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残酷な王子
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「婚約破棄だ破棄! シュリアーナよ、お前のような口うるさい女など必要ない!!」
ジェダル王子殿下の個室に呼び出され、いきなりこのようなことを言われてしまった。
護衛や警備がこの部屋に全くいないことを考えると、ジェダル殿下独断で勝手に決めたことなのだろう。
「お言葉ですがジェダル様、このままもしも国の王となれば国が滅びます。それほど教養がなっておられません。陛下もジェダル様のことと今後の国のことを心配されて、私のような者を正妻としてお選びいただいたのですから」
「バカめ、私に教育など必要ない。それに私の意思も考えないでこのような結婚などするものか!」
私の家柄は準伯爵家である。
本来ならば次期国王候補の一人になる王子などと婚約など滅多にないだろう。
だが、貴族の集まるパーティーでの出来事だった。
ジェダル殿下がわがまま気ままに文句を言い出し、パーティーをメチャクチャにしていた。
我慢ならず、私が覚悟を決めて注意して止めに入った。
周りにいた物達は凍りついていたが、偶然この光景を見ていた国王陛下が気に入ってくれたらしい。
陛下ですらジェダル殿下の暴走っぷりに手を焼いていたそうだ。
私のようなハッキリと言えるような人と結ばせ、ジェダル殿下を教育してほしいとの頼みだった。
結婚せずとも専属使用人でも良いのではと思ったが、正妻相手なら耳を傾けるのではないかという意向らしい。
私は恐れ多いし何よりも大変そうだと思ったので断ろうとしたが、お父様やお母様は泣いて喜んでいたので仕方なく今に至る。
普段から殿下の暴走っぷりを叱責したり改善させようとしたりで私自身もヘトヘトになっていた。
正直、婚約破棄してくれるのは助かるのだが……。
「陛下はこのことを承知の上なのですか?」
そんなわけはないだろうと確信しているが、名目上の問題で聞くことだけはしておく。
もちろん否定してくるとは思っていたが、私の予想を遥かに上回るとんでもないことを言い出してきたのだ。
「知っているわけないだろう!」
「え!?」
意外だった。
まさかあっさり認めてしまうなど普段のジェダル殿下らしくない。
しかも、こんな状況でも笑っているのが不気味で怖くなってきた。
「どうせ婚約破棄と言ったところで誰も認めようとしないのだろう?」
「わかっているのに何故婚約破棄をしようと命じてくるのでしょうか?」
今のジェダル殿下が何を考えているのか全く想像がつかない。
それなのに、ゲラゲラと笑っているのだから恐怖すら感じるようになってしまう。
「つまり、シュリアーナが自害すればいいのだよ」
「そんなことするわけないでしょう!?」
「いや、するのだよ。正確にいえば私が毒を盛ってだがね」
言っている意味がようやく理解できた。
つまり、ジェダル殿下は私を毒殺して、それを自害に見せかけようと企んでいるようだ。
こんなことまで考えるほど頭が狂っているとは想定以上だった。
すぐに逃げ出そうと試みたが手遅れ。
外には隠れていたジェダル殿下の部下がいつの間にか配備され、私はその物達に捕われてしまった。
「全てはシェリアーナがいけないのだよ。あんな馬鹿げたパーティーで私のことをコケにしたのだから。その後も口うるさい文句ばかり言いやがって……。おかげで貴様に対する性欲すら感じなくなってただのゴミのような存在に成り果てたのだから、死んで当然なのだよ」
必死に抵抗しようとしているが、男二人の筋力に私が勝てるわけはなかった。
更にもう一人、この男もおそらくジェダル殿下の部下なのだろう。
妙な瓶を持っているのはおそらく毒。
それを私の口元に無理やり当ててきて、飲まされてしまった。
「うぅ……」
意識がどんどん薄れていく。
あぁ、ここで眠って二度と目覚めることなどないのだろう。
