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第一部
14 友人の結婚
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次の日曜日、家でくつろいでいる緋紗のもとへ友人の倉田百合子がやってきた。
「あれ、百合ちゃんどうした?あがってよ」
緋紗が招き入れると百合子は遠慮せずに入って適当なところへ座った。
百合子は陶芸センターの同期で今は窯元に就職しているが来春、寿退社して地元の兵庫に帰るのだった。
のほほんとして童顔であどけない百合子に薄いピンクのカーディガンがよく似合っている。
「あんなあ。緋紗ちゃん。聞いたで。恋人できたんやってな」
「ああ、いや。まあ……」
達郎には適当に言っておいたが百合子は信頼できる仲のいい友人なので本当のことを簡単に話す。
「えー。なんやのそれ。セフレやないなあ。でも付き合ってへんのやろ?」
「うーん。どうなんかなあ。セフレっぽくはないかもしらんけど、もちろん恋人とは言えんよなあ」
百合子のおっとりした言葉遣いがうつる。
「地方妻でもなさそうや」
おっとりとしていそうなのに言う事ははっきり言う百合子に緋紗は吹き出した。
「笑いごとやないで。遊ばれとったら心配で兵庫に帰られへんわ」
「いやいや。帰ってよ。そこまで心配しなくてもお互い合意の上だし」
明るく笑いながら緋紗は言った。
「今度のお正月一緒にペンションでバイトしない?って誘われたし」
「バイトの誘い~?なんやそれ。けったいやな。普通一緒に泊まって遊ぶんやないの」
「毎年バイトしてるんだってさ」
狸顔の百合子がキツネにつままれたような表情だ。
「まあ。ええわ。緋紗ちゃんなんかきれいになってきてるし、その人のこと好きなんやなあ」
――え。好きなのかな。
「まだ私もよくわからないよ」
「そうかあ。久しぶりに恋する緋紗を見たって感じやけどね」
「一応みんなには何にも言わないで。聞かれても知らないふりしてよ」
「了解、了解。知らんふりしとくわ。備前は狭いからすぐ噂立つけどな」
「だよね」
「じゃあ帰るわ」
「あれ、もう帰るの?お昼でも一緒にしようよ」
「あかんねん。ダーリンと約束してんねん」
「はいはい。ごちそうさまー」
納得して百合子はあっさりと帰って行った。――ダーリンか……。
まだ早いが昼ごはんにすることにする。
冬休みが決まったので直樹に電話をかけることを考えているとお昼のサイレンが鳴った。
「あれ、百合ちゃんどうした?あがってよ」
緋紗が招き入れると百合子は遠慮せずに入って適当なところへ座った。
百合子は陶芸センターの同期で今は窯元に就職しているが来春、寿退社して地元の兵庫に帰るのだった。
のほほんとして童顔であどけない百合子に薄いピンクのカーディガンがよく似合っている。
「あんなあ。緋紗ちゃん。聞いたで。恋人できたんやってな」
「ああ、いや。まあ……」
達郎には適当に言っておいたが百合子は信頼できる仲のいい友人なので本当のことを簡単に話す。
「えー。なんやのそれ。セフレやないなあ。でも付き合ってへんのやろ?」
「うーん。どうなんかなあ。セフレっぽくはないかもしらんけど、もちろん恋人とは言えんよなあ」
百合子のおっとりした言葉遣いがうつる。
「地方妻でもなさそうや」
おっとりとしていそうなのに言う事ははっきり言う百合子に緋紗は吹き出した。
「笑いごとやないで。遊ばれとったら心配で兵庫に帰られへんわ」
「いやいや。帰ってよ。そこまで心配しなくてもお互い合意の上だし」
明るく笑いながら緋紗は言った。
「今度のお正月一緒にペンションでバイトしない?って誘われたし」
「バイトの誘い~?なんやそれ。けったいやな。普通一緒に泊まって遊ぶんやないの」
「毎年バイトしてるんだってさ」
狸顔の百合子がキツネにつままれたような表情だ。
「まあ。ええわ。緋紗ちゃんなんかきれいになってきてるし、その人のこと好きなんやなあ」
――え。好きなのかな。
「まだ私もよくわからないよ」
「そうかあ。久しぶりに恋する緋紗を見たって感じやけどね」
「一応みんなには何にも言わないで。聞かれても知らないふりしてよ」
「了解、了解。知らんふりしとくわ。備前は狭いからすぐ噂立つけどな」
「だよね」
「じゃあ帰るわ」
「あれ、もう帰るの?お昼でも一緒にしようよ」
「あかんねん。ダーリンと約束してんねん」
「はいはい。ごちそうさまー」
納得して百合子はあっさりと帰って行った。――ダーリンか……。
まだ早いが昼ごはんにすることにする。
冬休みが決まったので直樹に電話をかけることを考えているとお昼のサイレンが鳴った。
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