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3. 星空観察で不思議な出会い!?
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初日は、藍ちゃんの言う通り委員会を決めたり、自己紹介をしたりで終わった。
あと数日もしたら、また授業が始まるんだなぁ。
でもその前に、クラスレクの日があるって言ってたっけ。係決めの時、レクの内容や取りまとめをする「レク係」だけ、なかなか決まらなかったんだよね。誰か立候補してくれないか~って先生は言ってたけど、私には無理だな。企画とか、楽しいことを創造していくのは苦手だもん。
カラスがカァと鳴く帰り道。
私はリュックを背負い直して、オレンジに染まった道を歩いていた。初日だけで色々あったけど、これから星空観察をするんだ! 趣味でしっかり息抜きしよっと。
「着いた~!」
誰もいないのを良いことに、思いっきり伸びをする。
目の前にはいっぱいの草原。元気な緑たちが、広い空に両腕を上げてるみたい。ぽつぽつと咲いてる花もとてもきれい。障害物が全くなくて、見えるのは草原と夜空だけ。ここは私とっておきの、星がよく見える丘なんだ。天ヶ丘、って名前も好きで、よくここに来る。
ふわっ。 制服のまま寝転ぶ。
うーん、心地いいな。何だか寝ちゃいそう。
空にはぽつぽつ、街の光に負けない星の光たち。
この時間の空って、とても素敵。夕暮れじゃない、夜でもない、そんな時間。ふたつの時間を結ぶように、白い星がふたつみっつ輝いている。まるで、「もうすぐ夜だよ」って、お知らせしてくれてるみたいに。
「あっ! 今日北斗七星が見える!」
私の髪留めと同じ、ひしゃくの形。明るい星が多いから、見つけやすいんだよね。
暗い夜の中に、ピカピカッ。ピカピカッ。
きれいだなぁ。星ってものすごく遠いところにあるのに……私のいる場所まで光を届けてくれる。本当にきれい。それに、すごい。
あんなに星はがんばって光ってるから、私もがんばろう! って思える。
「ん?」
気のせいかな。今、夜空にある星がゆれたような……。
「え……えっ、嘘!?」
気のせいじゃない! やっぱりゆれたよ!
私は思わず立ち上がって、じっと星を見つめた。
星がゆれる。ゆらゆらっ。そして……星がひときわ眩しく、白く光った!
「っ! まぶしい……! 何?」
うそ、今度は星が落ちてる! 今日は流れ星がみられるなんて予報はなかったのに。
しかも、落ちてる星はどんどんこっちに近付いていて……この丘の近くに、白い光が落ちていった!
「あ、あっちに落ちた……?」
つぶやいて、ごくり。息を飲む。
近くに流れ星が落ちるなんて。
危ないかもしれないし、ちょっと怖いけど……でも星のこととなると好奇心は抑えられなくて。
私は星の落ちた場所に向かってみることにした。
えっと……この辺だったかな?
胸がドキドキする。だって、流れ星の落ちた場所なんて。
大抵流れ星は、地上に落ちる前に燃え尽きちゃうんだ。ものすごい勢いで落ちてくるから、もし地上に落ちたらその場所に被害が出ることもある。
でも落ちた時に、何も音はしなかったよね?
「よい……しょ」
草をかき分けて、少し開けた場所に出た。
「かぐや姫」に出てくるおじいさんは、金色に光る竹を見つけた時こんな気持ちだったのかな。一歩。近付くたびにソワソワして。一歩、近づく度にこわくもなってくる。
ものすごく近くまで来た。
たぶん、この少し大きな岩。背後が白く光ってて、ぼんやりと照らされている。この岩の裏に……。
私は息を飲んで、岩の裏手に回ってみた。
「……え? これって……」
だけど。岩の裏に広がっていた光景は、私の想像していたものと違った。
白い光がぽうぽうと輝く中に落ちていたのは。星ではなく、一匹の白い子ぐまだった。
えっ……えっ。な、なにこれ?
