ホーリーノヴァ

虎キリン

文字の大きさ
8 / 11
ホーリー大穴 一層

ホーンラビット前編

しおりを挟む
2年後

 7歳になったおれとサイカは、ヒの村とミの村を行き来するようになった。じいちゃんは、元気になったのだが、もう、ホーリー大穴の一層に潜ることはしない。代わりに畑を耕して、おれに野菜をいっぱい食べさせてくれる。カークも食べろと、カークが家に来たときいつも言っている。カークは、身長が、1.7メートルになった。サイカを乗せても、乗せていないように速く走る。

「じいちゃん、サイカたちが来たよ」
「やっと来たか」
「おじいちゃん。野菜取りに来た」
「オ、オレモ」

「こりゃカーク。ちゃんと野菜を食っとるじゃろうの」

「クッテル」

「嘘付け、さっきどもっとったろうが」

「オレ、ヤサイ、キライ」

「肉ばっか食っとったら。ええ、大人になれんぞ。分かったら、これを持って行け」

「こんなに!。おじいちゃん、ありがとう」
「ウ、エー」

「カークは、これの半分は食え」

「カーク返事は?」
「ワカッタ、アリガトウ」

「ハハ、じいちゃんそれぐらいで。カークも、肉を持って来てくれるだろ」
「カークも腕をあげたな。じいちゃんの誇りじゃ。みんなに言っとくな」

 みんなとは、カークの家族のこと。おれのじいちゃんと、カークのじいちゃんは、酒飲み友達だ。

 今日、おれたちは、ホーンラビットに挑戦する。ホーンラビットは、猪ぐらいあるウサギだ。2本の角は、1本、スライムの魔石の欠片10個に相当する大物だ。何よりホーンラビットの肉は最高にうまい。

 カイとサキがパーティーを組んだ。今日は、サキのミの村近くで狩りをしている。ここにホーンラビットが出現したという目撃情報が多数入っているからだ。たぶん一匹じゃない。おれたちは、じいちゃんの野菜を持ってミの村のサイカの家経由で、一層に入って二人と合流する。ライバルは多いだろうが、結局だれが狩っても、ホーンラビットの肉にありつける。でも、今日は、おれたちが狩る番だ。

 ホーンラビットは大物だ。一昨年初めて一層に入ってから、まず、青スライム、一角ウサギ、紫スライム、そして初めてのトカゲ。青しっぽトカゲは、青スライム同様、怖くないトカゲだけど、とてもすばしっこい。いざとなったら尻尾を切って逃げるから、厄介だった。トカゲと蛇は、種類こそ変わるが、ずいぶん下の層まで生息しており、習性もよく似ている。その中でもトカゲは、進化すると言ったらいいか、凶暴になっていく。そして、フルーツコウモリ、蛇のコンダを経て今回、ホーンラビットに挑戦する。

 ほかにも、カエルや蜘蛛や蜂と戦った。まだ戦えない、魔犬クーシーや風燕といった多種多様な生物が一層にいて、それが下の層に行くと、恐ろしく強いモンスターになっている。おれたちの当面の目標は、二層に降りること。その先は、人種の到達限界層といわれる四層を突破することだ。その元になる種の動物や怪物は、アンデット以外ほとんど一層にいる。幼い自分の体も成長させないといけないし、一層のモンスターを統べて狩れるように段階を踏んでいるところだ。一層には大人でも勝てないことがあるジャイアントベアーもいる。一層は、奥が深いのだ。

 今まで、おれが悩んでいたのは、人種なのに竜種と同じように上昇するステータスのことだ。ベースステータスも、まだ成長段階だから上がる上がる。恐ろしいスピードでレベルが上がる。
 この世界の限界は、どの種族もLv999と一緒なのだが、人種の限界というのは、だいたいレベル99ぐらい。元々おれは、前世でそれを突破していたし、ドラゴンは、プロトンドラゴンやタイフーンドラゴンの様にLv999より上になる個体もいる。

