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19 舞踏会での出来事3
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「何か問題でもあるのか!?」
仮面を被ったサバス様が第一声に発した言葉だった。
普段のトーンより少し荒々しい。
「本当にあのサバス様なのかしら……」
「仮面を被っておられる。まさか、サバス様と思わせておいて別の人間が入っているのでは?」
「だとしたら、ライアンはなんと卑怯な……」
「父上から仮面を被るように命じられている。何故かは知らんが」
いや、サバス様のお父様、ナイス選択だ。
素顔さえ見れなければパニックになることはない。
だが、私に対してのヤジが激しくなってしまった。
どうしてこんな大きなイベントで嘘をついてまで婚約って思うのだろう……。
上位貴族の方々からここまで言われてしまうとは思わなかったな。
「本当にサバス様なのか証明していただけませんか?」
「もしも本物のサバス様でしたらお顔を拝見させていただきたいですわ……」
「いや、サバス様でないから顔を隠しているのだよ」
仮面を被っているのでサバス様がどんな表情をしているのかはわからない。
私に対してのあたりが更に激しくなってしまった。
「全く……ここまで差別が激しかったとはな……」
「ほふへぇぇーーー!?」
ステージの上でとんでもなく情けない声が出てしまった。
サバス様が呟きながら私の腰回りに手をかけてきたのだ。
守られているようでキュンキュン具合がヤバすぎる。
これで仮面が外れていたら顔が沸騰する。
「ライアンよ、全ては私のせいだ。迷惑をかけてしまってすまない」
「そんなことは……」
サバス様の気遣いで、もう限界だ。
意識を保てない。
「父上の命令よりもライアンを守る方を優先させてもらう!」
追い討ちをかけるように、サバス様がせっかく被っていた仮面を外してしまったのだ。
今見たらステージで情けないことになるのは確実!
絶対に顔を見てはいけない!!
「サバスで間違いないだろう? とは言っても滅多に公の場に出なかったから私の顔を知らぬものの方が多いだろうが……」
良いから!
私なんかのためにそんなことしなくていい!
更に大変なことになっちゃうから!!
「「「「「「「「「「きゃああああぁぁぁーーーー!!!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「な!!?」」」」」」」」」」
素顔のまま貴族達に見せてしまった。
男性陣は驚きのあまり固まっている。
きっと本物の侯爵だとわかって怯えてしまっているのだろう。
一方、女性陣は顔を真っ赤にしていたり、鼻血出血している方、気絶してしまう者も続出している。
「顔がうつくしすぎて……」
「しっかりしろ! 目を覚ませ!!」
「顔が素敵ですわ……」
「鼻から出血が!! 冷静になれ! こちらにハンカチを大至急!!」
「本物のサバス侯爵王子殿下だとは……」
「一体なぜあのような女性と婚約を……」
予想通り大騒ぎになってしまった。
サバス様がどんな表情をしているのかはわからないが、怒っているような気がする。
「私が自ら望んだ婚約だ。ライアンだからこそ縁談を申し込んだのだ。今後、彼女のことを侮辱するような行為は絶対に許さぬぞ?」
サバス様の一声で一斉に静まりかえった。
生きてきた中で一番幸せな気がする。
このまま無事にステージから降りれればの話だが。
「改めてここに宣言する。私はライアンと結婚し、共に家庭を築いていく」
そう言って私の方へとどんどん近づいてくる。
「ちょ……サバス様!?」
近い近い近い近い!!