眠っているみたい。背中を丸めて、目を閉じている。
ぬいぐるみ、かな。大きさは、お店でよく見るテディベアと同じくらい。ふわふわとした毛はとっても触り心地が良さそう。首には青いスカーフが巻かれていて、さらに星の形をしたバッヂがついていた。
でも、子ぐまのぬいぐるみにしてはおかしいところがある。
この子ぐま、ものすごくしっぽが長い。
くまと言えば、可愛くて丸い小さな尻尾だよね?
それがこの子のしっぽは、この子自身の身丈くらいにしっぽが長い。
「くまじゃないのかな……?」
くまに手を伸ばしてみる。
わ、本当にふわふわだ……! わたがし、雲、世界のふわふわを全て集めて作ったみたい。
もふ。もふ。気持ちよくて、思わず何回かなでなで。誰かの落とし物なら、交番に届けなきゃいけない。けど、もう少しだけ……。
その時。 パチッ! と、勢いよく目が開いた!!
「うわぁっ!?」
「ふわぁぁよく寝た!! おはよう!!」
しかも話しかけてきた!?
子どもっぽくて、高い、女の子の声だ。
「よ、よく出来たお人形さん……」
「ねぇ、ここどこ? 気がついたら寝ちゃってたよぉ、帰らなきゃ」
帰らなきゃ……って、持ち主のところに、ってこと?
もぞもぞ動き始めた子ぐまを慌てて抱えなおす。目が開くし、喋るし、動くの!? 最近のぬいぐるみって本当によく出来てる。
子ぐまは辺りをきょろきょろしたかと思うと、私のほうを見上げた。
くりくり、ビー玉のような透き通った目だ。夜と全く色をしている。その色の中に、鮮やかな金色、赤や青がパチパチ。はじけて見えた。瞳の中に星が光っているみたい。綺麗……。
「ねぇ、あそこに帰る方法を知らない?」
「あそこ?」
短い腕、柔らかそうな肉球が指す方向。
それは私がさっきまで眺めていた、満点の星空だった。
「……え?」
「ワタシ、あそこから落ちてきたはずなの! なんでかは覚えてないけど……元の場所に帰らなきゃならないの! ……どこに戻らなきゃいけないかは覚えてないけど……」
「覚えてないことだらけじゃない……」
それに、星空から落ちてきたってどういうこと?
何だか、人形らしくない。けどこれが人形じゃないとなると、しっぽの長い子ぐまが喋ってるってことになるし……この子は、一体?
「ねぇ、もっと詳しく色々教えて? 分からないことだらけだし、私も混乱しちゃうよ」
聞いてみると、返ってきたのはコテン、という首を傾げるしぐさだけ。
きゅん、と胸が鳴る。何者なのか分からないのはさておき、やっぱり可愛い。
「分からない……だってワタシ、『あそこから落ちてきた』ってこと以外、なにも覚えてないんだもの」
それって、記憶喪失ってやつなんじゃ……?
がさがさっ。
ふと背後から物音がして振り返る。何!?
後ろには、うすぐらーい色をした、ちょっと背の高い草だけ。
「なんかいるね!」
「や、やめてよ、怖いから」
腕の中できゃっきゃとはしゃぐ子ぐまちゃん。全然わくわくしないって!
そのまま二人、私たちは草影を見つめ続ける。
すると……ヌッ……と、黒い影がゆっくり現れた。そして、言った。
「……見つけた……」
ヒッ。喉が引きつる。
「ねぇ、君…………」
「きゃあああああああっ!!」
話しかけられた! 見つけたって何!? 怖い、もう無理!
パニックになった私、目をつむって、きびすを返して猛ダッシュ! 子ぐまちゃんを抱えたままだとか、家に帰ってどう説明しようとか、そんなのも考えられなかった。
子ぐまちゃんは、まだ楽しそうに笑っている。
「『みつけた』、だって。かくれんぼみたーい!!」
「のんきだなぁもう!」
次から次へと、何なのよ~~~っ。
──私が子ぐまを連れて逃げ帰る。その背中をぼんやり見送っていたのは……私と同い年くらいの見た目をした、少年だった。
全身黒服の少年はぽつりと呟く。
「……逃げられてしまったな」
あと数日もしたら、また授業が始まるんだなぁ。
でもその前に、クラスレクの日があるって言ってたっけ。係決めの時、レクの内容や取りまとめをする「レク係」だけ、なかなか決まらなかったんだよね。誰か立候補してくれないか~って先生は言ってたけど、私には無理だな。企画とか、楽しいことを創造していくのは苦手だもん。
カラスがカァと鳴く帰り道。
私はリュックを背負い直して、オレンジに染まった道を歩いていた。初日だけで色々あったけど、これから星空観察をするんだ! 趣味でしっかり息抜きしよっと。
「着いた~!」
誰もいないのを良いことに、思いっきり伸びをする。
目の前にはいっぱいの草原。元気な緑たちが、広い空に両腕を上げてるみたい。ぽつぽつと咲いてる花もとてもきれい。障害物が全くなくて、見えるのは草原と夜空だけ。ここは私とっておきの、星がよく見える丘なんだ。天ヶ丘、って名前も好きで、よくここに来る。
ふわっ。 制服のまま寝転ぶ。
うーん、心地いいな。何だか寝ちゃいそう。
空にはぽつぽつ、街の光に負けない星の光たち。
この時間の空って、とても素敵。夕暮れじゃない、夜でもない、そんな時間。ふたつの時間を結ぶように、白い星がふたつみっつ輝いている。まるで、「もうすぐ夜だよ」って、お知らせしてくれてるみたいに。
「あっ! 今日北斗七星が見える!」
私の髪留めと同じ、ひしゃくの形。明るい星が多いから、見つけやすいんだよね。
暗い夜の中に、ピカピカッ。ピカピカッ。
きれいだなぁ。星ってものすごく遠いところにあるのに……私のいる場所まで光を届けてくれる。本当にきれい。それに、すごい。
あんなに星はがんばって光ってるから、私もがんばろう! って思える。
「ん?」
気のせいかな。今、夜空にある星がゆれたような……。
「え……えっ、嘘!?」
気のせいじゃない! やっぱりゆれたよ!
私は思わず立ち上がって、じっと星を見つめた。
星がゆれる。ゆらゆらっ。そして……星がひときわ眩しく、白く光った!
「っ! まぶしい……! 何?」
うそ、今度は星が落ちてる! 今日は流れ星がみられるなんて予報はなかったのに。
しかも、落ちてる星はどんどんこっちに近付いていて……この丘の近くに、白い光が落ちていった!
「あ、あっちに落ちた……?」
つぶやいて、ごくり。息を飲む。
近くに流れ星が落ちるなんて。
危ないかもしれないし、ちょっと怖いけど……でも星のこととなると好奇心は抑えられなくて。
私は星の落ちた場所に向かってみることにした。
えっと……この辺だったかな?
胸がドキドキする。だって、流れ星の落ちた場所なんて。
大抵流れ星は、地上に落ちる前に燃え尽きちゃうんだ。ものすごい勢いで落ちてくるから、もし地上に落ちたらその場所に被害が出ることもある。
でも落ちた時に、何も音はしなかったよね?
「よい……しょ」
草をかき分けて、少し開けた場所に出た。
「かぐや姫」に出てくるおじいさんは、金色に光る竹を見つけた時こんな気持ちだったのかな。一歩。近付くたびにソワソワして。一歩、近づく度にこわくもなってくる。
ものすごく近くまで来た。
たぶん、この少し大きな岩。背後が白く光ってて、ぼんやりと照らされている。この岩の裏に……。
私は息を飲んで、岩の裏手に回ってみた。
「……え? これって……」
だけど。岩の裏に広がっていた光景は、私の想像していたものと違った。
白い光がぽうぽうと輝く中に落ちていたのは。星ではなく、一匹の白い子ぐまだった。
えっ……えっ。な、なにこれ?
