周りがやきもきするだけの話

昔話

とある兄弟の話

あるところに1組の兄弟がいた


弟は基本属性全てと創造・重力の属性を持っていた
現在貿易大国になっている国を取り返した先代国王とともにクーデターを起こし、「戦神」と呼ばれるほどの強さを持っていた
その強さは弟を将軍に押し上げ、国を守った

兄は全ての属性を持っていた
しかし力を見せびらかすことをせず、穏やかな暮らしをしていた
その慈しみも愛情も、全て弟とその周囲に向いていた





勇者が召喚されるまで


兄はいわゆる転生者だった
勇者により、家族を奪われた転生者だ
魂が消える寸前で邪神に救われ、転生者した転生者だ

勇者が召喚され、兄は姿を消した
勇者に復讐するため、今まで積み重ねた全てを捨てたのだ





そして勇者と兄が相見えた時、兄は全てを暴露した


勇者召喚には生贄が必要だ
生贄と言っても、知り合いの時たま流れる血を数十年かけて集めるだけだ

しかし、その勇者は知り合いを贄にしたくないと言った
だが、贄は必要だ

結果、神はなにも関わりのない一家を「惨殺」し、贄とした
神に運命を歪められた彼らは、邪神に助けられた



そして、兄は復讐のために転生したのだ

結果、兄は復讐を果たした
勇者と、その巻き込まれを殺した

兄はその後、勇者の使い魔たる属性神に殺された
なにも知らなかった弟は、息絶えた兄と姿を消した




















そして、魔族や邪神と和解し、互いに不干渉を決めて勇者の要らない世界を作った