7 / 11
【視点】3
しおりを挟む
「意識はあるものの、シュリアーナ様は記憶をなくされているようで……」
「どういうことだ!? どこで発見したのだ!?」
「すぐ近くにある湖に打ち上げられていました。発見時にはずぶ濡れでしたので、落ちたのではないかと」
そんなバカな……。
あの女は確かに毒殺したはずだ。
「で、シュリアーナは今どこにいる!?」
「集中治療室に入っておられます。当面の間はジェダル殿下といえども面会禁止になっております」
「治しているというのか!?」
「当然でしょう」
余計な真似をしおって!
もしも治療によって記憶が戻ってしまったら流石にまずい。
あの女からベラベラと喋られてしまっては。
くそう……、ウェッカ騎士団長もやつめ、しっかりと始末できていなかったではないか。
責任をとてもらわねばな!
「なんで私がこんな面倒ごとをしなければならないのだ……!」
普段の昼寝の時間に、わざわざ集中治療室がある医務室へと向かった。
もちろん一人でだが。
面会禁止だろうが、絶対に会う必要がある。
もしも私の命令にそむくようならば、医師担当達も左遷させてやる。
「これは一体どういうことだ……」
集中治療室の近くにある待合室の前には、大勢の人間が集まっている。
いや、見覚えがある顔が多い。
全員騎士団か。
「真昼間からサボって何をやっている!」
「サボってはおりません。ジェダル殿下の婚約者様が絶体絶命状態となれば見守るのも騎士の務めです」
「ウェッカ騎士団長はなんと!?」
「……常に人命救助を第一に考えるよう言われております。我々はその意思に従っているまでです」
おのれ……こんな沢山の強そうな騎士どもがいたら強行突破はおろか始末すらできないではないか……。
このままシュリアーナの記憶が戻ってしまうようでは今度は私の立場どころか命までもが危険かもしれん……。
「ここは私に任せるのだ。貴様らはシュリアーナを発見した湖へ行き、徹底的に状況を調べるのだ。もしかしたら何者かに突き落とされたのかもしれん!」
こうなってしまったら大至急こいつらをこの場から消して、奥の治療室へ無理にでも入り、そこにいる連中は口封じのために始末するしかない。
確か父上が昔私に言っていたような気がする。
『一つの罪を犯せば、それを隠蔽するために更に罪を犯す』と。
今回は罪ではない。
あくまで未来の我が国のためにやっていることだということを忘れるな。
それに背いた反逆者達を始末したとでも言っておけばギリギリで罪にはならないはずだ。
ともかく、王位継承さえ乗り切れば、まだ私の支配はかなうだろう。
「承知致しました。ではここは殿下にお任せを……」
ほう、また抵抗するとは思ったが、あっさりと従うとは……。
念のために持ってきた特製の毒薬を持ってきておいて正解だった。
これさえあれば……、医師どもはシュリアーナを助けることができずに責任を持って自害したと後付けができるだろう。
騎士団達が部屋から出ていくのを確認したのち、すぐに立ち入り禁止の集中治療室のドアを開けた。
鍵がかかっているが、ここは強行突破だ。
無理やり強引にドアをこじ開ける。
だがその先には……。
「どういうことだ!? どこで発見したのだ!?」
「すぐ近くにある湖に打ち上げられていました。発見時にはずぶ濡れでしたので、落ちたのではないかと」
そんなバカな……。
あの女は確かに毒殺したはずだ。
「で、シュリアーナは今どこにいる!?」
「集中治療室に入っておられます。当面の間はジェダル殿下といえども面会禁止になっております」
「治しているというのか!?」
「当然でしょう」
余計な真似をしおって!
もしも治療によって記憶が戻ってしまったら流石にまずい。
あの女からベラベラと喋られてしまっては。
くそう……、ウェッカ騎士団長もやつめ、しっかりと始末できていなかったではないか。
責任をとてもらわねばな!
「なんで私がこんな面倒ごとをしなければならないのだ……!」
普段の昼寝の時間に、わざわざ集中治療室がある医務室へと向かった。
もちろん一人でだが。
面会禁止だろうが、絶対に会う必要がある。
もしも私の命令にそむくようならば、医師担当達も左遷させてやる。
「これは一体どういうことだ……」
集中治療室の近くにある待合室の前には、大勢の人間が集まっている。
いや、見覚えがある顔が多い。
全員騎士団か。
「真昼間からサボって何をやっている!」
「サボってはおりません。ジェダル殿下の婚約者様が絶体絶命状態となれば見守るのも騎士の務めです」
「ウェッカ騎士団長はなんと!?」
「……常に人命救助を第一に考えるよう言われております。我々はその意思に従っているまでです」
おのれ……こんな沢山の強そうな騎士どもがいたら強行突破はおろか始末すらできないではないか……。
このままシュリアーナの記憶が戻ってしまうようでは今度は私の立場どころか命までもが危険かもしれん……。
「ここは私に任せるのだ。貴様らはシュリアーナを発見した湖へ行き、徹底的に状況を調べるのだ。もしかしたら何者かに突き落とされたのかもしれん!」
こうなってしまったら大至急こいつらをこの場から消して、奥の治療室へ無理にでも入り、そこにいる連中は口封じのために始末するしかない。
確か父上が昔私に言っていたような気がする。
『一つの罪を犯せば、それを隠蔽するために更に罪を犯す』と。
今回は罪ではない。
あくまで未来の我が国のためにやっていることだということを忘れるな。
それに背いた反逆者達を始末したとでも言っておけばギリギリで罪にはならないはずだ。
ともかく、王位継承さえ乗り切れば、まだ私の支配はかなうだろう。
「承知致しました。ではここは殿下にお任せを……」
ほう、また抵抗するとは思ったが、あっさりと従うとは……。
念のために持ってきた特製の毒薬を持ってきておいて正解だった。
これさえあれば……、医師どもはシュリアーナを助けることができずに責任を持って自害したと後付けができるだろう。
騎士団達が部屋から出ていくのを確認したのち、すぐに立ち入り禁止の集中治療室のドアを開けた。
鍵がかかっているが、ここは強行突破だ。
無理やり強引にドアをこじ開ける。
だがその先には……。
37
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうぞお好きになさってください
みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる