BL学園の姫になってしまいました!

内田ぴえろ

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17. Emergency!発熱ぶっ倒れ姫!

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side 獅子戸 将司


「「白川!」」

 黒瀬と声が被り、俺は白川の体を支えた。その時、白川の体が異様に熱く感じたため、手を額に当てる。

「これは、熱があるな……」

「そういえば、こいつ、上着を着てたはずなんですけど……」

「それよりも、今は白川を寝かせないとダメじゃないか?早く保健室へ運ぼう」

「そうですね……すみません、先輩。白川の事頼みます。俺は着替えを取りに行きます」

 俺は分かったと頷き、白川を横抱きにする。頬を赤くし、くったりとした白川を保健室まで運ぶ。
 そういえば、初めて会った時もこんな感じだったな。とこんな時なのに、思い出してしまった。


 保健室に着き、足でドアを開ける。行儀は悪いが、今は緊急事態だから許して欲しいと誰に対してか分からないが思った。
 中には有栖川と藤凪、保健医の祭田先生に手当されている転入生……確か名前は桜城といったか?その4人がいた。

「失礼します、白川が熱出して倒れました。ベッドを貸していただけないでしょうか」

「雪月っ!」

「やっだ、大変!ちょっと待ってなさい!」

 急いで桜城の手当を終わらせ、ベッドの準備をする祭田先生。
 そんな中、有栖川が質問してきた。

「獅子戸、黒騎士はどうした?」

「白川の着替えを取りに行ってる。濡れたままだと治るものも治らないだろう?」

 なるほどな、と納得したように頷く有栖川。
 取り敢えずここに、と祭田先生に言われ、俺は白川を簡易ベッドに寝かせる。

「お、俺が……」

 ポツリと呟いた桜城は、藤凪の制止を聞かず、白川の元へ歩き、白川の手を握る。

「俺が、寒いって言ったから……俺が雪月の声を聞かずに走ったから……!雪月が、俺のせいで……っ!」

 グッと、瞳に涙を浮かべて涙声で、雪月ごめん、ごめんな、と謝る桜城。

 蓮……と藤凪が椅子を持ってきて、桜城を座らせる。
 何か言おうとするも、何も言えず、ただ桜城の背中を撫でる藤凪。
 桜城が鼻をすする以外の音がなく、気まずい空気が流れた。
 そんな時、ガラッと保健室のドアが開いた。

「失礼します、白川の着替えを持ってきました」

「凪!俺、俺のせいで、雪月が……!」

 桜城が声を上げ、着替え一式を持ってきた黒瀬に詰めよろうとする。しかし黒瀬はそんな桜城を宥め、椅子に座らせる。

「落ち着け。確かにお前のせいかもしれないが、こいつのことだ。どうせ、「そんなヤワじゃないので大丈夫です!」とでも言って上着を貸したんだろ?」

「でも、それでも、俺は……」

「はっきり言って、こいつの発熱は見栄を張った結果の自業自得だ。色々言いたいことはあると思うが、白川には、「ごめん」と「ありがとう」を言っとけばいい。説教は俺がする」

 桜城は暫く沈黙したが、小さく、分かったと答えた。
 それを聞いた黒瀬は小さく息を吐いた。

「ちょっと。おしゃべりはいいけど、早く白川ちゃん着替えさせないと、悪化するわよ」

 祭田先生の言葉に、そうだった、と思い出し、白川を着替えさせるために準備をする黒瀬。

「黒瀬ちゃん、このまま手伝ってくれるかしら?」

「分かりました」

「お、俺も手伝う!」

「怪我人は大人しくしてなさい。というか、桜城ちゃんは手当は終わってるから、寮に帰って安静にしてなさい!それと、他の3人も早く寮に帰ること!いいわね?」

 俺達は返事をして、保健室から出る。
 白川の事は心配だけれど、回復を待つしかない、と思考を切りかえ、俺は白川の熱が下がるのを祈る事にした。


────────


side 黒瀬 凪

 4人が出ていった後、俺は白川を着替えさせるために、祭田先生と白川の服を脱がせた。
 脱がせた後の体を見て、祭田先生はポツリと呟いた。

「やっぱり、体中痣と擦り傷だらけね。桜城ちゃんも小さい傷と痣だらけだったし」

 白川の背中や腕、胴など、至る所に痣が出来ていた。白い肌に痛々しく浮かぶ痣に、思わず眉を顰める。
 桜城がこれを見れば、また自己嫌悪に陥って、面倒なことになっていただろう。大人しく帰ってくれて良かった。

「これと雨が発熱の原因ですね。雨だけじゃ、この馬鹿は風邪をひきませんし」

「あら、分からないわよ?雨に打たれ続けたら、風邪くらいひくんじゃない?」

「いえ、こいつ豪雨の時に、意味のない傘を持って長靴履いて校舎裏で2時間くらい遊んでピンピンしてましたから」

 うっそ、意外ね……と驚いた様子で手当をする祭田先生に、俺は言う。

「白川は、たまに精神年齢が小学生になるんです」

「……それは、精神病的なやつかしら?」

 深刻そうに聞いてくる祭田先生に、俺は至極真っ当に答える。


「いいえ、ぜっんぜん違います。普通に馬鹿なだけです」


 違うのね?!とズッコケる祭田先生に、違います、と再度言う。
 祭田先生は咳払いを1つして、気を取り直して話し出す。

「と、とにかく、手当は終わったわ。後は安静にするだけよ。白川ちゃんはここに泊まらせるから、黒瀬ちゃんは寮に帰りなさい」

「分かりました。白川の事、お願いします」

 任せてちょうだい。と祭田先生が言うのを聞いて、俺は保健室を後にした。



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