 おれの場合、竜種と同じスピードで強くなっているため7歳で、人種で言うと人種限界近くのステータスをしている。でも、仲間と共に成長したい。それで、実力を抑えに抑えて日々の狩りをしていたところ、称号「修行を極める者」というのを獲得した。これは、自分の力の1/10が全力になるというもの。この称号を得たおかげで、最近、全力で狩りができるようになった。この称号の性で、レベル上昇がさらに早くなっている。そうなっても1/10なら問題ない。現在、これで負荷をかけまくって、サイカとカークと肩を並べて修行している。だから最近は、狩りが楽しくて仕方ない。

 そして3人の中で、一番の頑張り屋さんのサイカを人種より強くするのがおれの目標。おれは、こいつらと、このダンジョンを攻略したい。

「今日は、サイカがメインだからな。カークはあんまり手を出すなよ」
「ワカッテイル」
「サイカ頼んだぞ」
「うん」

 ここで、サイカのステータスを見て保存を更新した。

サイカ 人族 召喚士

Lv:10
HP:126
MP:126
SP:126
攻撃:54
防御:52
魔力:33
速さ:77
属性:光

スキル
 風障壁 バリア

称号
 竜の守り手


 サイカは、ここ2年で、防御力をものすごく伸ばした。光属性のバリア魔法をずっと修行していたので、カークが危なくなった時、何度かその力を発揮して助けている。称号:竜の守り手は、その時得た。これのおかげで弱点だった防御が一挙に+20補正された。いまでは、得意だった攻撃力を抜きそうな勢いだ。

「じゃ、じいちゃん行ってくる。カーク行くぞ」
「オウ」
「気いつけてな」

 そしてカークのステータス

カーク 恐竜族 召喚獣

Lv:28
HP:1502
MP:1502
SP:1348
攻撃:223
防御:363
魔力:108
速さ:526
属性:風

スキル
 脱兎 風障壁 砕牙 回転蹴り

称号
 太古の記憶を受け継ぎし者 魔石を掴む者

 カークは、恐竜でもスピードタイプ。そして掴み攻撃や蹴り攻撃が得意。ずっと青スライムの魔石をサイカと取り出そうと修行していて、目的とは違うが、それをしつこくやっていたおかげで、スライムの核を握りつぶせるようになった。称号:魔石を掴む者を得て、モンスターの核がどこにあるか分かるようになった。


 おれたちは、カイのあんちゃんと、サキがいるミの村の入り口に向かった。その道中で、おれのスキルを整理した。殆どのスキルをOFFにしているが、伸ばしたいスキルもある。

オビト 人族 竜騎士

Lv:87
HP:4289
MP:6227
SP:3898
攻撃:1038
防御:979
魔力:10753
速さ:1260
属性:風

スキル
 風障壁 視覚強化 聴覚強化 嗅覚強化 鋭気功、硬気功 剛気功 鷹の目 ウサギの耳 犬の鼻 能力向上 筋力強靭 四肢硬化 加速 倍加速 超加速 毒耐性 マヒ耐性 痛み無効化 鑑定 賢者 六属性耐性 合成魔法・・・etc

称号
 時空を渡りし者 母姉の生命を受けし者 森羅万象を解く者 ドラゴンスレーヤー 天使の祝福を受けし者 修行を極める者

エレメンタル

光:2724
火:2144
風:3001
水:1825
土:2231
闇:1614

 この中で、スキルの合成魔法というのをONにして、新たな魔法を覚えたい。せっかく6属性の魔法が使えるのに何で合成魔法の修業しないんじゃと、じいちゃんに怒られた。でも、合成魔法なんて誰も教えてくれない。今までは各属性魔法を覚えて棲み分けするために、このスキルを切っていたが、これからは頑張ろうと思う。

「なあ、サイカ。合成魔法を考えてくれたか?」
「サキお姉ちゃんに聞いたよ。相性のいい属性を掛け合わせたらどうかなって言ってた。例えば、ベースは火属性。風は火を煽るでしょう。火は光を出すから、光とも相性がいいんじゃないかなだって」
「なるほど、憶えとく」

「オビトハ、ゴウセイマホウカ。オレハ、トクイワザガ、スクナスギルッテ、ジイチャンニ、オコラレタ」
「この間、実家に帰った時だろ。それ、うちのじいちゃんに聞いた。最近は、紫スライムとかと戦ってたんだ。普通、毒耐性ぐらい持っているはずだもんな。実家で酒飲んでぶっ倒れたんだろ。サイカに守られ過ぎじゃないか」
「ダヨナ。ソレデ、トクイワザヲキカレテ、スクナスギルト、アキレラレタ」
「サイカが、砂化魔法を練習している時に、二人で狩りに行ってみるか?。過酷になるけど」
「サイカ、イイカ」
「ダメよ、怪我するじゃない」
「カークを甘やかすなよ」
「でもー」
「ダイジョウブダッテ」

 おれたちは、ここらで、もう一ランク力をつけないといけないのだ。



 ミの村から一層に入る。
 そこにカイとサクが待っていてくれた。二人は、この2年で、大人って感じになっていた。

「来たな」
「今日は、サイカが、頑張るのよね」

「お願いします」
 カーク
「あんちゃん、どんな感じだ」

「ホーンラビットが、集団でリニュリオンしそうな感じだ。中には、五層で、飛カンガルーに進化する奴が、現れるかもしれん」
「じゃあ、ラビットキングが、いるのか」
「ああ。二層入り口に側の森近くまで行かないといけなかもな。いっぱいいたら、おれたちも忙しくなるぞ」
「いいんじゃない。うちの村長さん所の燻製小屋が忙しくなるってことよ」
 ミの村の村長の家には、燻製小屋がある。燻製にすると、肉をある程度保存できる。

 二人ともホーンラビットぐらい余裕という感じに見える。それでも、一番弱いサイカを前面に出すのだ。全く手を抜かないという感じで、顔が引き締まっている。

 狩りの仕方はこうだ。まず、一角ウサギを追い立てる。一角ウサギは、助けを求めてホーンラビットがいるところに逃げ込む。なぜ一角ウサギがホーンラビットの居場所をサーチできるかは不明だが、それで、ホーンラビットが出てくる。そこを鎌イタチの魔法で強引に倒すというのが、今日の狩り。もし出てくるホーンラビットが一匹ではなかったら、そりゃもう大変なことになる。みんな手も足も出してサイカを助ける。だけど一匹だけだったら、カークも手を出さない。サイカの力だけで乗り越えてもらう。

「じゃあ、水場に行こう。先にスライムを倒して、一角ウサギが水を飲みやすいようにしてやろう」
「そういや昔、カークがホーンラビットに、おもいっきり追いかけられたよな」
「サイショノコロノ、ハナシダヨ」
「今は、逆に追っかけているわ」
 実際カークのステータスは高い。おれは、ステータスを数値化できることを誰にも教えていない。昔のおれを知っている奴に隠す必要はないが、今そんなことを言うと、自分の時間が無くなって修行どころでは、なくなってしまうだろう。この世界で、そんなことが出来るのはおれだけだからだ。

「サイカも結構走るの早いけど、ホーンラビットが出るまでは、カークでいいんじゃないか」
「お願いねカーク」
「ソウスル」

 水場のスライムを倒して、茂みに潜む。サイカは、カークの上に乗って一角ウサギを待つ。カークは、Dの店で買った立派な鞍をつけている。この鞍は、サイドバックが左右に有って簡易のキャンプ道具まで入る。その他いろいろ二人で工夫しているみたいだ。この鞍は、最高の使い心地だとカークが言っていた。

 一角ウサギが現れた。耳をピンと立てて警戒している。みんな水ぐらい飲ませてやろうと思っている。だからサイカも動かない。

 一角ウサギは、水を飲みだすと警戒心を解いて、水を飲むのに必死になってしまう。サイカとカークは、茂みから姿を表して、じりじり一角ウサギに近づいて行く。一角ウサギが気づいたときには、相当近くまで詰め寄っていたので、驚きが倍。必死になって逃げる。

 一角ウサギが、耳をピンと建てた。
 ピピン?