更に近づいてきてついに私の体に密着した。
目線を逸らすことすら出来ず、ついうっかり……サバス様のお顔をガン見してしまったのだ。
「ライアンよ、私は生涯あなたと共に……、っておい、ライアン!!」
「うぅー、サバスさまぁ……」
「「「「「はぁぁぁぁーーーーー!?」」」」」
また貴族の方々が大声で叫んでいた。
今度は私に対してのヤジなどではない。
呆れているようだった。
これは私がいけない。
アルコールを飲んでいるわけでもないのに泥酔したかのようなフラフラ感。
例えていえばお酒に弱い人がアルコール度数九十六パーセントのお酒を飲んだ後の感覚なのだろうか。
私自身何を言っているのかよくわからないくらいの混乱。
あ、鼻血がドレスに……。
ステージの上なのに、私はとんでもなく情けない状態になって、ついに意識も失う。
サバス様の身体に私の全体重を預けてしまったようだ。
仮面を被ったサバス様が第一声に発した言葉だった。
普段のトーンより少し荒々しい。
「本当にあのサバス様なのかしら……」
「仮面を被っておられる。まさか、サバス様と思わせておいて別の人間が入っているのでは?」
「だとしたら、ライアンはなんと卑怯な……」
「父上から仮面を被るように命じられている。何故かは知らんが」
いや、サバス様のお父様、ナイス選択だ。
素顔さえ見れなければパニックになることはない。
だが、私に対してのヤジが激しくなってしまった。
どうしてこんな大きなイベントで嘘をついてまで婚約って思うのだろう……。
上位貴族の方々からここまで言われてしまうとは思わなかったな。
「本当にサバス様なのか証明していただけませんか?」
「もしも本物のサバス様でしたらお顔を拝見させていただきたいですわ……」
「いや、サバス様でないから顔を隠しているのだよ」
仮面を被っているのでサバス様がどんな表情をしているのかはわからない。
私に対してのあたりが更に激しくなってしまった。
「全く……ここまで差別が激しかったとはな……」
「ほふへぇぇーーー!?」
ステージの上でとんでもなく情けない声が出てしまった。
サバス様が呟きながら私の腰回りに手をかけてきたのだ。
守られているようでキュンキュン具合がヤバすぎる。
これで仮面が外れていたら顔が沸騰する。
「ライアンよ、全ては私のせいだ。迷惑をかけてしまってすまない」
「そんなことは……」
サバス様の気遣いで、もう限界だ。
意識を保てない。
「父上の命令よりもライアンを守る方を優先させてもらう!」
追い討ちをかけるように、サバス様がせっかく被っていた仮面を外してしまったのだ。
今見たらステージで情けないことになるのは確実!
絶対に顔を見てはいけない!!
「サバスで間違いないだろう? とは言っても滅多に公の場に出なかったから私の顔を知らぬものの方が多いだろうが……」
良いから!
私なんかのためにそんなことしなくていい!
更に大変なことになっちゃうから!!
「「「「「「「「「「きゃああああぁぁぁーーーー!!!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「な!!?」」」」」」」」」」
素顔のまま貴族達に見せてしまった。
男性陣は驚きのあまり固まっている。
きっと本物の侯爵だとわかって怯えてしまっているのだろう。
一方、女性陣は顔を真っ赤にしていたり、鼻血出血している方、気絶してしまう者も続出している。
「顔がうつくしすぎて……」
「しっかりしろ! 目を覚ませ!!」
「顔が素敵ですわ……」
「鼻から出血が!! 冷静になれ! こちらにハンカチを大至急!!」
「本物のサバス侯爵王子殿下だとは……」
「一体なぜあのような女性と婚約を……」
予想通り大騒ぎになってしまった。
サバス様がどんな表情をしているのかはわからないが、怒っているような気がする。
「私が自ら望んだ婚約だ。ライアンだからこそ縁談を申し込んだのだ。今後、彼女のことを侮辱するような行為は絶対に許さぬぞ?」
サバス様の一声で一斉に静まりかえった。
生きてきた中で一番幸せな気がする。
このまま無事にステージから降りれればの話だが。
「改めてここに宣言する。私はライアンと結婚し、共に家庭を築いていく」
そう言って私の方へとどんどん近づいてくる。
「ちょ……サバス様!?」
近い近い近い近い!!
更に近づいてきてついに私の体に密着した。
目線を逸らすことすら出来ず、ついうっかり……サバス様のお顔をガン見してしまったのだ。
「ライアンよ、私は生涯あなたと共に……、っておい、ライアン!!」
「うぅー、サバスさまぁ……」
「「「「「はぁぁぁぁーーーーー!?」」」」」
また貴族の方々が大声で叫んでいた。
今度は私に対してのヤジなどではない。
呆れているようだった。
これは私がいけない。
アルコールを飲んでいるわけでもないのに泥酔したかのようなフラフラ感。
例えていえばお酒に弱い人がアルコール度数九十六パーセントのお酒を飲んだ後の感覚なのだろうか。
私自身何を言っているのかよくわからないくらいの混乱。
あ、鼻血がドレスに……。
ステージの上なのに、私はとんでもなく情けない状態になって、ついに意識も失う。
サバス様の身体に私の全体重を預けてしまったようだ。
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