14 / 43
第14話 ライバル 2
しおりを挟む
「そうだね、まだ始まったばかり。……次だ、次」
アテスは炎魔法を解除し、剣を構え直した。
どうやら魔法自体で攻撃するのはやめにするみたいだ。
「これはどうだろう。スピアップ、アタアップ、エンチャントウィンド、エンチャントブラスト! ……剣技スラッシュ!」
補助の強化魔法二種に攻撃系二種のエンチャント。こんな事ができる十四歳はアテスだけかもしれない。
しかも先生方に直接指導してもらっていただけあって、すでに技まで使えるとは。
風と衝撃の二つが付与された剣技は、風の刃となってこちらに迫ってきた。
僕は咄嗟にそれを止める。もう遅くするというより止めると言った方が適切だと思う。
「それも遅くできちゃうの!? なら、剣技スラッシュ! スラッシュ、スラッシュ!」
「む……」
先ほどと同じ風の刃が次々と襲ってくる。魔法と違って撃てる数に際限がないのは厄介だ。
技は撃つだけで疲れるし結構大変だって本で読んだことあるんだけど、アテスは全然大丈夫なようだ。
風の刃は直線的な動きしかしてこなかったので、僕は自分に『シィ・スピアップ』をかけて大雑把にそれらを回避した。数日前よりは素早い動きで避けるのが上手くなってると思う。
……ん? 頭がモヤモヤしてきて___。
<【特技強化・極】の効果が発動。
能力追加:【回避】>
まさかここでこの能力を手に入れるとは。ラッキーとしか言いようがない。
「くー、当たらない……。スラッシュ、スラッシュ、スラッシュ!」
アテスは僕が速度魔法しかない事をもちろん知っている。
そして、アテスの中でもアークス君に僕が行った攻撃は未知のものだろう。
だからこそ、とりあえず近づかせずに遠距離で倒す、そういう作戦に出たんだと思う。
僕は【回避】を手に入れた事で先ほどより細かい動きで飛ぶスラッシュをかわせるようになった。
だから思考に若干の余裕が生まれた。そろそろこちらから仕掛けよう。
「スラッシュ、スラッシュ、スラ_____」
「シィ・スピダウワイド!」
おそらくらこの『テストホール』をまるっと飲み込むくらいの紫がかったみず色の魔法陣が、一回の詠唱で六連続、降り注いでくる。
対象はアテスの攻撃とアテス自身。回避できる場所がない速度が下降する魔法を、アテスはモロに食らってしまった。
「う、うわぁ!?」
「ああっ!? アテスがやられたぞ!」
「なんだ今のえげつない広範囲魔法は!」
実質、このホール内の僕以外のすべての動きがゆっくりになる。
僕は一瞬でアテスまでの距離を詰めた。
「降参しない?」
「し、しない……僕はまだ諦めない……! ギアルも諦めなかったから、ボクも……!」
「そっか」
ゆっくりとスラッシュを繰り出そうとしている腕と剣。
僕は鈍いアテスの手首の真上に掌を置き、かなり弱めに【速度暴走】を行なって勢いをつけて剣を叩き落とした。
「あっ……」
「その、今度こそ諦めない?」
「や、やだ!」
「うーん、そっか」
アテスがこうなったら、もう降参することはちょっとやそっとじゃあり得ない。
となれば、ちょっとやそっとじゃないことをすれば良い。
……アテスは女の子だ。なにより僕の親友だ。
だからマホーク君にしたように【速度暴走】をさせて顔面から転んで変な風に傷をつけるのは後味が悪すぎるし、おじさんとおばさんに合わせる面目がなくなってしまう。
だから降参せざるをおえないほど、アテスが嫌がることをすれば良い。
「仕方ないなー」
「え、ちょ、何する気だよ!」
僕は左腕をアテスの膝裏に、右腕を肩下から脇に通してすくいあげ、持ち上げた。
アテスの体がすべて、僕の腕に預けられることになる。
「ふえっ!?」
アテスは腕の中で目を丸くした。
昔話の王子様が、お姫様をこんな持ち方してたっけ。まあ、僕は王子って柄じゃないけど……だって、もう……限界だ。
重いっ……!!!!!
