85 / 87
71 大舞踏会4
しおりを挟む
「サバスよ、今のうちにみなに伝えるがよい」
「完結に述べる。私はここにいるライアンと結婚をする。前回の舞踏会では曖昧になってしまったが、今回こそは皆のものに聞き届くように宣言しよう」
サバスの魅力的な声で気絶していくのか、ショックで気絶していくのかはわからない。
せめて半分くらいは無事に耐えて欲しい。
また中止になんてなりたくない。
ふと、怖い視線を感じたから振り向いてみると、オズマが悔しそうにしながら私を睨みつけてきた。
相手が誰だかわかったため、私は気にすることもなく視線を逸らして発言をする。
「サバス様に毎日美味しいご飯を作れるよう、これからも料理の研究に励んでいこうと思います」
よし、思っていたことをしっかりと喋ることができた。
「男爵の群材で侯爵家に嫁ぐなんて、しかもあのサバス様になんて信じられないわ」
「まぁ、さすが男爵ねぇ。そんな情けない発言しかできないなんて」
「きっと裏でずる賢いことを考えて婚約に持っていったのよ」
あぁ、私に聞こえるくらいの声量でヤジを飛ばされている。
だが、全く気にしていない。
思ったことをそのまま言ったまでだし。
サバスとは料理を介して仲良くなっていった。
いつも美味しい美味しいと食べてくれるのが嬉しかった。
その想いをそのまま言っただけである。
どんなに文句を言われようが覚悟の上だ。
「断っておくが、私からライアンにアタックしたのだ。彼女の料理は本当に美味しい」
「ちょ……ちょっとサバス、様?」
「故にテーブルに用意されたお菓子はライアンのお手製だ。皆も美味しく食べていただろうが。私はこの目でしかと見届けていたぞ」
サバス様が少し機嫌が悪そうになっていた。
私のために怒ってくれることが嬉しい。
無意識にサバス様の袖をグッと握った。
「あのサバス様が男爵令嬢などと……」
「悔しい……私が何度アピールしても無視され続けていたのに」
「私ももっと料理を磨いていれば……」
これ以上ここにいると何を言われるかわからないし、すぐにステージを降りた。
「申し訳ありません、私のために……」
「気にするでない。むしろ、ライアンはよく耐えてくれた。こうなるとわかっていただけに、本来ならば私だけで宣言しておくべきだったと思っている」
「いえ、言いたいことはしっかりと言えたので」
「むしろライアンの素直な気持ちをあの場で喋ってくれたことが嬉しかった。ありがとう」
「ひ……」
私の頬にサバスの唇が触れた。
そういう免疫はまだ出来上がっていない。
気を失ってしまうところだった。
危ない危ない……。
「さて、もうひと組……オズマ=フレイヤ殿とミーナ=ワインド殿よ、ステージへ」
陛下が少しだけ声のトーンが下がって宣告した。
オズマたちは突然呼ばれて驚いているようだったが、すぐにニヤリと笑みを浮かべ、堂々とステージへたった。
まるで、結婚しました宣言でもして祝福されるのだと思い込んでいるようだ。
「さて、彼らにはこの場をもって爵位を剥奪の上、牢獄生活を送ってもらう。貴族の恥さらしだ」
「「な……⁉︎」」
今まで見たこともないような、今にも死にそうな表情を二人は浮かべていた。
「完結に述べる。私はここにいるライアンと結婚をする。前回の舞踏会では曖昧になってしまったが、今回こそは皆のものに聞き届くように宣言しよう」
サバスの魅力的な声で気絶していくのか、ショックで気絶していくのかはわからない。
せめて半分くらいは無事に耐えて欲しい。
また中止になんてなりたくない。
ふと、怖い視線を感じたから振り向いてみると、オズマが悔しそうにしながら私を睨みつけてきた。
相手が誰だかわかったため、私は気にすることもなく視線を逸らして発言をする。
「サバス様に毎日美味しいご飯を作れるよう、これからも料理の研究に励んでいこうと思います」
よし、思っていたことをしっかりと喋ることができた。
「男爵の群材で侯爵家に嫁ぐなんて、しかもあのサバス様になんて信じられないわ」
「まぁ、さすが男爵ねぇ。そんな情けない発言しかできないなんて」
「きっと裏でずる賢いことを考えて婚約に持っていったのよ」
あぁ、私に聞こえるくらいの声量でヤジを飛ばされている。
だが、全く気にしていない。
