私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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66話 剣の大会2戦目でございます!

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 お互いに闘技場の舞台の真ん中まで行き、一礼後、握手をする。
 二人が何やら話してるみたいなので、良聴 を駆使して聞いてみる事にした。


「嬢ちゃん、悪いが手加減はできないぜ? 俺も優勝したいからな。それも、あのグライド剣士様の娘とくりゃ…」
「はい。わかってます。ただ、ぼくも負けるつもりはありません。応援してくれてる人達が居るんです」
「へっ…。いいね」


 その後二人は審判に促され、舞台の中央から左右に散り、そこで互いの慣れた構えで剣を構える。


《それでは、2戦目2回戦…はじめっ!!》


 始まると共に二人は舞台中央まで走り、剣を合わせた。

 パワルスという人の装備は、リンネちゃんよりは重装備であったけれど、一般的に見れば軽装備の部類に入るような装備だ。
 そして剣がデカイ。
 普通の両手剣よりも1回りはデカイ。

 おそらく筋肉がムキムキのあの人だから装備でき、扱える剣だろう。リンネちゃんが装備したら、うまく扱えない。
 ロモンちゃんだと…まず持てないだろうね。

 見た目的にもパワルスとかいう人はおそらく、リンネちゃんの体重の2倍以上はあるだろう。
 だから、リンネちゃんは剣を合わせた瞬間に後ろによろけてしまった。

 ただ、よろけただけで済んだと言うべきか…。
 リンネちゃんのステータスが高くなかったら、1戦目でパワルスとかいう人に吹き飛ばされた女の人みたいになってたか、転ばされてたはず。

 一見すると、子供が大人に挑んでるようにしか見えない…いや、年齢的にもそのままかな。
  だけどリンネちゃんは普通の少女ではない。

 相手がリンネちゃんがよろけたと共に追撃をしてきたけれど、それを難なく回避。
 スピードはやっぱり圧倒的にリンネちゃんが上。

 リンネちゃんは構え直し、相手に向かって剣を振る。
 首を狙って放たれた剣だったけれど、それをパワルスとかいう人はその大きな両手剣で防いだ。

 しかしそれはリンネちゃんにとって牽制を兼ねた捨てる攻撃だったみたいで、本命はもう片方。
 先程の攻撃とは桁違いの剣の速さでリンネちゃんは相手の鳩尾を突いた。
 相手はそれに気づいて対応しようとしたけれど、間に合わず、鎧越しとはいえ、急所にモロに食らってしまった。

 苦痛に相手の顔が一瞬だけ歪む。

 しかし隙ができたわけでなく、剣をリンネちゃんに向かって振る。
 それも難なくリンネちゃんはかわしたけれど、少し相手との距離ができてしまった。
 言うなら、相手にとっては間合いだけれど、リンネちゃんの攻撃は届かない場所。

 そのまま痛みに耐えながら、相手は素早く突く。
 攻撃の仕方を威力重視ではなく、スピード重視に切り替えたようだ。
 まあ、リンネちゃんがパワルスとかいう人の攻撃を一撃でも食らえば大分痛手を負う…と、普通なら考えるよね。

 しかし、やはりそれでも速さは圧倒的にリンネちゃんが上であり、突きを回避、リンネちゃんはその一瞬でまた間合いに潜り込んだ。

 相手は突きから斬りに変換…するも間に合わず、リンネちゃんはその間に2連続で脇腹、脇下を攻撃をした。
 これには耐えきれなかったのか、軽く後ずさりをするパワルス。

 剣の性能を全部引き出したり、断裂斬とかの技を使えばここで倒せてたんだろうけど、まだ使わないようにしてるんだね。リンネちゃんは。
 後の試合に残すためかな。

 パワルスとかいう人が後ずさりし、一瞬だけ怯んだその瞬間から、リンネちゃんはそのままの勢いで素早い攻撃を繰り返し始めた。
 相手はなんとか剣で防いでいるが、それも時間の問題だと感じたのか、相手は一か八かと剣を上段に構えた。