ゆっくりだったから持ちやすくはあったけど……む、無理だ。あと二十秒ももたない。
アテスは決して体重があるわけじゃない。僕が、僕が非力なんだ。なんか悔しいから冒険者になったら少しずつ鍛えてちゃんと筋肉つけよう。
「ちょ、ふざけないで、なに、なにしてんの、ちょっと!」
「降参……はぁはぁ……しなさそうだから……い、嫌がることしてみた。次は……どうして欲しい……?」
「わ、わかったわかったよ! ボク降参する! ギアルの勝ちでいい! だから降ろして、ボクを降ろして!」
「はい」
もったいぶる必要がないので、というか僕の腕が限界なので、ゆっくりとアテスを地面におろして補助魔法を解除してあげた。
「ふぅ……ふぅ……バーカバーカ!」
「え、ひどい」
「ごめん言い過ぎた」
降参の声が聞こえていたのか、ブライト先生をはじめ何人かがホールの中に入ってくる。
「まさかこんな結果になるなんて思ってませんでした。どちらもかすり傷ひとつありませんね。私、たしかに怪我をして欲しくないとは言いましたけど……」
ブライト先生が感心したようにそう言う。
たしかに、アテスが恥ずかしがってること以外は双方被害がなかった。
そっか、僕の力はやろうと思えば無傷で戦いを終わらせることもできる。
……そう考えると、なんだかもっと僕のこの「魔法が一種しか使えない」という状況が素敵なものに思えてきた。
とにかく一番最初のライバル対決は紛れもなく僕の勝ち、ということで。
==========
(あとがき)
※次は明日の午後6時投稿予定です。
【技について】
各々の職業を鍛錬すると技を覚えることができる。魔力の消費と体力の消耗により繰り出すことができ、魔法でなくとも強烈な火力を誇る攻撃や近距離武器による遠距離攻撃、職人系ならば特殊な技術を扱うことができる。
魔法として扱いをされることが多い。
『スラッシュ』
刃物に魔力を通わせて行う切りつけ攻撃。刃物を扱う職業はいずれ使えるようになる基本技。通常の切りつけ攻撃よりも威力が上がる。武器に付与させる魔法や鍛錬次第で飛ぶ斬撃として扱うこともできる。
なお、飛ぶ斬撃の技自体は別に存在する。
(非常に励みになりますので、もし良ければ感想やお気に入り登録などの方、よろしくお願いします!)
アテスは炎魔法を解除し、剣を構え直した。
どうやら魔法自体で攻撃するのはやめにするみたいだ。
「これはどうだろう。スピアップ、アタアップ、エンチャントウィンド、エンチャントブラスト! ……剣技スラッシュ!」
補助の強化魔法二種に攻撃系二種のエンチャント。こんな事ができる十四歳はアテスだけかもしれない。
しかも先生方に直接指導してもらっていただけあって、すでに技まで使えるとは。
風と衝撃の二つが付与された剣技は、風の刃となってこちらに迫ってきた。
僕は咄嗟にそれを止める。もう遅くするというより止めると言った方が適切だと思う。
「それも遅くできちゃうの!? なら、剣技スラッシュ! スラッシュ、スラッシュ!」
「む……」
