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ちっちゃい
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「……また寝落ちった。」
ピピピピ…、と枕元で鳴り響く自分の携帯のアラーム音で目が覚めると
また隣にはもうひろはいなかった。
ご主人様の出社を見送れないペットとか
とんだ出来損ないなペットだわ、私。
もそもそと一人ベッドを降りて軽く整えてると
フラッシュバックした昨日のあの出来事。
”気持ちい?”
「っひぃぃーっ!!///」
思わずボフッ、とせっかく整えた布団を投げつけた。
自分の唇に手を当てると
まだ鮮明に思い出される感触と温もり。
触れるだけのキスだっていうのに
相当気持ち良かった。
ペットとしてのキスが解禁(?)されてしまったから
これから毎日寝る前にあのキスがあるのかな…?
あの柔らかくて、ぷるぷるしてる唇が………、
「っだぁぁーーー!!」
やめやめっ!欲求不満かっ!!
頭を振って邪念を振り払い
投げつけた布団をまた綺麗に整えて寝室を出た。
「あ。」
また用意してくれてる。
リビングに入ると目に入った
チョココロネと、ウインナーが乗ったパンが二つ。
そして、隣には達筆な置き手紙。
”夜遅くなりそうだから先に飯食ってて”
そう書かれてた手紙をコロネをもぐもぐしながら眺めた。
「そっかぁ、遅くなるのかぁ…」
昨日の残りは大量に冷蔵庫に入ってるし
今日は一人で夜ご飯かな。
ちょっとだけ寂しい気持ちになりながらも
その手紙を綺麗に折り畳み
「いってきまーす」
と、誰もいない部屋にそう言って
ひろから貰った合鍵で施錠をして仕事へと向かった。
.
━━━━
「あ、シロさんっ」
仕事も終わり
日が沈みかけてる道を歩いて、マンションへ着くと
ちょうどシロさんがエントランスへと入り込む後ろ姿が見えた。
「お、今帰り~?」
「うん、シロさんも?」
「そっ。ミツは遅くなるみたいだけどね」
「らしいですね…、」
同じ社長なのにいつもシロさんだけ暇してるイメージ…、
だけど言わないでおこ、これは。
「ご飯食べた?一緒に食べない?」
「いいですね!
昨日の残りたっぷりあるし」
「じゃあ着替えたらそっち行くわ~」
「はーい」
ナチュラルにそう約束してエレベーターに乗り込んで
ボタンを押してくれるシロさんの後ろ姿を見つめた。
「・・・(じーっ)」
スラッとしてるから、スーツがとってもよく似合う。
足が長っいし
腕も長いし、これは抱きしめられたら私すっぽり、
「なに?」
ガン見してると急にこっちを振り返って怪訝な顔を見せた。
ハッ、と我に返ってぶんぶんと頭を横に振る。
「見とれてたでしょ、俺に」
「は、はぁ?!」
「えっち。」
「見とれてないっ!」
「えー?ほんとにー?」
目を細めながら
なぜか一歩ずつこっちに近付いてくるから
思わず後ずさった。
「な、なにっ、」
ジリジリ…、と詰め寄ってくるシロさんに
行き場を無くした私はエレベーターの壁へとぶつかって行き止まり。
その瞬間───
むぎゅっ、
と、硬い胸板で押し潰された。
「・・・・?」
目の前がシロさんのスーツでいっぱいになって
その間にも、ぎゅーぎゅーと押し潰してくるから
ぷはっ、と顔を上げた。
「ちょっと?!」
「ぷっ、ちっちゃいね」
「……は?」
何を言ってるのか分かんないし
なんで急に押し潰されてんのかが分かんない。
なにこれ。
どんな状況なわけ?