 そしてリンネちゃんの攻撃の合間、普通の人だったら回避できないようなその一瞬を狙い、その剣を振り下ろす。

 しかし、それはメチャクチャ素早いスピードと反射神経を持つリンネちゃんには意味の無い。
 リンネちゃんはその振り下ろし斬りを回避し、その勢いを生かして再度鳩尾を突く。

 結果、筋肉モリモリのパワルスとかいう人は膝をつき、リンネちゃんはその顔に剣を寸止めさせた。

 審判が試合を止める。


《決着ぅぅぅっ!! 勝者リンネ! 体格差・性別・筋力差をものともせずに勝利したぁぁぁぁ!!》


 ワァァと会場が湧き上がる。
 まだ2回戦目なのに、相当な盛り上がりだよ。ほんと。
 リンネちゃんはどこか満足そうな表情をしているパワルスと握手、挨拶を交えてから控え室に戻っていった。
 
 
◆◆◆


「わー! おめでとうお姉ちゃん!」


 
 リンネちゃんが私達の元に戻ってきた。
 どこか照れくさそうにしている。
 ロモンちゃんはリンネちゃんに抱きついた。


「えへ、応援ありがと! 次も頑張るよ」

 
 みたところ怪我とかは全くないみたい。
 リンネちゃんはやっぱり強いよ。もしかしたら私が居なくても、あと数年後にはこのレベルの強さに自力でなっいた可能性が高い。


【2戦目突破おめでとうございます、リンネちゃん。そういえば初めての公式での一対一の試合でしたよね。どうでしたか?】
「うーーんと、そうだね……」


 リンネちゃんは私のその問いに、しばらく頭を悩ませていた。なにかいい事を言おうとしてるのね。
 そんな風に悩んでるところも可愛い。


「えっとね、なんかこう…ただ戦って勝つだけじゃダメなんだなーって。対戦してくれてありがとうございました…って気持ちが大切だな…なんて、ね」


 こんな大勢の前で真剣勝負をして、リンネちゃんは剣士として少し成長したみたい。
 もちろん、ロモンちゃんも私と魔物の武闘大会にでて、色々と学んだことはあるよね。
 やっぱり二人ともにとって、大会に出ることはとても大切なことなんだよ。


【そうですね。リンネちゃん、すこし大人になったんじゃないですか?】
「え、そうかな? ロモン、ぼく大人になった?」
「お姉ちゃんが? ……さあ……。どこも変わったようには見えないよ?」
「ちょっと…ロモン。どこ見ていってるの」


 ロモンちゃんはリンネちゃんの胸を見つめている。
 見た目じゃない、見た目じゃないんだよ、ロモンちゃん…。


「そんなことよりお姉ちゃん。もうすぐ次の試合が始まるよ」
「あ、そうだね」


_____
____
___


 試合を全て見終わった私達は、宿に戻ってきたの。

 宿に入るなりすぐに、リンネちゃんとロモンちゃんは、宿泊客の色んな人から、大会に関することで声をかけられてちょっと忙しそうだった。

 
「ふぅ…。まだぼく優勝してないのに…。みんな、期待しすぎだよ…。ね、アイリスちゃん」
【そうですね。ですが、期待されることは良い事です。決して奢らずに感謝の心を持って、次の試合も臨みましょうね】
「うん! だからアイリスちゃんもぼくを応援してよね」
【ずっとしてるではないですか】
「えへへ、うん。ありがと。ロモン、アイリスちゃん」


 そう言うと、リンネちゃんは私とロモンちゃんを一度に抱きしめた。 
 今日はやけにリンネちゃんからのスキンシップが多い気がする。もしかしたら、リンネちゃんって緊張したら人にベタつくタイプなのかもね。

 私達は明日の準備をして、早々に眠る事にした。
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