先ほどと同じ風の刃が次々と襲ってくる。魔法と違って撃てる数に際限がないのは厄介だ。
技は撃つだけで疲れるし結構大変だって本で読んだことあるんだけど、アテスは全然大丈夫なようだ。
風の刃は直線的な動きしかしてこなかったので、僕は自分に『シィ・スピアップ』をかけて大雑把にそれらを回避した。数日前よりは素早い動きで避けるのが上手くなってると思う。
……ん? 頭がモヤモヤしてきて___。
<【特技強化・極】の効果が発動。
能力追加:【回避】>
まさかここでこの能力を手に入れるとは。ラッキーとしか言いようがない。
「くー、当たらない……。スラッシュ、スラッシュ、スラッシュ!」
アテスは僕が速度魔法しかない事をもちろん知っている。
そして、アテスの中でもアークス君に僕が行った攻撃は未知のものだろう。
だからこそ、とりあえず近づかせずに遠距離で倒す、そういう作戦に出たんだと思う。
僕は【回避】を手に入れた事で先ほどより細かい動きで飛ぶスラッシュをかわせるようになった。
だから思考に若干の余裕が生まれた。そろそろこちらから仕掛けよう。
「スラッシュ、スラッシュ、スラ_____」
「シィ・スピダウワイド!」
おそらくらこの『テストホール』をまるっと飲み込むくらいの紫がかったみず色の魔法陣が、一回の詠唱で六連続、降り注いでくる。
対象はアテスの攻撃とアテス自身。回避できる場所がない速度が下降する魔法を、アテスはモロに食らってしまった。
「う、うわぁ!?」
「ああっ!? アテスがやられたぞ!」
「なんだ今のえげつない広範囲魔法は!」
実質、このホール内の僕以外のすべての動きがゆっくりになる。
僕は一瞬でアテスまでの距離を詰めた。
「降参しない?」
「し、しない……僕はまだ諦めない……! ギアルも諦めなかったから、ボクも……!」
「そっか」
ゆっくりとスラッシュを繰り出そうとしている腕と剣。
僕は鈍いアテスの手首の真上に掌を置き、かなり弱めに【速度暴走】を行なって勢いをつけて剣を叩き落とした。
「あっ……」
「その、今度こそ諦めない?」
「や、やだ!」
「うーん、そっか」
アテスがこうなったら、もう降参することはちょっとやそっとじゃあり得ない。
となれば、ちょっとやそっとじゃないことをすれば良い。
……アテスは女の子だ。なにより僕の親友だ。
だからマホーク君にしたように【速度暴走】をさせて顔面から転んで変な風に傷をつけるのは後味が悪すぎるし、おじさんとおばさんに合わせる面目がなくなってしまう。
だから降参せざるをおえないほど、アテスが嫌がることをすれば良い。
「仕方ないなー」
「え、ちょ、何する気だよ!」
僕は左腕をアテスの膝裏に、右腕を肩下から脇に通してすくいあげ、持ち上げた。
アテスの体がすべて、僕の腕に預けられることになる。
「ふえっ!?」
アテスは腕の中で目を丸くした。
昔話の王子様が、お姫様をこんな持ち方してたっけ。まあ、僕は王子って柄じゃないけど……だって、もう……限界だ。
重いっ……!!!!!