「じゃっ、またあとで」
そんな私の心境はよそに
ちょうど到着したエレベーター。
ふわっと体が解放されて
ふんふん、と鼻歌を歌いながは陽気にそのまま行ってしまう。
「・・・」
意味不明。
取り残された私は、ただ首を傾げることしかできなかった。
ピピピピ…、と枕元で鳴り響く自分の携帯のアラーム音で目が覚めると
また隣にはもうひろはいなかった。
ご主人様の出社を見送れないペットとか
とんだ出来損ないなペットだわ、私。
もそもそと一人ベッドを降りて軽く整えてると
フラッシュバックした昨日のあの出来事。
”気持ちい?”
「っひぃぃーっ!!///」
思わずボフッ、とせっかく整えた布団を投げつけた。
自分の唇に手を当てると
まだ鮮明に思い出される感触と温もり。
触れるだけのキスだっていうのに
相当気持ち良かった。
ペットとしてのキスが解禁(?)されてしまったから
これから毎日寝る前にあのキスがあるのかな…?
あの柔らかくて、ぷるぷるしてる唇が………、
「っだぁぁーーー!!」
やめやめっ!欲求不満かっ!!
頭を振って邪念を振り払い
投げつけた布団をまた綺麗に整えて寝室を出た。
「あ。」
また用意してくれてる。
リビングに入ると目に入った
チョココロネと、ウインナーが乗ったパンが二つ。
そして、隣には達筆な置き手紙。
”夜遅くなりそうだから先に飯食ってて”
そう書かれてた手紙をコロネをもぐもぐしながら眺めた。
「そっかぁ、遅くなるのかぁ…」
昨日の残りは大量に冷蔵庫に入ってるし
今日は一人で夜ご飯かな。
ちょっとだけ寂しい気持ちになりながらも
その手紙を綺麗に折り畳み
「いってきまーす」
と、誰もいない部屋にそう言って
ひろから貰った合鍵で施錠をして仕事へと向かった。
.
━━━━
「あ、シロさんっ」
仕事も終わり
日が沈みかけてる道を歩いて、マンションへ着くと
ちょうどシロさんがエントランスへと入り込む後ろ姿が見えた。
「お、今帰り~?」
「うん、シロさんも?」
「そっ。ミツは遅くなるみたいだけどね」
「らしいですね…、」
同じ社長なのにいつもシロさんだけ暇してるイメージ…、
だけど言わないでおこ、これは。
「ご飯食べた?一緒に食べない?」
「いいですね!
昨日の残りたっぷりあるし」
「じゃあ着替えたらそっち行くわ~」
「はーい」
ナチュラルにそう約束してエレベーターに乗り込んで
ボタンを押してくれるシロさんの後ろ姿を見つめた。
「・・・(じーっ)」
スラッとしてるから、スーツがとってもよく似合う。
足が長っいし
腕も長いし、これは抱きしめられたら私すっぽり、
「なに?」
ガン見してると急にこっちを振り返って怪訝な顔を見せた。
ハッ、と我に返ってぶんぶんと頭を横に振る。
「見とれてたでしょ、俺に」
「は、はぁ?!」
「えっち。」
「見とれてないっ!」
「えー?ほんとにー?」
目を細めながら
なぜか一歩ずつこっちに近付いてくるから
思わず後ずさった。
「な、なにっ、」
ジリジリ…、と詰め寄ってくるシロさんに
行き場を無くした私はエレベーターの壁へとぶつかって行き止まり。
その瞬間───
むぎゅっ、
と、硬い胸板で押し潰された。
「・・・・?」
目の前がシロさんのスーツでいっぱいになって
その間にも、ぎゅーぎゅーと押し潰してくるから
ぷはっ、と顔を上げた。
「ちょっと?!」
「ぷっ、ちっちゃいね」
「……は?」
何を言ってるのか分かんないし
なんで急に押し潰されてんのかが分かんない。
なにこれ。
どんな状況なわけ?
「じゃっ、またあとで」
そんな私の心境はよそに
ちょうど到着したエレベーター。
ふわっと体が解放されて
ふんふん、と鼻歌を歌いながは陽気にそのまま行ってしまう。
「・・・」
意味不明。
取り残された私は、ただ首を傾げることしかできなかった。
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