思ったことをそのまま言ったまでだし。
サバスとは料理を介して仲良くなっていった。
いつも美味しい美味しいと食べてくれるのが嬉しかった。
その想いをそのまま言っただけである。
どんなに文句を言われようが覚悟の上だ。
「断っておくが、私からライアンにアタックしたのだ。彼女の料理は本当に美味しい」
「ちょ……ちょっとサバス、様?」
「故にテーブルに用意されたお菓子はライアンのお手製だ。皆も美味しく食べていただろうが。私はこの目でしかと見届けていたぞ」
サバス様が少し機嫌が悪そうになっていた。
私のために怒ってくれることが嬉しい。
無意識にサバス様の袖をグッと握った。
「あのサバス様が男爵令嬢などと……」
「悔しい……私が何度アピールしても無視され続けていたのに」
「私ももっと料理を磨いていれば……」
これ以上ここにいると何を言われるかわからないし、すぐにステージを降りた。
「申し訳ありません、私のために……」
「気にするでない。むしろ、ライアンはよく耐えてくれた。こうなるとわかっていただけに、本来ならば私だけで宣言しておくべきだったと思っている」
「いえ、言いたいことはしっかりと言えたので」
「むしろライアンの素直な気持ちをあの場で喋ってくれたことが嬉しかった。ありがとう」
「ひ……」
私の頬にサバスの唇が触れた。
そういう免疫はまだ出来上がっていない。
気を失ってしまうところだった。
危ない危ない……。
「さて、もうひと組……オズマ=フレイヤ殿とミーナ=ワインド殿よ、ステージへ」
陛下が少しだけ声のトーンが下がって宣告した。
オズマたちは突然呼ばれて驚いているようだったが、すぐにニヤリと笑みを浮かべ、堂々とステージへたった。
まるで、結婚しました宣言でもして祝福されるのだと思い込んでいるようだ。
「さて、彼らにはこの場をもって爵位を剥奪の上、牢獄生活を送ってもらう。貴族の恥さらしだ」
「「な……⁉︎」」
今まで見たこともないような、今にも死にそうな表情を二人は浮かべていた。
51
あなたにおすすめの小説
幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。
クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。
そんなある日クラスに転校生が入って来た。
幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新不定期です。
よろしくお願いします。
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
幼馴染に夢中の夫を捨てた貴婦人は、王太子に熱愛される
Narian
恋愛
アイリスの夫ロイは、新婚の頃から金髪の愛らしい幼馴染・フローラに夢中で、妻には見向きもしなかった。
夫からは蔑ろにされ、夫の両親からは罵られ、フローラからは見下される日々。そしてアイリスは、ついに決意する。
「それほど幼馴染が大切なら、どうぞご自由に。私は出て行って差し上げます」
これは、虐げられた主人公が、過去を断ち切り幸せを掴む物語。
※19話完結。
毎日夜9時ごろに投稿予定です。朝に投稿することも。お気に入り登録していただけたら嬉しいです♪
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
地味で無才な私を捨てたことを、どうぞ一生後悔してください。
有賀冬馬
恋愛
「お前のような雑用女、誰にでも代わりはいる」
そう言って私を捨てたディーン様。でも、彼は気づいていなかったのです。公爵家の繁栄を支えていたのは、私の事務作業と薬草の知識だったということに。
追放された辺境の地で、私はようやく自分らしく生きる道を見つけました。無口な辺境伯様に「君がいなければダメだ」と熱烈に求められ、凍っていた心が溶けていく。
やがて王都で居場所をなくし、惨めな姿で私を追いかけてきた元婚約者。
「もう、私の帰る場所はここしかありませんから」
絶望する彼を背に、私は最愛の人と共に歩み出します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる