ペット女の愛され方

miyu.

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初めてのキス

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「寝るか?」


髪の毛をお互いに乾かし終えて
そのひろの言葉に頷くと
おいで、って手を引かれた。

ペタペタと素直についてくと
もう見慣れたベッドがあって
もう当たり前のように二人で一緒にベッドの中に潜り込む。


「抱き枕さ、思った以上に気持ち良かったわ」

「ほんと?」

「うん、ちょー熟睡できた」

「それは良かった」


こんなに密着してベッドの中にいるのに
手も出されずに、ちょー熟睡できたとか言われるのも
女としてちょっとショックだけどね?

こっちなんてドキドキして
心臓壊れそうだったのに。


「抱き心地がちょうどいい」

「う、うん…、」


むぎゅー、って腕の中に閉じ込められて
トクン、トクン…と鼓動が聞こえてくるから
目を閉じてその鼓動だけを感じた。


トクン…、

トクン…、

と、一定のリズムで聞こえてきて
私もそれに合わせるように自分の鼓動を落ち着かせた。










「……眠れる?」


その時、聞こえてきたその声に目を開けて顔を上げると
私の髪の毛を撫でたひろと目が合った。


「え?」

「眠れそう?このまま」

「た、たぶん…、?」


ドキドキする、とか余計なことを考えないように心を無にすれば
なんとか眠れる気がするけど…。

てか、現に昨日とかいつの間にか寝れてたし。


「寝ちゃう?」

「ね、寝ないの…?」

「んー、寝る?」


歯切れの悪い会話を続けながら
相変わらず頭をナデナデしてくれてる大きな手。

寝ないのか…?と、至近距離で見つめると
頭を撫でてた手がそのまま毛先までつたってきて
その勢いで、指先が唇に触れた。






・・・え。

明らかに今までは違う熱を持った視線と
唇に触れてしまってる指先。

撫でるように動くそれに
思わず反応してしまう。


「……ひ、ひろ…?」


身体中の熱が、神経が
いま唇に一点集中してる。

唇に心臓があるんじゃないかってくらい
震えてると思う。


「……だめだな。」

「…え?」


急に一人頷いて、すっと指を退かすと
仰向けに寝そべって、頭の下で腕を組んだ。


「な、なに?どうしたの?」


状況も理解出来ず
まだ熱の余韻が残る唇を抑えて上半身を起こすと、


「……いや、やっぱいいのかな」

「だから、なに?!」

「ペットにチューはするよな?」

「……は?」

「ペットとじゃれあって、チューってするよな?」


な?!って同意を求めるように
ひろまで勢いよく体を起こしたから
ベッドの上で向かい合い。


「んー…、いやっ、まぁ…動物はするかな?」

「うん、だよなやっぱり」

「……でもそれはどうぶ、────っ、!


私が言葉を言い終わらないうちに
ちゅっ…、と一瞬触れた唇。

一瞬のことで何が起こったのか頭で理解するのに時間がかかって
呆然とする私に
今度は策略的に、視線を絡ませてからゆっくりと唇が近付いてくる。


「………ん、…、」


それを拒絶しようなんて選択肢を与えない雰囲気に
全てを委ねてしまって目を閉じた。

後頭部を抑えつけられて
ちゅっ、て触れるだけのキスを繰り返し
焦れったいほどに甘く溶かしてく。





「……気持ちい?」


音を立てて唇を離すと
低く甘ったるい声で囁かれ、


「おやすみ。」


最後にもう一度唇にキスを落とすと
また私を腕の中に閉じ込めながらベッドへと寝かされた。



「・・・///」


ドッ、ドッ、ドッ…、とフルマラソンでもしたくらいの音を立ててる自分の心臓がうるさくて
寝られるわけない。

こんな……、こんな気持ちにさせといて
そんないい声で、おやすみとか言われても…!!


でも、そんな私の気持ちはお構い無しに
規則正しい寝息が聞こえてきた気がして
私だけがその腕の中で一人悶々と眠れない夜を過ごした。
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