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22、嵐の訪れ
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「どうしようかしら・・・・・・」
お父様と少し打ち解けた私は、新たな問題に悩まされていたのです。
どうして女中のような真似事をしていたのかと経緯を問われ、最初に説明したことが、結婚早々に侍女達が逃亡したことで・・・・・・。
『何故連絡を寄越さなかったのだ』と、お父様にお叱りを受けてしまいました。
急ぎ、警備や修繕の人員は手配していただきましたが、肝心なのは屋敷の中。
私と接する侍女や使用人をどうするか、お父様達が考えてくださっているようです。
屋敷の使用人ですか・・・・・・正直なところを申すと、今のモーリス達との生活に不満がないので・・・・・・新しい人を入れることに、抵抗が・・・・・・。
でも、二人に負担も強いるのも、ちょっと・・・・・・。
一人、雇用したい方はいるのですが・・・・・・あの方に、私を女主人として扱ってもらうことが心苦しいし・・・・・・。
「領地から探してくるかい?」
「みんな、そこまでの余力がないからなぁ・・・・・・」
私の近くでは、モーリス夫妻も唸っています。
古いパンで作ったプディングと、庭で育ててみたハーブで淹れたお茶を楽しむ余裕もありません。
そんな私達の注目を集めるかのように、厨房の扉が叩かれます。
扉を叩いたのは、大柄の茶色い猫。
『厨房には入らないでね』と私がお願いしたためか、用事があると、両方の前脚で扉を叩くのです。
「何だい、おやつが欲しいのかい?」
「これは来客の合図だろう」
そんな猫の仕草を見て、言葉を交わすモーリスとエイダ・・・・・・すっかり、猫との生活に慣れてしまわれました。
モーリスがゆっくりと立ち上がり、屋敷の玄関広間へ――赴く前に、扉を開ける音が響きました。
「トリーシャ!」
この声は、お父様のようですが・・・・・・。
先触れや取次もなく屋敷に来るなんて・・・・・・何かよくないことでも起きたのでしょうか?
「・・・・・・お父様ですか?」
はしたなくも厨房から少し顔を出して確認すれば、遠目にお父様の姿が確認できます。
「トリーシャ!」
私を見つけたらしいお父様は、此方へと駆け寄ってきます。
髪も服も乱れていて、息も絶え絶えで・・・・・・本当に急いで来られたのでしょう。
ここまで取り乱したご様子のお父様は初めて見るので・・・・・・まさか、ライラお義母様や異母弟のリラン君に何かあったのではないかと、不安が過ぎります。
「こ、ここにいたか、おおおお前にへ、へい」
「お父様、落ち着いて下さい」
お父様の口からは、息と唾が出てくるばかりで、どうにも会話が成り立たなさそうな感じです。
私は、少し冷めたお茶を注ぐと、お父様に差し出しました。
庭の草なので、身内とはいえ、伯爵家当主にお出ししていいお茶ではないのですが・・・・・・。
それでもお父様は一気に飲み干すと、何故か少し悲しそうにカップを見つめておられます。
「ああ・・・・・・アーシャも、その辺の草を摘んで、こんな感じの茶を飲んでいた・・・・・・」
「お父様・・・・・・」
どんな事柄からでも、亡きお母様を思い出されて・・・・・・本当にお労しい・・・・・・。
「あ、あの・・・・・・伯爵様・・・・・・何か用事があったのでは・・・・・・?」
あら、そうでした。
つい、しんみりしてしまいましたが、モーリスの言葉で現実に戻ることが出来ました。
「あ、ああ、そうだった」
お父様も冷静になられた様子で、いつも通りの硬い表情を取り戻しておられます。
そして、私に封筒を差し出してきました。
以前に王宮でいただいた物とは違う、白く小さな封筒です。
何も書かれていませんが、封蝋が施されていて・・・・・・これは、若しかして、王家の紋章ではありませんか?
