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【視点】2
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「おいおいおい、騎士団の皆が集まって何事だ? 私は忙しいのだが」
国務の処理(と見せかけて実は昼寝をしていた)をしている最中に、いきなり私の部屋に騎士団が集まってきた。
こんなに男だらけでは暑苦しいし、部屋が腐る。
「ジェダル殿下の婚約者に用事があります」
「げ……。あ、あの女に何か用なのか? 私から伝えておくから言うがいい」
「いえ、お言葉ですが、ジェダル殿下に頼んだ伝言は今までそこで止まってしまっていることが多いので。会わせていただきたいのですが」
さて、困ったぞ。
ウェッカ騎士団長の姿はここにはいない。
それなのにこれだけ騎士団が集まっているところから察するに、余程重要な案件なのだろう。
だが、シュリアーナは既に湖の中だなんて言えないし。
こうなれば予定を少し変えて行方不明ということにしてしまうか。
「実はな、私も探しているのだが、昨日から姿を見ていないのだよ」
「先ほど伝えておくと言ったではありませんか」
「げ! いや、だから帰ってきたら伝えておくという意味だ。いちいち脅かすでない!」
いやはや焦った。
こいつらの発言がいちいち気になって仕方がない。
今までだって民衆の女をコッソリと抱いてきたり、お茶会で気に入った令嬢と関係をもったりと好き勝手してきた。
だが、さすがに殺したのはこれが初めてだからな。
絶対にバレてはいけないからこそ、こいつらの発言が疑ってきているように見えて仕方がないのだ。
「婚約者様が行方を眩ませているということですか?」
「う、うむ。そういうことになるのかな」
「一大事ですよ!!!!」
「え? そうなのか?」
いや、たかだか子爵家の女だぞ。
伯爵家令嬢の女と身体をコッソリともった時だって大ごとにならなかったというのに。
「殿下の婚約者様でしょう! やがては公爵妃か王妃になるお方ですよ!」
「そうなのか!?」
そんな仕組みだったとは知らなかったぞ。
くそう、なぜ父上はこういう大事なことを私に教えてくれなかったのだ。
いや、教えていたかもしれなかったが、私が知らん顔していただけなのだろうけど。
それでも根気よく教えてくれればいいのに。
もしくは飽きないような工夫が必要だったのだ。
おっと、今はそれどころではないか。
「王宮全員を連れ国中を捜索いたしましょう!」
「そこまでするの!?」
「ジェダル殿下は行方がわからず平気なのですか?」
あぁ、平気だ。
どこに捨てられているかも知っているからな。
とはとても言えないが、こういうとき普段の私だったらどうやって誤魔化していただろうか。
くそう。これだけ焦ってしまうと普段の冷静さが……。
「お前らに任せる! 捜索をして見つけてここへ連れてこい!」
「はは!」
騎士団達はようやく部屋を出ていった。
そういえばあの女に何を言いたかったのか聞きそびれてしまったな。
まぁいいか。
どうせあいつらでは湖に沈んだシュリアーナを見つけることはできまい。
見つかりもしない捜索に無駄な時間をかける無能騎士団など、年俸を大きく下げてやれば良いのだ。
静かになったところで再び昼寝でもしようか。
いつもどおりこんな書類など部下に任せてしまえばいいのだからな。
その翌日、信じられない言葉を騎士団から聞いてしまった。
「ジェダル殿下!! 朗報であり悲報です!!」
「どうしたのだ? 私はいつもどおり忙しいのだぞ(昼寝が)」
「一旦はお喜びください!! シュリアーナ様を発見いたしました!!」
「へ!?」
いったいどうなっているんだ。
ユメの中か!?
国務の処理(と見せかけて実は昼寝をしていた)をしている最中に、いきなり私の部屋に騎士団が集まってきた。
こんなに男だらけでは暑苦しいし、部屋が腐る。
「ジェダル殿下の婚約者に用事があります」
「げ……。あ、あの女に何か用なのか? 私から伝えておくから言うがいい」
「いえ、お言葉ですが、ジェダル殿下に頼んだ伝言は今までそこで止まってしまっていることが多いので。会わせていただきたいのですが」
さて、困ったぞ。
ウェッカ騎士団長の姿はここにはいない。
それなのにこれだけ騎士団が集まっているところから察するに、余程重要な案件なのだろう。
だが、シュリアーナは既に湖の中だなんて言えないし。
こうなれば予定を少し変えて行方不明ということにしてしまうか。
「実はな、私も探しているのだが、昨日から姿を見ていないのだよ」
「先ほど伝えておくと言ったではありませんか」
「げ! いや、だから帰ってきたら伝えておくという意味だ。いちいち脅かすでない!」
いやはや焦った。
こいつらの発言がいちいち気になって仕方がない。
今までだって民衆の女をコッソリと抱いてきたり、お茶会で気に入った令嬢と関係をもったりと好き勝手してきた。
だが、さすがに殺したのはこれが初めてだからな。
絶対にバレてはいけないからこそ、こいつらの発言が疑ってきているように見えて仕方がないのだ。
「婚約者様が行方を眩ませているということですか?」
「う、うむ。そういうことになるのかな」
「一大事ですよ!!!!」
「え? そうなのか?」
いや、たかだか子爵家の女だぞ。
伯爵家令嬢の女と身体をコッソリともった時だって大ごとにならなかったというのに。
「殿下の婚約者様でしょう! やがては公爵妃か王妃になるお方ですよ!」
「そうなのか!?」
そんな仕組みだったとは知らなかったぞ。
くそう、なぜ父上はこういう大事なことを私に教えてくれなかったのだ。
いや、教えていたかもしれなかったが、私が知らん顔していただけなのだろうけど。
それでも根気よく教えてくれればいいのに。
もしくは飽きないような工夫が必要だったのだ。
おっと、今はそれどころではないか。
「王宮全員を連れ国中を捜索いたしましょう!」
「そこまでするの!?」
「ジェダル殿下は行方がわからず平気なのですか?」
あぁ、平気だ。
どこに捨てられているかも知っているからな。
とはとても言えないが、こういうとき普段の私だったらどうやって誤魔化していただろうか。
くそう。これだけ焦ってしまうと普段の冷静さが……。
「お前らに任せる! 捜索をして見つけてここへ連れてこい!」
「はは!」
騎士団達はようやく部屋を出ていった。
そういえばあの女に何を言いたかったのか聞きそびれてしまったな。
まぁいいか。
どうせあいつらでは湖に沈んだシュリアーナを見つけることはできまい。
見つかりもしない捜索に無駄な時間をかける無能騎士団など、年俸を大きく下げてやれば良いのだ。
静かになったところで再び昼寝でもしようか。
いつもどおりこんな書類など部下に任せてしまえばいいのだからな。
その翌日、信じられない言葉を騎士団から聞いてしまった。
「ジェダル殿下!! 朗報であり悲報です!!」
「どうしたのだ? 私はいつもどおり忙しいのだぞ(昼寝が)」
「一旦はお喜びください!! シュリアーナ様を発見いたしました!!」
「へ!?」
いったいどうなっているんだ。
ユメの中か!?
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