17 / 28
ルリナは友達ができた
「本物ですよ……ね?」
「お久しぶりですシャイン。お元気にされていましたか?」
「え……、えぇ。どうしてお……オネエサマがここにいるのですか? 王宮になど入れる身分ではないでしょう」
シャインはそう言いながら私の着ているドレスをジロジロと眺めているようだ。
すると、どういうわけかとても悔しそうな顔を浮かべていた。
「もしかしてルリナ様の妹様ですか?」
マーレットがシャインに興味津々な態度で聞いている。
シャインは一瞬だけ嫌そうな表情を浮かべたが、すぐにニコリと微笑んだ。
「お初にお目にかかれます。公爵の長女、シャインと申します。そこにいるルリナさんはすでに縁を切っていますから、なにも関係ありませんよ」
「お初にお目にかかります。ディラップ伯爵が娘、マーレット=ディラップと申します。よろしくお願いいたします」
マーレットは、先ほどのように挨拶をしている。
だがなんなくだが、私に挨拶をしてくれたときよりも浮かないような顔をしている気がした。
それに今だからわかることなんだけど……、シャインの挨拶が微妙にできていない。
私がツバキから注意されていた言葉の使いかたをそのまま使っているのだ。
お父様はシャインのことを溺愛しているからしっかりとした教育はしていたんだろうなと思っていたけれど……。
「おっと、私はこんなところで道草している場合ではなかったのです。お先に失礼しますねー!」
そう言って、シャインは王宮の建物へ向かってしまった。
他の令嬢たちに挨拶すらせずに……。
一応、シャインは私の元義妹という立場なため、私は必死に謝った。
「ルリナ様が謝ることではありませんよ」
「公爵令嬢である以上、私のような下級貴族を相手にする暇などないのでしょう……」
「その反面、ルリナ様は私たちにも優しく接してくださり大変嬉しいです」
嬉しいのは私のほうだ。
初めはお茶会をこわがっていたけれど、こんなに楽しくおしゃべりができる空間だなんて知らなかった。
私は機会を提供してくれたマーレットと、ほぼ初対面でも仲良くしてくれる彼女たちに感謝しかない。
「またこうやって楽しくお喋りできたらいいなぁと……」
「ルリナ様が主催するお茶会ならば是が非でも参加したいですわ」
「私もです!」
「わたしも!」
「許可がもらえたら、お茶会を主催するので招待しますね」
あくまで私は王宮で居候させていただいている身分だ。
開催することは難しいかもしれない。
だが、いずれ私がここから出て自立したら、彼女たちを絶対呼びたい。
このお茶会に参加するように促してくれたニルとツバキにも感謝しなきゃ。
楽しかったお茶会ももうすぐ終わろうとしていたとき、帰り際にマーレットが私に対して妙なことを聞いてきた。
「ところで、ルリナ様は聖女としてはご活躍されないのですか?」
「はい?」
前にせいなるちからがどうのこうのと言われて、祈ってみたりしたことがあったっけ。
私はその聖女というものをよく知らないのだ。
マーレットがこのように聞いてくるということは、彼女は聖女のことをなにか知っているのかもしれない。
「実は、せいなるちからのことってよくわからなくて……」
「もったいなさすぎですよ。その力を使いこなせれば再び王族として……」
これで公爵令嬢に戻れるという期待された発言が二度目か……。
すでに他の令嬢たちはいないし、マーレットには本当のことを言ってもいいのかもしれない。
私は勇気を出して打ち明けてみた。
「お久しぶりですシャイン。お元気にされていましたか?」
「え……、えぇ。どうしてお……オネエサマがここにいるのですか? 王宮になど入れる身分ではないでしょう」
シャインはそう言いながら私の着ているドレスをジロジロと眺めているようだ。
すると、どういうわけかとても悔しそうな顔を浮かべていた。
「もしかしてルリナ様の妹様ですか?」
マーレットがシャインに興味津々な態度で聞いている。
シャインは一瞬だけ嫌そうな表情を浮かべたが、すぐにニコリと微笑んだ。
「お初にお目にかかれます。公爵の長女、シャインと申します。そこにいるルリナさんはすでに縁を切っていますから、なにも関係ありませんよ」
「お初にお目にかかります。ディラップ伯爵が娘、マーレット=ディラップと申します。よろしくお願いいたします」
マーレットは、先ほどのように挨拶をしている。
だがなんなくだが、私に挨拶をしてくれたときよりも浮かないような顔をしている気がした。
それに今だからわかることなんだけど……、シャインの挨拶が微妙にできていない。
私がツバキから注意されていた言葉の使いかたをそのまま使っているのだ。
お父様はシャインのことを溺愛しているからしっかりとした教育はしていたんだろうなと思っていたけれど……。
「おっと、私はこんなところで道草している場合ではなかったのです。お先に失礼しますねー!」
そう言って、シャインは王宮の建物へ向かってしまった。
他の令嬢たちに挨拶すらせずに……。
一応、シャインは私の元義妹という立場なため、私は必死に謝った。
「ルリナ様が謝ることではありませんよ」
「公爵令嬢である以上、私のような下級貴族を相手にする暇などないのでしょう……」
「その反面、ルリナ様は私たちにも優しく接してくださり大変嬉しいです」
嬉しいのは私のほうだ。
初めはお茶会をこわがっていたけれど、こんなに楽しくおしゃべりができる空間だなんて知らなかった。
私は機会を提供してくれたマーレットと、ほぼ初対面でも仲良くしてくれる彼女たちに感謝しかない。
「またこうやって楽しくお喋りできたらいいなぁと……」
「ルリナ様が主催するお茶会ならば是が非でも参加したいですわ」
「私もです!」
「わたしも!」
「許可がもらえたら、お茶会を主催するので招待しますね」
