【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜

よどら文鳥

文字の大きさ
18 / 25

シャーリャ王女の相談2

しおりを挟む
 白紙と言われても、レインハルト様の本当の気持ちを知ってしまっている。
 このままシャーリャ王女を責めても仕方のないことだし、ひとまずシャーリャ王女をなんとかしようか。

「頭を上げてください。王女様ともあろうお方がそんな態度をしなくていいですよ」
「ミリアナさん……どうしてそんなに優しいのですか」
「起こってしまったことをどうこう責めても仕方ありませんよ」
「ミリアナさん……許してくださるのですか?」
「まぁ責めても仕方のないことですし、気持ちなんて簡単に変えられるものではありませんよ」

 シャーリャ王女はものすごい笑顔を見せながら私の両手を握ってきた。
 ちょっと大袈裟な気もする。

「さすがミリアナさんです! あんなに酷いことを言ってしまったのに、全く動じずに冷静でいられたのですね……」
「ん?」
「これからはミリアナさんのことをお姉様と呼ばさせてください」
「はい?」
「ダメですか……?」

 今にも泣きそうな視線を向けてくる。
 まぁ私は困るわけではないのだしいいか。
 それよりもシャーリャ王女の悩みを聞かないと。
 一旦用意していただいた紅茶をすすりながら冷静になろうか。

「ところで相談とはなんですか?」
「お姉様にならなんでも話せそうです。実はこのままだと、王女を辞めて悪女になってしまうんじゃないかと思っているんです」
「ぶふふっふふう!!」

 シャーリャ王女が意味不明なことを言うもんだから、私は口の中に入っていた飲み物を盛大に吹いてしまった。
 アエルが驚いたときの気持ちがよくわかる……。

「それくらい深刻なんですよ」
「いや、もう深刻という次元じゃなくて、ヤバすぎですよ!」
「レイハルのことはきっぱり諦めようと思っているのですが、今まで一緒にいた時間が長かったからか、なかなか忘れることができなくて……」

 これはやっかいなことになってきた。
 一旦状況を整理したい。

 私はレインハルト様を愛しているし婚約関係である。
 レインハルト様は実はシャーリャ王女のことが好き。

 一方、シャーリャ王女はレインハルト様のことが好きだが、忘れようとしている。
 そのためには悪女になってやるくらいの爆弾発言をしていた。
 つまりこのまま放置していたら、シャーリャ王女は『復讐じゃあぁ』とか言い出して私かレインハルト様に毒を盛ったり、下手をすればどっかへ消えてしまうんじゃないだろうか。
 そんなことになってしまえば、レインハルト様が悲しんでしまうじゃないか。

 断固として阻止しつつ、考えを改めさせなければならない。
 だが、そのまえにまずはシャーリャ王女のこれから勧めるべき選択肢を増やしたほうがよさそうだ。

「私が好きな小説では、振られてしまったヒロインの女の子は一人の男性に執着しすぎていましたね。好きと言うよりも依存みたいな。その子は新たな出会いを作ったら他にも良い異性がいるんだと気がついて万時解決していましたね」
「ふむふむ……」

 よし、ちゃんと聞き入ってくれている。
 それではシャーリャ王女にやってもらいたいことを提案しようか。

「別の小説だと、むしろ好きな人を諦めてなるものかー! というヒロインがいましてね、主人公の男の子を奪って駆け落ちしていましたよ」
「んーー……」
「あ、逆のパターンで、小説の国王が意中の女性に振り向いてもらうために、国の法律自体を変えてしまったとかいうのも」
「へぇ……そんなこともあるのですね」
「まぁ小説ですけれど。でもシャーリャ様は王女だし、国の仕組みを変えてしまうことはできますよね」

 これでシャーリャ王女が、『王族の結婚は王族同士でないとできない』などと提言してしまえば、丸く収まる。
 しっかりと聞いてくれているし、きっと彼女も気がついているはずだ。
 だが、もう一押し念のために言っておくか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー

小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。 でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。 もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……? 表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。 全年齢作品です。 ベリーズカフェ公開日 2022/09/21 アルファポリス公開日 2025/06/19 作品の無断転載はご遠慮ください。

