年伸びた。
合計5年である。
淑女の私にとっての5年は長すぎる!
これじゃあ結婚も出来そうに無いじゃない!と憤っていることに間違いは無い。
けれど、私の怒りの矛先はそれだけでは無かった。

このオカマ三人は体だけじゃなくて頭も脳筋だったのである!
魔物には3つの種類があり、物理、魔法両方有効な魔物と、物理もしくは魔法のどれかが効きにくい魔物とがいる。

この国の人間は誰でも練習をすればそれなりに魔法を使う事が出来、魔法を学ぶ際、まずは教会でステータスを割り振る。
ステータスの割り振りによって、将来の職業が決まると言っても過言ではない。

物理的な攻撃力や防御力をを上げる身体強化。火・水・土・風からなる4大元素の魔法の威力を上げる魔力強化があり、将来就きたい職業によってステータスをバランスよく割り振っていく。
魔物討伐部隊で言うのであれば、様々な魔物と交戦する事を考慮して、前衛に立つ身体強化メインにステータスを振ったタンク、魔法・身体強化両方に優れた中衛剣士、後衛で魔法攻撃をする魔法使い。最低でも3種類のジョブが必要になって来る。

だと言うのにこの三人のオカマは揃いも揃って身体強化にステータスを全振りしていたのである!

初めてこの0部隊での魔物討伐依頼が入った際、どういうポジションで戦えばいいのか三人に尋ねたことがある。
自慢ではないが、学園での魔法実践の授業はトップの成績を残していた。前衛・中衛・後衛のどれでもやりきる自身がある。魔力量が多いので特に得意なのは後衛なのだけれど。
それは今は置いておくとして、

「そういえば、皆さんはいつもどのように魔物を討伐しているのか教えて貰っても良くって?」

と聞いた時、三人ともキョトンとした顔をしていたのが今も目に焼き付いている。
そしてそのキョトンとした顔のままアイリスは「作戦?そんなもの無いわよ」と言った。

「殴れば敵は死ぬ。以上よ」とジェシカはファイティングポーズを取る。

「いや!作戦くらい立てなさいよ!と言うか、まず何に置いても作戦でしょう!!?」

オカマ三人のあまりの脳筋っぷりに卒倒しそうになる。
何とか作戦を練ろうと提案するも、三人は気が乗らないと言った様子だった。

「でもねえ。私達、身体強化にステータス全振りしてるから」
「殴る以外に戦い方、無いのよねぇ」
「ねぇ」

「この脳筋どm・・・ゴホンゴホン」

いけない、私としたことが、思わずはしたない言葉使いになるところだったわ。
剣か盾の一つでも持てないのかと聞いてみたが、握力が強すぎて持ち手を握りつぶしてしまうとか。
と、まあ、こんな状態で作戦の一つも立てられそうにない。

物理攻撃が殆ど聞かないスライム状の魔物と戦う時今までどうしていたのかと尋ねた時、アイリスは悪ぶれた様子も無く、「元の形状が保てなくなるまで殴ってたわ」と言う。
スライムも物理攻撃が「効きにくい」だけで効かないわけでは無いらしい。
そうは言っても、そんな効率の悪い戦い方で良く今まで魔物討伐部隊を名乗れていたわね!と言いたくなったが、このオカマ達事、だい0部隊は月ごとに集計される部隊ごとの魔物討伐数のランキングは常に上位だと言うのだから世も末だ。

何とか私一人で作戦を立てようにも、何せオカマ三人全員前衛なのである。
必然的に私は中衛と後衛を兼業して魔法攻撃をする事となる。その為忙しい事この上ない。

「もうこうなったらヤケよ!!」

結局大した作戦も無く魔物討伐へ向かう事になった所で、冒頭の魔法を乱射している私に戻る訳なのだけれど。
群れを成してやって来る魔物に向かって一心不乱に魔法を放つ私に対して、前衛三人は私より圧倒的に少ない魔物を相手にしながらきゃきゃとはしゃいでいた。

「すごーい!!スライムが一瞬で木っ端みじんよ!」
「イザベラ、あんた結構やるわね」

ジェシカとアイリスが感嘆の声を漏らす。

「当然でしょ!フォーリー公爵家の女王様の名は伊達じゃないんだから!!」

だから貴方たちももうちょっと頑張ってよ!
と思いながら魔法を打ちまくる。
休むことなく攻撃魔法を打ち続けているものだから、流石の私でも徐々に魔力切れを起こし始めていた。
正直ちょっとキツイなと思っていると打ち損じた魔法攻撃が効きにくい魔物達が近づいてくる。

「!!」
「フン!!」

危ない!そう思った瞬間アイリスの巨体が私と魔物の間に滑り込み、魔物に拳を叩きこむ。
天高く吹き飛ばされた魔物は強かに体を打ち付けそして動かなくなった。

「イザベラに魔物は近づけさせないわよ」

危なかったわねと言いながらアイリスは私を見てバチンとウィンクを残して最前線へと戻っていく。
これがアイリスでなければ名シーンであっただろう。
それを見ていたモニカ達が魔物を殴り飛ばす手を止めてヒューヒュー!とヤジを飛ばし始める。

「格好いいわアイリス!」とモニカ、ジェシカが「あんたが男だったら惚れてたわ!!」と叫んでいる。
「ヤジを飛ばしてる暇があるなら働きなさいよ!」と私は二人に向かって叫ぶ。

叫んだついでに、中衛がいないんだから出来るだけ前衛で魔物を食い止めて貰わないと困るわ。と言う思いと今日一日で溜まった鬱憤を込めてモニカ達に軽く攻撃魔法を飛ばす。
流石私と言うべきか、攻撃魔法は当たるか当たらないかギリギリの所で着弾した。
二人は野太い声で「キャッ」と叫ぶと「酷いわ!イザベラ」「傷害罪で訴えてやるからね!」と叫んでいる。

「ちゃんと働かないからよ」

ツンと顎を上げながら返すと、二人はぐぬぬと拳を握りしめ、「今から勝負よ!沢山魔物を倒した方が勝ち。勝った方のいう事を何でも1つ聞くの」とモニカが叫ぶ。
いいじゃない。その勝負乗ってあげるわ。

「「乗った!!」」

と私とジェシカが叫ぶ。

「じゃあ、あたしは審査員をするわ」

とアイリスに審査員として倒した魔物の数を数えてもらう事になり、魔物討伐大会が開かれる事となった。
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