あぁ、せめてジェダルという最低な男に罰がおとずれますように……。
ジェダルの笑い声が聞こえる中、私は意識を落としてしまった。
ジェダル王子殿下の個室に呼び出され、いきなりこのようなことを言われてしまった。
護衛や警備がこの部屋に全くいないことを考えると、ジェダル殿下独断で勝手に決めたことなのだろう。
「お言葉ですがジェダル様、このままもしも国の王となれば国が滅びます。それほど教養がなっておられません。陛下もジェダル様のことと今後の国のことを心配されて、私のような者を正妻としてお選びいただいたのですから」
「バカめ、私に教育など必要ない。それに私の意思も考えないでこのような結婚などするものか!」
私の家柄は準伯爵家である。
本来ならば次期国王候補の一人になる王子などと婚約など滅多にないだろう。
だが、貴族の集まるパーティーでの出来事だった。
ジェダル殿下がわがまま気ままに文句を言い出し、パーティーをメチャクチャにしていた。
我慢ならず、私が覚悟を決めて注意して止めに入った。
周りにいた物達は凍りついていたが、偶然この光景を見ていた国王陛下が気に入ってくれたらしい。
陛下ですらジェダル殿下の暴走っぷりに手を焼いていたそうだ。
私のようなハッキリと言えるような人と結ばせ、ジェダル殿下を教育してほしいとの頼みだった。
結婚せずとも専属使用人でも良いのではと思ったが、正妻相手なら耳を傾けるのではないかという意向らしい。
私は恐れ多いし何よりも大変そうだと思ったので断ろうとしたが、お父様やお母様は泣いて喜んでいたので仕方なく今に至る。
普段から殿下の暴走っぷりを叱責したり改善させようとしたりで私自身もヘトヘトになっていた。
正直、婚約破棄してくれるのは助かるのだが……。
「陛下はこのことを承知の上なのですか?」
そんなわけはないだろうと確信しているが、名目上の問題で聞くことだけはしておく。
もちろん否定してくるとは思っていたが、私の予想を遥かに上回るとんでもないことを言い出してきたのだ。
「知っているわけないだろう!」
「え!?」
意外だった。
まさかあっさり認めてしまうなど普段のジェダル殿下らしくない。
しかも、こんな状況でも笑っているのが不気味で怖くなってきた。
「どうせ婚約破棄と言ったところで誰も認めようとしないのだろう?」
「わかっているのに何故婚約破棄をしようと命じてくるのでしょうか?」
今のジェダル殿下が何を考えているのか全く想像がつかない。
それなのに、ゲラゲラと笑っているのだから恐怖すら感じるようになってしまう。
「つまり、シュリアーナが自害すればいいのだよ」
「そんなことするわけないでしょう!?」
「いや、するのだよ。正確にいえば私が毒を盛ってだがね」
言っている意味がようやく理解できた。
つまり、ジェダル殿下は私を毒殺して、それを自害に見せかけようと企んでいるようだ。
こんなことまで考えるほど頭が狂っているとは想定以上だった。
すぐに逃げ出そうと試みたが手遅れ。
外には隠れていたジェダル殿下の部下がいつの間にか配備され、私はその物達に捕われてしまった。
「全てはシェリアーナがいけないのだよ。あんな馬鹿げたパーティーで私のことをコケにしたのだから。その後も口うるさい文句ばかり言いやがって……。おかげで貴様に対する性欲すら感じなくなってただのゴミのような存在に成り果てたのだから、死んで当然なのだよ」
必死に抵抗しようとしているが、男二人の筋力に私が勝てるわけはなかった。
更にもう一人、この男もおそらくジェダル殿下の部下なのだろう。
妙な瓶を持っているのはおそらく毒。
それを私の口元に無理やり当ててきて、飲まされてしまった。
「うぅ……」
意識がどんどん薄れていく。
あぁ、ここで眠って二度と目覚めることなどないのだろう。
あぁ、せめてジェダルという最低な男に罰がおとずれますように……。
ジェダルの笑い声が聞こえる中、私は意識を落としてしまった。
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