眠っているみたい。背中を丸めて、目を閉じている。
ぬいぐるみ、かな。大きさは、お店でよく見るテディベアと同じくらい。ふわふわとした毛はとっても触り心地が良さそう。首には青いスカーフが巻かれていて、さらに星の形をしたバッヂがついていた。
でも、子ぐまのぬいぐるみにしてはおかしいところがある。
この子ぐま、ものすごくしっぽが長い。
くまと言えば、可愛くて丸い小さな尻尾だよね?
それがこの子のしっぽは、この子自身の身丈くらいにしっぽが長い。
「くまじゃないのかな……?」
くまに手を伸ばしてみる。
わ、本当にふわふわだ……! わたがし、雲、世界のふわふわを全て集めて作ったみたい。
もふ。もふ。気持ちよくて、思わず何回かなでなで。誰かの落とし物なら、交番に届けなきゃいけない。けど、もう少しだけ……。
その時。 パチッ! と、勢いよく目が開いた!!
「うわぁっ!?」
「ふわぁぁよく寝た!! おはよう!!」
しかも話しかけてきた!?
子どもっぽくて、高い、女の子の声だ。
「よ、よく出来たお人形さん……」
「ねぇ、ここどこ? 気がついたら寝ちゃってたよぉ、帰らなきゃ」
帰らなきゃ……って、持ち主のところに、ってこと?
もぞもぞ動き始めた子ぐまを慌てて抱えなおす。目が開くし、喋るし、動くの!? 最近のぬいぐるみって本当によく出来てる。
子ぐまは辺りをきょろきょろしたかと思うと、私のほうを見上げた。
くりくり、ビー玉のような透き通った目だ。夜と全く色をしている。その色の中に、鮮やかな金色、赤や青がパチパチ。はじけて見えた。瞳の中に星が光っているみたい。綺麗……。
「ねぇ、あそこに帰る方法を知らない?」
「あそこ?」
短い腕、柔らかそうな肉球が指す方向。
それは私がさっきまで眺めていた、満点の星空だった。
「……え?」
「ワタシ、あそこから落ちてきたはずなの! なんでかは覚えてないけど……元の場所に帰らなきゃならないの! ……どこに戻らなきゃいけないかは覚えてないけど……」
「覚えてないことだらけじゃない……」
それに、星空から落ちてきたってどういうこと?
何だか、人形らしくない。けどこれが人形じゃないとなると、しっぽの長い子ぐまが喋ってるってことになるし……この子は、一体?
「ねぇ、もっと詳しく色々教えて? 分からないことだらけだし、私も混乱しちゃうよ」
聞いてみると、返ってきたのはコテン、という首を傾げるしぐさだけ。
きゅん、と胸が鳴る。何者なのか分からないのはさておき、やっぱり可愛い。
「分からない……だってワタシ、『あそこから落ちてきた』ってこと以外、なにも覚えてないんだもの」
それって、記憶喪失ってやつなんじゃ……?
がさがさっ。
ふと背後から物音がして振り返る。何!?
後ろには、うすぐらーい色をした、ちょっと背の高い草だけ。
「なんかいるね!」
「や、やめてよ、怖いから」
腕の中できゃっきゃとはしゃぐ子ぐまちゃん。全然わくわくしないって!
そのまま二人、私たちは草影を見つめ続ける。
すると……ヌッ……と、黒い影がゆっくり現れた。そして、言った。
「……見つけた……」
ヒッ。喉が引きつる。
「ねぇ、君…………」
「きゃあああああああっ!!」
話しかけられた! 見つけたって何!? 怖い、もう無理!
パニックになった私、目をつむって、きびすを返して猛ダッシュ! 子ぐまちゃんを抱えたままだとか、家に帰ってどう説明しようとか、そんなのも考えられなかった。
子ぐまちゃんは、まだ楽しそうに笑っている。
「『みつけた』、だって。かくれんぼみたーい!!」
「のんきだなぁもう!」
次から次へと、何なのよ~~~っ。
──私が子ぐまを連れて逃げ帰る。その背中をぼんやり見送っていたのは……私と同い年くらいの見た目をした、少年だった。
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