美少年は異世界でヤンデレに囲われます

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貴族の挨拶

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僕はじいじと腕を組んで大きな扉の前に立っている。
これから舞踏会会場へ入場だ。
他の貴族たちはすでに中に入ってるらしく僕たちが1番最後だ。

リースさんは貴族じゃないからこの扉からは入らず裏口から入るんだって。
僕は貴族とか平民とか、身分制度にまだ慣れない。


「国王陛下ならびに黒の君の入場です!」

アナウンスがされて、扉が開く。
たくさんの人が僕たちに注目している。
いや、僕たちじゃなくてじいじを見てるんだろう。
何たって王様だもんね。貴族の人たちも頻繁に会える人じゃないだろうし、この機会に少しでもお近づきになりたいのかもしれないよね。


僕は少し俯きながら会場の一番奥に作られた階段3段分くらい高い場所に座った。
するとスッとリースさんが後ろに来てくれた。
今日僕の護衛としてずっと後ろにいるんだって。
うーん、僕は2人で一緒に座りたかったのに…。
近くにいるのに顔が見れないのは寂しい。
だって夫夫なんだよ?


モヤモヤする気持ちを抑えながら周りを見渡すと、なんということでしょう!!

ドレスを着ているのは僕だけじゃん!!
え?なんで?
抱く側と抱かれる側で衣装が異なると思ってたのにみんなキチンとしたパーティスーツだ。

騙された!!

みんな知ってて何も言わなかったんだ!
うぅ…こんなことなら我儘って思われたとしてもドレスは嫌ですって言えばよかった。


横のじいじとリースさんをチラッと見ながら軽く睨んだ。

「ん?どうしたのだ?そんな可愛い顔をして緊張しているのか?」
じいじが的外れなことを聞いてきた。

リースさんは顔色を変えず、いやちょっと怖い顔で会場の人たちを睨んでいる。
「マオの可愛い顔をみて欲情したやつが12人…」
なんかぶつぶつ言っている。


じいじが簡単に挨拶したあと僕たちの前には長い行列ができた。
こういうのは偉い人から順番らしいから一番前にいる人がこの中では一番偉い人なんだろうな。
確か公爵?ってゆーひと。

それにしても多すぎじゃない?
じいじは大したことないみたいなこと言ってたけど大したことあるよ!
この人たちみんなから挨拶されるの?
僕たぶん三分の一くらいで疲れちゃうよ。






「黒の君にご挨拶できて光栄です。ずっと挨拶を申し上げたく今日という日を心待ちにしておりました。黒の君をお披露目の式典で拝見しました時はなんと美しい方だろうと思いましたがこうして近くで見るとますますお美しい。黒の君が健やかに過ごされることを日々祈っております。・・・それから今日は私の息子を紹介させていただきたく存じます。これは嫡男の・・・・。」

貴族らしい堅苦しい挨拶から始まり、美しいとお世辞を言われ最後にはなぜか自分の子供を僕に紹介する。自分の子供がいかに優秀で素晴らしいかを僕にプレゼンしてくるんだけど、なんで?
婚約者がいなくて困っている?別に無理に作らなくてもいいんじゃない?僕は日本育ちだから政略結婚とかテレビや漫画の世界の話だったし。
それに、婚約者の有無を聞かされてどうすればいいの?
そうですかぁ・・・しかいえないよ。


しかも先頭の公爵から始まり侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、みんな同じような話をするんだ。
これさっきも聞いたよって思いながらもなんとか顔に出ないように頑張ったよ。
そして、ごめんなさい。誰の名前も覚えられない。
やっぱり日本人の僕にはカタカナネームは難しいよ。やたらと長いしさ。
ナンチャラ・ナンチャラ・ナンチャラさん。

もうみんなナンチャラさんだよ。



そうしてながーーーーーい挨拶の行列がやっと終わった。
ずっと姿勢良く座ってたから思ったより疲れた。
なんだか体が火照っているし、少し吐き気もある。
冷たい飲み物でも貰おうかな。
そう思い立ち上がった時、突然めまいがして天井がぐるぐる回る。
立っていられなくなってしゃがみこんだ。

僕の異変に気づいたじいじとリースさんが駆け寄ってくれるのを視界の端で認識したけどそのまま僕は気を失ってしまった。


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