あくまで私は王宮で居候させていただいている身分だ。
開催することは難しいかもしれない。
だが、いずれ私がここから出て自立したら、彼女たちを絶対呼びたい。
このお茶会に参加するように促してくれたニルとツバキにも感謝しなきゃ。
楽しかったお茶会ももうすぐ終わろうとしていたとき、帰り際にマーレットが私に対して妙なことを聞いてきた。
「ところで、ルリナ様は聖女としてはご活躍されないのですか?」
「はい?」
前にせいなるちからがどうのこうのと言われて、祈ってみたりしたことがあったっけ。
私はその聖女というものをよく知らないのだ。
マーレットがこのように聞いてくるということは、彼女は聖女のことをなにか知っているのかもしれない。
「実は、せいなるちからのことってよくわからなくて……」
「もったいなさすぎですよ。その力を使いこなせれば再び王族として……」
これで公爵令嬢に戻れるという期待された発言が二度目か……。
すでに他の令嬢たちはいないし、マーレットには本当のことを言ってもいいのかもしれない。
私は勇気を出して打ち明けてみた。
あなたにおすすめの小説
追放された役立たず聖女、実は国家の回復システムでした。私が消えた途端に国は崩壊、今さら泣いても戻りません。元勇者の魔王様に独占されています
唯崎りいち
恋愛
「役立たずの聖女はいらない」と国王に追放された私。
だがその瞬間、国中の“宿屋で一晩寝れば全回復する仕組み”は崩壊した。
――それは、私の力で成り立っていたから。
混乱する人間たちをよそに、私は元勇者だった魔王様に連れ去られる。
魔王様はかつて勇者として魔物を虐げていた過去を持ち、
今は魔物を守るために魔王となった存在だった。
そして私は気づく。
自分の力は、一人を癒すだけでなく――世界そのものを支えていたのだと。
やがて回復手段を失った勇者たちは崩壊し、
国王は失脚、国は混乱に陥る。
それでも私は戻らない。
「君は俺のものだ。一生手放さない」
元勇者の魔王様に囲われ、甘やかされ、溺愛されながら、
私は魔王城で幸せに暮らしています。
今さら「帰ってきて」と言われても、もう遅いのです。
婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました
Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。
「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」
元婚約者である王子はそう言い放った。
十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。
その沈黙には、理由があった。
その夜、王都を照らす奇跡の光。
枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。
「真の聖女が目覚めた」と——
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
静かなる才女は、すべてを見通す
しばゎんゎん
ファンタジー
突然婚約破棄を言い渡される伯爵家の長女エリシア。
理由は、義妹ミレーユを虐げていたという偽りのものだった。
エリシアの社交界における評価は「地味な令嬢」。
だが実際には、婚約者である侯爵家の長男レオナルトを陰で支え続けていた才女だった。
やがて明らかになる「本当に優れていたのは誰か」という事実。
エリシアを失い崩れてゆく、レオナルト。
無知さと我儘で評判を落とす、ミレーユ。
一方で彼女は、第二王子に見出される。
これは、愚かな選択をした者たちがすべてを失い、静かなる才女が正当に評価される物語。
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~
スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。
しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。
「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」
泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。
数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。
「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
彼女を選んだのはあなたです
風見ゆうみ
恋愛
聖女の証が現れた伯爵令嬢のリリアナは聖女の行動を管理する教会本部に足を運び、そこでリリアナ以外の聖女2人と聖騎士達と出会う。
公爵令息であり聖騎士でもあるフェナンと強制的に婚約させられたり、新しい学園生活に戸惑いながらも、新しい生活に慣れてきた頃、フェナンが既婚者である他の聖女と関係を持っている場面を見てしまう。
「火遊びだ」と謝ってきたフェナンだったが、最終的に開き直った彼に婚約破棄を言い渡されたその日から、リリアナの聖女の力が一気に高まっていく。
伝承のせいで不吉の聖女だと呼ばれる様になったリリアナは、今まで優しかった周りの人間から嫌がらせを受ける様になるのだが、それと共に他の聖女や聖騎士の力が弱まっていき…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっていますのでご了承下さい。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。