ゆっくりだったから持ちやすくはあったけど……む、無理だ。あと二十秒ももたない。
アテスは決して体重があるわけじゃない。僕が、僕が非力なんだ。なんか悔しいから冒険者になったら少しずつ鍛えてちゃんと筋肉つけよう。
「ちょ、ふざけないで、なに、なにしてんの、ちょっと!」
「降参……はぁはぁ……しなさそうだから……い、嫌がることしてみた。次は……どうして欲しい……?」
「わ、わかったわかったよ! ボク降参する! ギアルの勝ちでいい! だから降ろして、ボクを降ろして!」
「はい」
もったいぶる必要がないので、というか僕の腕が限界なので、ゆっくりとアテスを地面におろして補助魔法を解除してあげた。
「ふぅ……ふぅ……バーカバーカ!」
「え、ひどい」
「ごめん言い過ぎた」
降参の声が聞こえていたのか、ブライト先生をはじめ何人かがホールの中に入ってくる。
「まさかこんな結果になるなんて思ってませんでした。どちらもかすり傷ひとつありませんね。私、たしかに怪我をして欲しくないとは言いましたけど……」
ブライト先生が感心したようにそう言う。
たしかに、アテスが恥ずかしがってること以外は双方被害がなかった。
そっか、僕の力はやろうと思えば無傷で戦いを終わらせることもできる。
……そう考えると、なんだかもっと僕のこの「魔法が一種しか使えない」という状況が素敵なものに思えてきた。
とにかく一番最初のライバル対決は紛れもなく僕の勝ち、ということで。
==========
(あとがき)
※次は明日の午後6時投稿予定です。
【技について】
各々の職業を鍛錬すると技を覚えることができる。魔力の消費と体力の消耗により繰り出すことができ、魔法でなくとも強烈な火力を誇る攻撃や近距離武器による遠距離攻撃、職人系ならば特殊な技術を扱うことができる。
魔法として扱いをされることが多い。
『スラッシュ』
刃物に魔力を通わせて行う切りつけ攻撃。刃物を扱う職業はいずれ使えるようになる基本技。通常の切りつけ攻撃よりも威力が上がる。武器に付与させる魔法や鍛錬次第で飛ぶ斬撃として扱うこともできる。
なお、飛ぶ斬撃の技自体は別に存在する。
(非常に励みになりますので、もし良ければ感想やお気に入り登録などの方、よろしくお願いします!)
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
結婚して3年経っても子供ができないという理由で離縁されたエマは、前世の記憶を思い出して幸せになる。周りが勝手に復讐してくれました。
山田 バルス
恋愛
結婚三年目の春、エマは伯爵家の夫アンドレオから突然、側室を迎える話を告げられる。子をなせなかったことを理由に、彼女は僅かな補償のみで離縁された。妻として過ごした三年間は「無価値だった」と突きつけられ、エマは貴族社会から静かに切り捨てられる。
また実家の父母の墓参りに行くと、当主になっていた兄に離縁金を奪われてしまう。
大ピンチのエマには、秘密があった。なんと彼女は幼少期に前世の記憶を思い出していたのだ。
かつて観光地で石を磨き、アクセサリーを作り、人に喜ばれる仕事をしていた人生。何も持たない今だからこそ、もう一度「自分の手で生きる」ことを選び、あの人が住む商業国家スペイラ帝国へ向かう決意をする。
国境への道中、盗賊に襲われるが、護衛兵ロドリゲスの活躍で難を逃れる。彼の誠実な態度に、エマは「守られる価値のある存在」として扱われたことに胸を打たれた。
スペイラ帝国では身分に縛られず働ける。エマは前世の技術を活かし、石を磨いてアクセサリーを作る小さな露店を始める。石に意味を込めた腕輪やペンダントは人々の心を掴み、体験教室も開かれるようになる。伯爵夫人だった頃よりも、今の方がずっと「生きている」と実感していた。
ある朝、ロドリゲスが市場を訪れ、エマの作ったタイガーアイの腕輪を購入する。ところがその夜、彼は驚いた様子で戻り、腕輪が力を一・五倍に高める魔道具だと判明したと告げる。エマ自身は無意識だったが、彼女の作るアクセサリーには確かな力が宿っていた。
後日二人は食事に出かけ、エマは自分が貴族の妻として離縁された過去を打ち明ける。ロドリゲスは強く憤り、「最悪な貴族だ」と彼女と一緒になって怒ってくれた。その気持ちが、エマにとって何よりの救いだった。彼は次に防御力を高める腕輪を依頼し、冒険者ギルドで正式な鑑定を受けるよう勧める。
翌日、冒険者ギルドで鑑定を行った結果、エマの腕輪は高い防御効果を持つことが判明。さらに彼女自身を鑑定すると、なんと「付与特化型聖女」であることが明らかになる。聖女が付与した魔道具は現実の力として強く発現するのだ。
価値がないと切り捨てられた人生は、ここでは確かな力となった。スペイラ帝国で、聖女エマの新しい人生が、静かに、そして輝かしく始まる。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる