【完結】婚約破棄の上、証拠隠滅のために処刑までされてしまったが生きていたので、今度は残虐王子が処刑される番でしょう

よどら文鳥

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殺されたはずなのに

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「うぅ……、ここは?」

 あれ、ちょっと待った。
 私は毒殺されたような記憶があるのだが。
 落ち着いて周りを見渡すと、全くもって知らない部屋だ。

 続けて、私自身の身体を見渡す。
 着ている服は、ジェダルの元へ行ったときのままの格好だ。
 念のためにスカートの中の下着も確認したが、脱がされている形跡もない。

「どういうこと……?」

 状況を整理しよう。

・私は生きている。
・夢ではなさそうだ。
・知らない部屋。

 うん、全くもってよくわからない。
 監禁されているような感じでもないので、誰かが来るまでは大人しく待つことにした。
 逃げ出すことも可能だっただろうけど、毒殺させるような王子がいる手前、助けを求めようとして安易に外へ出たらむしろ危険な気がしたのだ。

 誰もがジェダルの性格や行動には呆れているレベルだろうとは思う。
 それでも、王子という者の命令には逆らうことはできないだろうから。

 しばらく待っていると、部屋のドアが開く。

「あ! あなたは……!?」
「気がついたか。昨日は大変な無礼をして怖い目に合わせてしまいすまなかった」

 すぐに頭を下げてきたのは、私に毒を飲ませてきた男。
 あの恐怖が蘇り、身体中が震え始めてしまった。
 やはり逃げ出した方が良かったのかもしれない。

「安心してくれ、あれは毒と見せかけて俺が睡眠薬にすり替えておいた」
「え!?」
「ジェダル殿下は俺に毒殺を命じ、他殺だとバレても俺に罪をなすりつけるようにしていたからな。ならばこちらとしても手を打つ必要があったのだ」

 震えていた身体はすぐに元どおりになった。
 この男はむしろ私を助けてくれたんだとすぐに理解できたのだ。

「紹介が遅れた、俺はウェッカ。王宮で騎士をしている」
「シュリアーナです。私を助けていただいた件は大変感謝していますが、こんなことがバレてはウェッカさんの身柄も危ないのでは?」
「俺は騎士だ。王都の人間を守るために働いているのだぞ? そんな人間が毒殺などできるわけがない。増してやあなたのような度胸と勇気のあるカッコいい女性を傷つけるなどできるわけないだろう」

 後半の言っている意味はよくわからなかったが、ともかくカッコいい男だということだけはわかった。
 王宮の騎士達に関してはまだ何も知らなかったので、彼の存在もわからないのも無理はない。

「度胸と勇気があるとはどこからそう思ったのです? 失礼ながら、初対面ですよね?」
「噂はかねがね聞いていてな。なんでもとあるパーティーで王子が身勝手な行為をしていて、貴族の皆が困っている最中にただ一人王子に立ち向かっていったとか」
「騎士にまであの出来事が知れ渡っていたのですね」
「あぁ、ダメ王子を更生させることのできる世界でただ一人の人間だとか」
「盛り過ぎです!」

 まさかそんなに広がっているとは思わなかった。
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