「カーク、一角ウサギが気づいたわ。『雄たけび』!」
 アッ、ギャーーーーー

 もうそこからの一角ウサギは、死に物狂いで逃げる。今のカークだと余裕で追いつけるのだが、オラオラーと、一角ウサギを煽りながらついて行く。

「おれたちも行くぞ」
「了解」
「サキが、フォローなんだろ。先に行け」
「任せて」

 おれたち後続組は、静かに二人の後を追った。

「やっぱり、一層の奥まで逃げるわね」
「オビト、呼び笛を準備しろ。総力戦になるかもしれないぞ」
「楽しみだ」

 二層に降りる入り口には、強いモンスターが集まっている。下手をしたら、ホーンラビットだけでは済まないかもしれない。呼び笛は、今、一層に潜っている仲間を呼び寄せる笛だ。風の魔力を込めて吹くと、遠くまで音が届く。ホーンラビットのリニュリオンの噂は、ヒもミの村も噂になっている。サイカの試練もみんな知っている。いざという時はみんな助けてくれる。総力戦になれば、初の団体戦を経験できる。サイカには悪いが最悪を期待した。

 二層入り口付近は森になっている。草原は終わり林になり森近くの茂みに一角ウサギが逃げ込んだ。

 ピピーーーン

 ガサガサ、ガサガサガサガサ。
 ホーンラビットが5匹現れた。

 ぎりぎり、おれたちだけで何とかなる数。リーダーのカイには、2匹を相手をしてもらわなくてはいけないが、行ける。

「よし、修行続行だ。4匹は、おれたちで仕留めるぞ。ザンは使うなよ音で、他のが出てきてしまうからな。散回。!」

 おれは、呼び笛を手から離してホーンラビットをにらんだ。首にかけた呼び笛を服の中にしまう。

 カイが、サイカの右側。おれとサキがサイカの左側に飛び出した。カークとサイカは、そんなこと気にせずに、中央のホーンラビットに突っ込んだ。

「カーク、軽くけりながらジャンプ。1匹をこっちに引き寄せて」
 カーク、カカカカカカッ

 カークは中央のホーンラビットを蹴って怒らせながらジャンプ。5匹のホーンラビットの後ろを取った。上手い戦法だ。おれたちは、5匹を挟撃する形になった。

 サイカは、こういうのが得意なんだよな。

 サイカは、出て来たホーンラビットが一匹だけだったら、カークから降りて戦おうと思っていたが、大事を取って、それをしない。自分に敵意をむき出しにしている敵に、オーバースローで、鎌イタチを撃ち込んだ。

「『鎌イタチ』!」

 きゅッ

 その、ホーンラビットは、怯んだが、全く闘争心を失っていない。肩に切り傷を作ったままサイカに突っ込んだ。カークは、これを簡単に避ける。サイカは、うまい事1匹とさしの勝負に持ち込んだ。

「オレたちも行くぞ」

 カイのあんちゃんは、無茶苦茶だ。鎌イタチを使わないで、一度に2匹を蹴って殴って自分の方に引き寄せた。おれとサキは、無茶するなと思いながら、敵の足を鎌イタチで狙う。動きの速いラビット族は、こう攻略するのがセオリー。

 二層に続く入り口近くで、静かな戦闘が始まった。鎌イタチのスンスンという音と、ホーンラビッと肉弾戦をしているドカドカという音。おれたちは、華麗にホーンラビットの攻撃をよけながら風の魔法を使っているが、カイは、サキと組んでから、前衛を意識するようになった。おれたちとは、戦闘スタイルを変えてきている。最近剣も練習し始めたが、とりあえず、戦いの中で、急場しのぎで戦った肉弾戦が、一番実践に向いているらしくて、魔法のみで戦っていたおれたちとは一線を隔し出した。

 剣の方が楽だとは思うのだが、戦闘スタイルは、人それぞれだ。Dの店にある鋼鉄ナックルをそのうち皆で買ってやろうと話し合っている。

 森と林の間は、茂みが多い。茂みから聞こえるガサガサという音は、一角ウサギのものだろう。それにしても、なぜ逃げない。天敵の蛇が近くにいるのか?そんなことを考えながら戦闘をする。

