【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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71 大舞踏会4

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「サバスよ、今のうちにみなに伝えるがよい」
「完結に述べる。私はここにいるライアンと結婚をする。前回の舞踏会では曖昧になってしまったが、今回こそは皆のものに聞き届くように宣言しよう」

 サバスの魅力的な声で気絶していくのか、ショックで気絶していくのかはわからない。
 せめて半分くらいは無事に耐えて欲しい。
 また中止になんてなりたくない。
 ふと、怖い視線を感じたから振り向いてみると、オズマが悔しそうにしながら私を睨みつけてきた。
 相手が誰だかわかったため、私は気にすることもなく視線を逸らして発言をする。

「サバス様に毎日美味しいご飯を作れるよう、これからも料理の研究に励んでいこうと思います」

 よし、思っていたことをしっかりと喋ることができた。

「男爵の群材で侯爵家に嫁ぐなんて、しかもあのサバス様になんて信じられないわ」
「まぁ、さすが男爵ねぇ。そんな情けない発言しかできないなんて」
「きっと裏でずる賢いことを考えて婚約に持っていったのよ」

 あぁ、私に聞こえるくらいの声量でヤジを飛ばされている。
 だが、全く気にしていない。
 思ったことをそのまま言ったまでだし。
 サバスとは料理を介して仲良くなっていった。
 いつも美味しい美味しいと食べてくれるのが嬉しかった。
 その想いをそのまま言っただけである。
 どんなに文句を言われようが覚悟の上だ。

「断っておくが、私からライアンにアタックしたのだ。彼女の料理は本当に美味しい」
「ちょ……ちょっとサバス、様?」
「故にテーブルに用意されたお菓子はライアンのお手製だ。皆も美味しく食べていただろうが。私はこの目でしかと見届けていたぞ」

 サバス様が少し機嫌が悪そうになっていた。
 私のために怒ってくれることが嬉しい。
 無意識にサバス様の袖をグッと握った。

「あのサバス様が男爵令嬢などと……」
「悔しい……私が何度アピールしても無視され続けていたのに」
「私ももっと料理を磨いていれば……」

 これ以上ここにいると何を言われるかわからないし、すぐにステージを降りた。

「申し訳ありません、私のために……」
「気にするでない。むしろ、ライアンはよく耐えてくれた。こうなるとわかっていただけに、本来ならば私だけで宣言しておくべきだったと思っている」
「いえ、言いたいことはしっかりと言えたので」
「むしろライアンの素直な気持ちをあの場で喋ってくれたことが嬉しかった。ありがとう」
「ひ……」

 私の頬にサバスの唇が触れた。
 そういう免疫はまだ出来上がっていない。
 気を失ってしまうところだった。
 危ない危ない……。

「さて、もうひと組……オズマ=フレイヤ殿とミーナ=ワインド殿よ、ステージへ」

 陛下が少しだけ声のトーンが下がって宣告した。
 オズマたちは突然呼ばれて驚いているようだったが、すぐにニヤリと笑みを浮かべ、堂々とステージへたった。
 まるで、結婚しました宣言でもして祝福されるのだと思い込んでいるようだ。

「さて、彼らにはこの場をもって爵位を剥奪の上、牢獄生活を送ってもらう。貴族の恥さらしだ」
「「な……⁉︎」」

 今まで見たこともないような、今にも死にそうな表情を二人は浮かべていた。
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