「お前を茶会に招待する手紙だ・・・・・・王妃陛下から・・・・・・」
「え」
「んまああああああ!!」
驚いて声の出ない私に代わって、エイダが叫び声を上げていました。
「あ、あの、お父様・・・・・・どうして・・・・・・」
半狂乱になったエイダを宥めつつ、私達は席に着いて話し合うこととなりました。
少し、気持ちを落ち着けないといけませんものね。
今度は、それなりの茶葉で紅茶を入れ直しています。
・・・・・・エイダの叫びを近くで聞いたせいか、まだ耳が痛い気がします・・・・・・。
「どうして、王妃陛下からの招待状が、実家に・・・・・・」
父は宮中で務めておりますが、御本人曰く『要職ではない』とのことなので、王家との繋がりは薄いのです。
無論、私個人も、王妃陛下との関わりがありません。
王族の方々は勿論、貴族の友人知人もいない引き籠りでしたので・・・・・・。
ブライアン様が王族の護衛騎士として仕えておられますが、書類上の妻である私は、お目通りすらしていないので、王妃陛下の御尊顔すらおぼろげで・・・・・・。
宮廷女中として務めていた時も、当然ながらお会いしたことはございません。
『あの王妃様は、贅沢と男侍らすことしかできない愚かな女だよ』
ハンナさんの愚痴でしか、人となりを把握していないので、どうにも偏見が・・・・・・。
「・・・・・・王家が、お前たちの婚姻を承認した理由は分かるか?」
「それは、ハーキュリー伯爵家への援助の為ですよね?」
お父様からの質問に、私は反射的に答えていました。
領地の復興の為に資金を欲していたハーキュリー伯爵家・・・・・・そこに、社交ができない私をお飾りにしたいお父様が、ブライアン様へ契約結婚を持ち掛けた形になったと認識しています。
王家としても、ハーキュリー伯爵領を放置できない為、資金に余裕のあったロドニー伯爵家が選ばれたものだと、思っておりましたが・・・・・・。
ですが、お父様は、軽く首を振っておられます。
「それだけでは無い。金を出せる家ならどこでも良かった。それより、急遽伯爵家当主となったブライアン卿を支えることができる、立派な貴族令嬢を宛がった方が健全だ」
・・・・・・耳が痛い話です。
私は社交も、屋敷の家政も、領地の内政もできない不束者ですから・・・・・・。
でも、それでしたら、世間様では『病弱で寄宿学校や修道院の生活にも耐えられない』と噂されていた私との結婚は、どうして認められたのでしょうか?
「・・・・・・ブライアン卿とお前の結婚は、王妃陛下の御意向だったからだ」
「ええっ」
王妃陛下が、私を・・・・・・?
何のとりえもない私を、王妃陛下はどうして選んでくださったのでしょうか・・・・・・?
「ブライアン卿は、元より優秀な騎士で、騎士団長の覚えも良かった」
それはお聞きしております。
「その為か、表立って活動することも多く、市井や王宮でも目立つ存在で・・・・・・彼にとって幸か不幸かは分からんが・・・・・・見た目が良すぎた」
体格も良く、柔らかい笑顔が眩しい、素敵な御方ですものね。
「だからこそ、王妃陛下の目に留まり、彼女の意向で王宮騎士に取り立てられた」
それはすごい・・・・・・すごいことなのですが。
騎士の人事まで、王妃陛下の裁量で決めてよいことなのでしょうか?
王宮や騎士団の人事はよく分からないのですが、王族の護衛も務める要職は、武官達が決めるものなのでは・・・・・・?