「『鎌イタチ』!」
 やっと、足に当たった。おれが相手をしているホーンラビットの動きが鈍る。優位になったおれは、周りに気を使いだした。横で戦っているサキは、戦闘開始で敵の足を傷つけて余裕で戦っている。カイのは、あれは修業だな。死闘を演じている。後で、サキに癒しの風を掛けてもらわないといけないだろう。そして、サイカは、………善戦していたが、いい勝負。どちらも傷ついていない。彼女たちの戦い。これは、スピード勝負だなと思った。

 あのホーンラビットやるな!

 サイカと戦っているホーンラビットは、最初こそ、鎌イタチを食らってしまったが、興奮状態で血が止まっている。カークの馬上にいるサイカにジャンプの波状攻撃を掛けている。サイカは、これを小さなバリヤーでしのぎ、鎌イタチで応戦する。しかし、バリヤーで防いでいるとはいえ攻撃を受けているので、その反動で、鎌イタチの命中率が落ちている。ホーンラビットと一進一退の勝負を繰り広げていた。

ピョン。ピョンピョンピョンピョン、ドカッ
「『バリヤー』。やったわね『鎌イタチ』!」
 ピョン。ピョンピョンピョンピョン、ドカッ
「『バリヤー』。やったわね『鎌イタチ』!」
ピョン。ピョンピョンピョンピョン、ドカッ
「『バリヤー』。もう、嫌い。『鎌イタチ』!」

 永遠とやっている。でも、カークは、体をさばきはするけど、戦闘にノータッチ。我慢している。

「サイカ、小さいバリヤーじゃだめだ。大きいので押し返せ」

「えっ?」
ピョン。ピョンピョンピョンピョン、スカッ
サイカがおれを見て気を緩めてしまった。当たりそうになった攻撃をスンとカークが避ける。

「大きいバリヤだ。押し返せ」

 サイカは、攻撃より防御の方が得意。器用に敵の攻撃に合わせて弱いバリヤーを張って凌いでいる。防御も、タイミングが良かったらカウンターになって攻撃になる。サイカは、そんな戦い方をしているように見えた。でも、それじゃあ防御が弱すぎる。

ピョン。ピョンピョンピョンピョン、ドカッ
「『バリヤー』!」

 ドッカン

 ホーンラビットは、カウンターを食らって地面に叩きつけられた。
「サイカ、イマダ」
 戦闘センスは、カークの方がいい。

「『鎌イタチ』!」
 スン
 ピキン
「ヨシ、アシニ、アタッタ」

 おれの方は、サイカによそ見をしていたので、いいのを一発食らってしまった。「この野郎」。おれは、短剣を取り出して、調子に乗って攻めて来るホーンラビットのお腹に突きを入れた。やはりおれは剣士職が似合っている。
「『鎌イタチ』!」
 ピピンー
「よし」

 おれとサイカとサキは、ホーンラビットに止めを刺した。しかし、カイは、未だに死闘を演じている。肉弾戦は、ホーンラビットも得意。2匹は、きつそうだ。でも、手を出すと後ですっごく怒られる。おれたちは、腰に手を当てて、カイと2匹の戦いを見守った。

 ガサガサガサ

 まただ。茂みで音がする。

 カイが、1匹倒した時だった。最後の1匹がピピーーーンと、極大の警戒音を出して茂みに逃げ込んだ。そこに、22匹のホーンラビットが現れた。そしてその後ろから、ひときわ大きなホーンラビット。あれはラビットキングに違いない。

「オビト、呼び笛を吹くのよ」

 おれは、思いっきり息を吸い込んだ。

 ホーーーーープワーーーーーーーー、ホーーーーープワーーーーーーーー、

 一層に、呼び笛がこだまする。集団戦闘を期待して、おれらの戦場近くに集まっていた村の仲間が集合する。こっちも20人近くになった。おれたちは、森と林の間で、睨みあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...