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第1話
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暴れるミカゲを強引につかまえて押し倒し、うなじに噛みついた。
ミカゲはこれ以上ないほど憎しみを込めた眼差しで、俺をにらみつけていた。
俺はミカゲに向けて笑った。
「ははっ、これで一生おまえは俺に繋ぎとめられたまま逃れられない。残念だったな」
オメガはアルファにうなじを噛まれたら一生つがいにならざるを得ない。
それがどれほど嫌いなヤツだったとしても。
憎んでるヤツだったとしても。
俺はミカゲの耳元に唇を寄せた。
「この先ずっと、おまえは俺にだけ欲情するんだ。屈辱だろ?」
「くっ……」
ミカゲは苦しげに眉根を寄せ、つらそうに目を伏せた。
「もうおまえの身体は俺しか欲しないんだ」
俺はミカゲの身体に触れ、服を脱がせていく。
腕の下で小さく震える身体。屈辱のせいなのか。悲しみにくれているのか。
俺はこれ以上ないほど繊細に、丁寧に、優しくミカゲの肌に触れていく。優しくすればするほど、ミカゲの自尊心に傷がつくことを知っていた。
噛んだばかりのうなじにキスをする。
「おまえはこの先ずっと、俺から愛され続けるんだ」
ミカゲが絶望的な顔をした。
俺は遠慮なくミカゲに覆いかぶさる。この身体の奥に楔を打ち込むために。
この世には男女の他にも性別がある。アルファ、ベータ、オメガ。
アルファは優秀な遺伝子を持ち、将来も約束されている。生まれながらのエリートだ。
ベータはすべてにおいて平均値で、可もなければ不可もない存在だ。
オメガは男女関係なく子を孕むことができる唯一の存在で、定期的に発情に悩まされながら生きている。
ミカゲもそうだ。
オメガとして生まれたせいで、日々、発情に悩まされ、苦しみ、フェロモンを放っては、男に犯される。
可哀想な生き物。
だから俺だけのオメガにしてやった。もう俺以外の誰もミカゲに触れることは許されない。
だけどミカゲは俺を嫌いだし憎んでいる。
もっと可哀想な生き物になった。
そんなミカゲに俺は欲情し、押さえつけ、身体の奥まで侵食する。
死ぬまで逃れられないオメガの性。どんなにいきがってみせても、発情には抗えない。
熱い息を吐き、苦しげに身悶え、快楽へと堕ちていく。
「おまえは俺の子を孕むんだ」
屈辱だろう? 耳元で囁くと、ミカゲは耐えるように唇を噛み締めた。
毎日のようにミカゲの身体を抱いた。俺の形をその身体が覚えるほどに。
ミカゲはこれ以上ないほど憎しみを込めた眼差しで、俺をにらみつけていた。
俺はミカゲに向けて笑った。
「ははっ、これで一生おまえは俺に繋ぎとめられたまま逃れられない。残念だったな」
オメガはアルファにうなじを噛まれたら一生つがいにならざるを得ない。
それがどれほど嫌いなヤツだったとしても。
憎んでるヤツだったとしても。
俺はミカゲの耳元に唇を寄せた。
「この先ずっと、おまえは俺にだけ欲情するんだ。屈辱だろ?」
「くっ……」
ミカゲは苦しげに眉根を寄せ、つらそうに目を伏せた。
「もうおまえの身体は俺しか欲しないんだ」
俺はミカゲの身体に触れ、服を脱がせていく。
腕の下で小さく震える身体。屈辱のせいなのか。悲しみにくれているのか。
俺はこれ以上ないほど繊細に、丁寧に、優しくミカゲの肌に触れていく。優しくすればするほど、ミカゲの自尊心に傷がつくことを知っていた。
噛んだばかりのうなじにキスをする。
「おまえはこの先ずっと、俺から愛され続けるんだ」
ミカゲが絶望的な顔をした。
俺は遠慮なくミカゲに覆いかぶさる。この身体の奥に楔を打ち込むために。
この世には男女の他にも性別がある。アルファ、ベータ、オメガ。
アルファは優秀な遺伝子を持ち、将来も約束されている。生まれながらのエリートだ。
ベータはすべてにおいて平均値で、可もなければ不可もない存在だ。
オメガは男女関係なく子を孕むことができる唯一の存在で、定期的に発情に悩まされながら生きている。
ミカゲもそうだ。
オメガとして生まれたせいで、日々、発情に悩まされ、苦しみ、フェロモンを放っては、男に犯される。
可哀想な生き物。
だから俺だけのオメガにしてやった。もう俺以外の誰もミカゲに触れることは許されない。
だけどミカゲは俺を嫌いだし憎んでいる。
もっと可哀想な生き物になった。
そんなミカゲに俺は欲情し、押さえつけ、身体の奥まで侵食する。
死ぬまで逃れられないオメガの性。どんなにいきがってみせても、発情には抗えない。
熱い息を吐き、苦しげに身悶え、快楽へと堕ちていく。
「おまえは俺の子を孕むんだ」
屈辱だろう? 耳元で囁くと、ミカゲは耐えるように唇を噛み締めた。
毎日のようにミカゲの身体を抱いた。俺の形をその身体が覚えるほどに。
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