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第1章 欲望の目
一族の誇り
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俺は玄関の鍵を開け、彼女を家に入れる。年が離れているであろう少女を家にあげるのは妙に犯罪くさい気がしたが、全力でスルーした。
「玄関広いのね。ここがのあなたの部屋......?あなた本当に召喚士?アーティファクトや魔導書がないのは仕方ないにしても、術式陣も魔導書のレプリカもないじゃない!」
「そりゃあ俺がガキの時、全部炭になっちまったからな。あと召喚できないのに陣だけあっても仕方ないだろ。だけど家に一冊だけあった教本の内容だけは未だに暗記してるぞ。」
俺は誇らしげに彼女に自慢すると、「ふーん。じゃあなんか面白そうな内容のところだけ抜粋して教えなさい。──」と言われたので、俺は召喚術士の根源者について話そうと腰をおろした。
「──あ、お腹空いてるから準備しながらでお願い。」
こいつ、本当に生意気なやつだ。でもこのサバサバした性格で『お願い』の言葉が出るだけ、話に一応の興味はあるらしい。
俺はおろす途中だった腰を上げ、電子レンジにコンビニ弁当を突っ込み、電気ケトルに電源を入れた。
「で、さっきの話だけど、召喚魔術の根源者は名前がない。それほどまでに古い時代の文明ってことだ。ちなみに、召喚魔術と喚起魔術の違いを定義しあらわしたアレイスター・クローリーは......」
「レンジ、鳴ったわよ。あとケトルも。」
話の途中で切り出すのもどうかとは思うが、俺は話すのに夢中で全く周囲の音に気づかなかった。
俺は彼女の前に弁当を置くと、ケトルでカップ麺にお湯を注いだ。
「私、召喚と喚起の魔術の違いなんて知らないわよ。でも召喚士には、こうやってなれてるし。」
「だろうな。お前らはこういう勉強より実践教育だろうしな。──」
俺は彼女の座る向かい側に座ると話を続けた。
「──気になったならもっと教えるが、こっちから質問させてもらえないか?」
うんと頷いた彼女は、お腹が空いるとは思えないほどに丁寧に弁当を食べ進めていた。
「お前さっき、流派を聞いてきたよな。お前の流派を教えてくれよ。ちなみに俺で途絶えちまったけどうちの家系、先代まで流派は『生ける炎』だったんだぜ。」
「......なんで。」
彼女は口元を歪ませ、ただその言葉だけ返した。なんでとはどういう意味だろうか。
「なんで、敵になるかもしれない私にそんなこと教えるの?しかも、敵になるかもしれないあなたになんでそんなことを教えなきゃいけないの?」
俺はハッとした。確かに種族間での戦争の絶えない召喚士にとって、情報は戦況を左右する。こんな簡単に口を割ってしまう召喚士など他にはいないのだ。
「なんでって......強いて言うなら、俺にはもう必要ないから。お前の情報だって全部墓場まで持ってく。でも、すまなかった。」
彼女は流石に怒ったのか、箸を止めた。俺はそれでも、ここで退いてはいけない気がして謝らなかった。
「......そっちの寄越しなさい。」
「流派を!?そんなことできんのか!?」
「そっちのカップ麺を寄越せって言ってるの!」
やっぱりこいつはどこかおかしい。話が噛み合わない。俺はカップ麺を彼女に渡すと、また作り直しか、と思いながら戸棚から新しいカップ麺を取り出し、お湯を入れた。
「それに私、自分の流派にプライド持ってるから。そう易々と流派を変えたりしないわ。」
「そうかい。それは結構なことだな。」
俺はカップ麺を幸せそうに頬張る彼女の頬は赤く染まり、どこかさっきより大人びていたような気がした。俺は今日のカップ麺の待ち時間はやけに焦ったいなと思いながら、3分経つまで彼女の食事をぼーっと眺めていた。
「玄関広いのね。ここがのあなたの部屋......?あなた本当に召喚士?アーティファクトや魔導書がないのは仕方ないにしても、術式陣も魔導書のレプリカもないじゃない!」
「そりゃあ俺がガキの時、全部炭になっちまったからな。あと召喚できないのに陣だけあっても仕方ないだろ。だけど家に一冊だけあった教本の内容だけは未だに暗記してるぞ。」
俺は誇らしげに彼女に自慢すると、「ふーん。じゃあなんか面白そうな内容のところだけ抜粋して教えなさい。──」と言われたので、俺は召喚術士の根源者について話そうと腰をおろした。
「──あ、お腹空いてるから準備しながらでお願い。」
こいつ、本当に生意気なやつだ。でもこのサバサバした性格で『お願い』の言葉が出るだけ、話に一応の興味はあるらしい。
俺はおろす途中だった腰を上げ、電子レンジにコンビニ弁当を突っ込み、電気ケトルに電源を入れた。
「で、さっきの話だけど、召喚魔術の根源者は名前がない。それほどまでに古い時代の文明ってことだ。ちなみに、召喚魔術と喚起魔術の違いを定義しあらわしたアレイスター・クローリーは......」
「レンジ、鳴ったわよ。あとケトルも。」
話の途中で切り出すのもどうかとは思うが、俺は話すのに夢中で全く周囲の音に気づかなかった。
俺は彼女の前に弁当を置くと、ケトルでカップ麺にお湯を注いだ。
「私、召喚と喚起の魔術の違いなんて知らないわよ。でも召喚士には、こうやってなれてるし。」
「だろうな。お前らはこういう勉強より実践教育だろうしな。──」
俺は彼女の座る向かい側に座ると話を続けた。
「──気になったならもっと教えるが、こっちから質問させてもらえないか?」
うんと頷いた彼女は、お腹が空いるとは思えないほどに丁寧に弁当を食べ進めていた。
「お前さっき、流派を聞いてきたよな。お前の流派を教えてくれよ。ちなみに俺で途絶えちまったけどうちの家系、先代まで流派は『生ける炎』だったんだぜ。」
「......なんで。」
彼女は口元を歪ませ、ただその言葉だけ返した。なんでとはどういう意味だろうか。
「なんで、敵になるかもしれない私にそんなこと教えるの?しかも、敵になるかもしれないあなたになんでそんなことを教えなきゃいけないの?」
俺はハッとした。確かに種族間での戦争の絶えない召喚士にとって、情報は戦況を左右する。こんな簡単に口を割ってしまう召喚士など他にはいないのだ。
「なんでって......強いて言うなら、俺にはもう必要ないから。お前の情報だって全部墓場まで持ってく。でも、すまなかった。」
彼女は流石に怒ったのか、箸を止めた。俺はそれでも、ここで退いてはいけない気がして謝らなかった。
「......そっちの寄越しなさい。」
「流派を!?そんなことできんのか!?」
「そっちのカップ麺を寄越せって言ってるの!」
やっぱりこいつはどこかおかしい。話が噛み合わない。俺はカップ麺を彼女に渡すと、また作り直しか、と思いながら戸棚から新しいカップ麺を取り出し、お湯を入れた。
「それに私、自分の流派にプライド持ってるから。そう易々と流派を変えたりしないわ。」
「そうかい。それは結構なことだな。」
俺はカップ麺を幸せそうに頬張る彼女の頬は赤く染まり、どこかさっきより大人びていたような気がした。俺は今日のカップ麺の待ち時間はやけに焦ったいなと思いながら、3分経つまで彼女の食事をぼーっと眺めていた。
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