【完結】溺愛婚約者の裏の顔 ~そろそろ婚約破棄してくれませんか~

瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
(なろうの異世界恋愛ジャンルで日刊7位頂きました)  ニナには、幼い頃からの婚約者がいる。  3歳年下のティーノ様だ。  本人に「お前が行き遅れになった頃に終わりだ」と宣言されるような、典型的な「婚約破棄前提の格差婚約」だ。  行き遅れになる前に何とか婚約破棄できないかと頑張ってはみるが、うまくいかず、最近ではもうそれもいいか、と半ばあきらめている。  なぜなら、現在16歳のティーノ様は、匂いたつような色香と初々しさとを併せ持つ、美青年へと成長してしまったのだ。おまけに人前では、誰もがうらやむような溺愛ぶりだ。それが偽物だったとしても、こんな風に夢を見させてもらえる体験なんて、そうそうできやしない。  もちろん人前でだけで、裏ではひどいものだけど。  そんな中、第三王女殿下が、ティーノ様をお気に召したらしいという噂が飛び込んできて、あきらめかけていた婚約破棄がかなうかもしれないと、ニナは行動を起こすことにするのだが――。  全7話の短編です 完結確約です。

【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】 アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。 愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。 何年間も耐えてきたのに__ 「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」 アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。 愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。 誤字訂正ありがとうございました。4話の助詞を修正しました。

手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです

珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。 でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。 加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。

【完結】お荷物王女は婚約解消を願う

miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。 それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。 アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。 今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。 だが、彼女はある日聞いてしまう。 「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。 ───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。 それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。 そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。 ※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。 ※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。

氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!

柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」 『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。 セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。 しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。 だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

煤かぶり姫は光の貴公子の溺愛が罰ゲームだと知っている。

朝霧心惺
恋愛
「ベルティア・ローレル。僕の恋人になってくれないかい?」  煌めく猫っ毛の金髪に太陽の瞳、光の貴公子の名を欲しいがままにするエドワード・ルードバーグ公爵令息の告白。  普通の令嬢ならば、嬉しさのあまり失神してしまうかもしれない状況に、告白された令嬢、ベルティア・ローレルは無表情のままぴくりとも頬を動かさない。  何故なら———、 (罰ゲームで告白なんて、最低の極みね)  黄金の髪こそが美しいという貴族の価値観の中で、煤を被ったような漆黒の髪を持つベルティアには、『煤かぶり姫』という蔑称がある。  そして、それは罰ゲーム結果の恋人に選ばれるほどに、貴族にとっては酷い見た目であるらしい。  3年間にも及ぶ学園生活も終盤に迫ったこの日告白されたベルティア、実家は伯爵家といえども辺境であり、長年の凶作続きにより没落寸前。  もちろん、実家は公爵家に反抗できるほどの力など持ち合わせていない。  目立つ事が大嫌いでありながらも渋々受け入れた恋人生活、けれど、彼の罰ゲームはただ付き合うだけでは終わらず、加速していく溺愛、溺愛、溺愛………!!  甘すぎる苦しみが、ベルティアを苦しめる。 「どうして僕の愛を疑うんだっ!!」 (疑うも何も、そもそもこの恋人ごっこはあなたへの罰ゲームでしょ!?)

【完結】想い人がいるはずの王太子殿下に求婚されまして ~不憫な王子と勘違い令嬢が幸せになるまで~

Rohdea
恋愛
──私は、私ではない“想い人”がいるはずの王太子殿下に求婚されました。 昔からどうにもこうにも男運の悪い侯爵令嬢のアンジェリカ。 縁談が流れた事は一度や二度では無い。 そんなアンジェリカ、実はずっとこの国の王太子殿下に片想いをしていた。 しかし、殿下の婚約の噂が流れ始めた事であっけなく失恋し、他国への留学を決意する。 しかし、留学期間を終えて帰国してみれば、当の王子様は未だに婚約者がいないという。 帰国後の再会により再び溢れそうになる恋心。 けれど、殿下にはとても大事に思っている“天使”がいるらしい。 更に追い打ちをかけるように、殿下と他国の王女との政略結婚の噂まで世間に流れ始める。 今度こそ諦めよう……そう決めたのに…… 「私の天使は君だったらしい」 想い人の“天使”がいるくせに。婚約予定の王女様がいるくせに。 王太子殿下は何故かアンジェリカに求婚して来て─── ★★★ 『美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~』 に、出て来た不憫な王太子殿下の話になります! (リクエストくれた方、ありがとうございました) 未読の方は一読された方が、殿下の不憫さがより伝わるような気がしています……

処理中です...