【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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10 王都内でのデート1

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「おはようございます」
「うむ、待たせてしまってすまない。それではここからは歩いて出かけるとしよう」

 私の家にサバス様が馬車で迎えにきてくださった。
 変装をしているので、命の危険は少ないものの、念のため護衛が後をつけてくるという形で概ね二人きりのデートだ。

 お母様が是非とも挨拶をしたいとのことだったが、サバス様の偽の姿で会わせるわけにもいかないので、今回はナシとなった。
 サバス様とゆっくりと街へ繰り出す。



 やはり抵抗がある。
 サバス様だと分かっていても、ギャップの激しすぎる外見で、困惑している。
知り合いにこの現場を見られたくないし、ドキドキ感も少ない。
 サバス様の人柄だって好きになっているのに、なんでこうなってしまうんだろう。

「ライアンよ、実はこの先にあるレストランは私の行きつけの店なのだ。行ってみるか?」
「是非」

 幸い、会話は緊張がない分、普通にできるようになっている。
 食にうるさいサバス様が足を運ぶくらいだから相当美味しい店なのだろう。
 私は、気持ちを切り替えて変装したサバス様、もといダサス様との一日を楽しむことにした。

 レストランは老舗で今時のオシャレ感な店ではない。
 だが、本日のコースというメニューをオーダーし、出てきた前菜やサラダ、メインの肉料理を食べてみるとどれも美味しい。
 この味は私も盗みたいと思えるほどだった。

「ダサス様、素晴らしい店を紹介していただきありがとうございます」
「うむ、ここで食べにくるときはいちいち変装しなければいけないのが難点だがな。その分来る価値がある程美味しいだろう?」
「はい!」

 ダサス様と一緒にご飯を食べてみたが、サバス様の時となんら変わらないではないか。
 一緒にいてただ楽しいし美味しい料理をシェアできる幸せ。
 私は何を気にしていたのだろうと、恥ずかしくなってきてしまった。

「どうした? なぜ笑っている?」
「いえ、サバ……じゃなくてダサス様とこうやっているのも楽しいなと思いまして」
「そうか。むしろすまないと思っている。婚約をいずれ大々的に発表し、変装しないでも出歩けるようになれれば一番なのだが」

 ダサス様の容姿で外を歩いていた方が騒ぎにならなくて良い気がするのではと思うようになっていた。
 決して見た目はカッコいいとは言えないが、雰囲気も口調も仕草もサバス様に変わりないのだから。

「すまない、少々花摘みに行ってくるからまっていてくれ」
「あ、はい」

 サバス様がお花摘みという単語を使うとは……。
 美意識が全く無いのに言葉の美意識は高いらしい。
 サバス様が席をたって見えなくなったとき、今度は私の知っている女性がこちらへ向かってきた。

「ライアンさん、ごきげんよう」

 うわ……できれば会いたくないお方だった……。


ーーーーーーーーーー

【後書き】

ここまで沢山の方に読んでいただける作品になって嬉しいです。
ありがとうございます。

勢いに乗って、今週は二作新作を出します。
その第一弾を先ほど載せましたので、よかったらこちらもお願いいたします。

『婚約破棄の上、慰謝料代として生贄を強要され死んでしまったが、時間逆行で人生やり直し~二度目の人生はお母様と幸せを掴みたい~』

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