私の疑問が伝わったのでしょうか、お父様は呆れた様に首を振っておられます。
うう・・・・・・無知な娘で申し訳ありません。
「今の王宮は全て、王妃の支配下にある」
お父様は天井を仰ぎ、深く溜め息を吐いておられます。
「国王陛下が王妃を御すことが出来ず、彼女に従っていてな・・・・・・この国は危うい状況にある」
お父様の悲壮なお顔付きは、亡きお母様を偲ぶ時とは違う苦渋に満ちていて――
頭の悪い私は、この時になって、お父様が貴族として国を憂いているのだと察しました。
お父様と少し打ち解けた私は、新たな問題に悩まされていたのです。
どうして女中のような真似事をしていたのかと経緯を問われ、最初に説明したことが、結婚早々に侍女達が逃亡したことで・・・・・・。
『何故連絡を寄越さなかったのだ』と、お父様にお叱りを受けてしまいました。
急ぎ、警備や修繕の人員は手配していただきましたが、肝心なのは屋敷の中。
私と接する侍女や使用人をどうするか、お父様達が考えてくださっているようです。
屋敷の使用人ですか・・・・・・正直なところを申すと、今のモーリス達との生活に不満がないので・・・・・・新しい人を入れることに、抵抗が・・・・・・。
でも、二人に負担も強いるのも、ちょっと・・・・・・。
一人、雇用したい方はいるのですが・・・・・・あの方に、私を女主人として扱ってもらうことが心苦しいし・・・・・・。
「領地から探してくるかい?」
「みんな、そこまでの余力がないからなぁ・・・・・・」
私の近くでは、モーリス夫妻も唸っています。
古いパンで作ったプディングと、庭で育ててみたハーブで淹れたお茶を楽しむ余裕もありません。
そんな私達の注目を集めるかのように、厨房の扉が叩かれます。
扉を叩いたのは、大柄の茶色い猫。
『厨房には入らないでね』と私がお願いしたためか、用事があると、両方の前脚で扉を叩くのです。
「何だい、おやつが欲しいのかい?」
「これは来客の合図だろう」
そんな猫の仕草を見て、言葉を交わすモーリスとエイダ・・・・・・すっかり、猫との生活に慣れてしまわれました。
モーリスがゆっくりと立ち上がり、屋敷の玄関広間へ――赴く前に、扉を開ける音が響きました。
「トリーシャ!」
この声は、お父様のようですが・・・・・・。
先触れや取次もなく屋敷に来るなんて・・・・・・何かよくないことでも起きたのでしょうか?
「・・・・・・お父様ですか?」
はしたなくも厨房から少し顔を出して確認すれば、遠目にお父様の姿が確認できます。
「トリーシャ!」
私を見つけたらしいお父様は、此方へと駆け寄ってきます。
髪も服も乱れていて、息も絶え絶えで・・・・・・本当に急いで来られたのでしょう。
ここまで取り乱したご様子のお父様は初めて見るので・・・・・・まさか、ライラお義母様や異母弟のリラン君に何かあったのではないかと、不安が過ぎります。
「こ、ここにいたか、おおおお前にへ、へい」
「お父様、落ち着いて下さい」
お父様の口からは、息と唾が出てくるばかりで、どうにも会話が成り立たなさそうな感じです。
私は、少し冷めたお茶を注ぐと、お父様に差し出しました。
庭の草なので、身内とはいえ、伯爵家当主にお出ししていいお茶ではないのですが・・・・・・。
それでもお父様は一気に飲み干すと、何故か少し悲しそうにカップを見つめておられます。
「ああ・・・・・・アーシャも、その辺の草を摘んで、こんな感じの茶を飲んでいた・・・・・・」
「お父様・・・・・・」
どんな事柄からでも、亡きお母様を思い出されて・・・・・・本当にお労しい・・・・・・。
「あ、あの・・・・・・伯爵様・・・・・・何か用事があったのでは・・・・・・?」
あら、そうでした。
つい、しんみりしてしまいましたが、モーリスの言葉で現実に戻ることが出来ました。
「あ、ああ、そうだった」
お父様も冷静になられた様子で、いつも通りの硬い表情を取り戻しておられます。
そして、私に封筒を差し出してきました。
以前に王宮でいただいた物とは違う、白く小さな封筒です。
何も書かれていませんが、封蝋が施されていて・・・・・・これは、若しかして、王家の紋章ではありませんか?
「お前を茶会に招待する手紙だ・・・・・・王妃陛下から・・・・・・」
「え」
「んまああああああ!!」
驚いて声の出ない私に代わって、エイダが叫び声を上げていました。
「あ、あの、お父様・・・・・・どうして・・・・・・」
半狂乱になったエイダを宥めつつ、私達は席に着いて話し合うこととなりました。
少し、気持ちを落ち着けないといけませんものね。
今度は、それなりの茶葉で紅茶を入れ直しています。
・・・・・・エイダの叫びを近くで聞いたせいか、まだ耳が痛い気がします・・・・・・。
「どうして、王妃陛下からの招待状が、実家に・・・・・・」
父は宮中で務めておりますが、御本人曰く『要職ではない』とのことなので、王家との繋がりは薄いのです。
無論、私個人も、王妃陛下との関わりがありません。
王族の方々は勿論、貴族の友人知人もいない引き籠りでしたので・・・・・・。
ブライアン様が王族の護衛騎士として仕えておられますが、書類上の妻である私は、お目通りすらしていないので、王妃陛下の御尊顔すらおぼろげで・・・・・・。
宮廷女中として務めていた時も、当然ながらお会いしたことはございません。
『あの王妃様は、贅沢と男侍らすことしかできない愚かな女だよ』
ハンナさんの愚痴でしか、人となりを把握していないので、どうにも偏見が・・・・・・。
「・・・・・・王家が、お前たちの婚姻を承認した理由は分かるか?」
「それは、ハーキュリー伯爵家への援助の為ですよね?」
お父様からの質問に、私は反射的に答えていました。
領地の復興の為に資金を欲していたハーキュリー伯爵家・・・・・・そこに、社交ができない私をお飾りにしたいお父様が、ブライアン様へ契約結婚を持ち掛けた形になったと認識しています。
王家としても、ハーキュリー伯爵領を放置できない為、資金に余裕のあったロドニー伯爵家が選ばれたものだと、思っておりましたが・・・・・・。
ですが、お父様は、軽く首を振っておられます。
「それだけでは無い。金を出せる家ならどこでも良かった。それより、急遽伯爵家当主となったブライアン卿を支えることができる、立派な貴族令嬢を宛がった方が健全だ」
・・・・・・耳が痛い話です。
私は社交も、屋敷の家政も、領地の内政もできない不束者ですから・・・・・・。
でも、それでしたら、世間様では『病弱で寄宿学校や修道院の生活にも耐えられない』と噂されていた私との結婚は、どうして認められたのでしょうか?
「・・・・・・ブライアン卿とお前の結婚は、王妃陛下の御意向だったからだ」
「ええっ」
王妃陛下が、私を・・・・・・?
何のとりえもない私を、王妃陛下はどうして選んでくださったのでしょうか・・・・・・?
「ブライアン卿は、元より優秀な騎士で、騎士団長の覚えも良かった」
それはお聞きしております。
「その為か、表立って活動することも多く、市井や王宮でも目立つ存在で・・・・・・彼にとって幸か不幸かは分からんが・・・・・・見た目が良すぎた」
体格も良く、柔らかい笑顔が眩しい、素敵な御方ですものね。
「だからこそ、王妃陛下の目に留まり、彼女の意向で王宮騎士に取り立てられた」
それはすごい・・・・・・すごいことなのですが。
騎士の人事まで、王妃陛下の裁量で決めてよいことなのでしょうか?
王宮や騎士団の人事はよく分からないのですが、王族の護衛も務める要職は、武官達が決めるものなのでは・・・・・・?
私の疑問が伝わったのでしょうか、お父様は呆れた様に首を振っておられます。
うう・・・・・・無知な娘で申し訳ありません。
「今の王宮は全て、王妃の支配下にある」
お父様は天井を仰ぎ、深く溜め息を吐いておられます。
「国王陛下が王妃を御すことが出来ず、彼女に従っていてな・・・・・・この国は危うい状況にある」
お父様の悲壮なお顔付きは、亡きお母様を偲ぶ時とは違う苦渋に満ちていて――
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