短編集

谷町ミネ

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小さな幸せ

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 仕事帰り、賑やかな居酒屋のカウンターで、翔太は友人の真司とビールを片手に語り合っていた。

 「なあ、翔太。お前にとって『幸せ』って何だと思う?」突然の真司の問いに、翔太は少し考えてから笑って答えた。

 「うーん…やっぱり仕事で成功するとか、誰かと本気で恋愛するとか、そんな感じかな?」

 翔太がそう答えると、真司はにやりと笑って、「おいおい、かっこつけすぎだろ」とツッコミを入れてきた。そして、グラスを持ち上げると、小声でこう言った。

 「俺にとっての幸せは、彼女の胸を枕にして眠る瞬間だな」

 二人は顔を見合わせて笑った。なんとも正直な答えに、翔太は心が和んだ。肩ひじ張った「幸せ」じゃなく、ほんのささいな瞬間こそが人を満たすものなのかもしれない、と翔太は思った。

 帰り道、翔太は夜空を見上げた。日常の中にある小さな「幸せ」に気づけることが、本当の幸せなのかもしれない、と感じながら。
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